表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オカリナ王国〜音楽の力が全てのこの世界で〜  作者: 早乙女リリィ
第 II 楽章 ピアノ合衆国〜規律、創造、そして祈り〜
PR
39/45

第37小節目 ♫ 新たな装い


 ユーリは黒のワンピースに身を包んだ。

 スカートの裾部分には、ピアノの鍵盤を模したような白い生地のプリーツが施され、後ろを向くと腰に大きなリボンが結ばれている。


 靴は艶々とした黒いドレスシューズ。

 丸みを帯びた形は、背伸びしすぎない上品さを添えた。

 また、寒さ対策として上に羽織ったコートも黒で、上半身の部分はまるでボレロを重ね着しているように見えるデザインだ。


 そして、襟元には白いグログラン素材の高級そうな細長いリボンが垂れ下がっている。

 よく見ると、リボンには同色で五線譜の模様が加工されており、指先でその感触を確かめるとザラリとしていた。

 さらにリボンの結び目には、ト音記号をかたどった金細工が飾られており、アクセントになっている。


 膝上のコートの裾からは、下に着たワンピースの鍵盤が見えた。

 最後に白の薄いタイツを履いたことで、全身が白と黒で統一された。その様はまるで楽譜の一部のような装いだ。


 ユーリは鏡に映る自分の姿を見ながら、どこか夢心地のような表情を浮かべた。

 「こんなに良いものを私が着て良いのでしょうか…。」

 「もちろん。とても良く似合っているよ。

 まるで鍵盤の精霊だね。」

 クロウリーは満足そうに深く頷いた。


 続いて、クロウリーが身につけたのは漆黒のテールコート。

 背中側が長く流れるようなシルエットが特徴的で、どこか優雅さを漂わせる一着だ。


 シャツの襟元には白いタイが結ばれ、グランドピアノ州らしいクラシカルな印象が全体に調和している。

 「オーケストラに出られそうです!」

 クロウリーはユーリの言葉に上品な笑みを返しながら、(うやうや)しくお辞儀をしておどけてみせた。


 「そんなこと言われたら、大舞台で指揮でも振りたくなるね。

 でも残念ながら、ボクの得意分野はオカリナだけなんだ。」

 その軽妙な返答に、ユーリは思わずくすりと笑った。


 華やかな装いに身を包んだ二人は、まるで音楽の世界に溶け込むように、新たな一歩を踏み出す準備を整えたのだった。



 つづく


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ