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対立

「―ということで私はそう易々とこの世界を消す訳にも行かず、だからといって異常を放置しておく訳にも行かない」


「経緯は理解しました……たぶん。この世界はこの世界で進行する内容が違ったら何がいけないんですか? 」


「プログラム#17<時間停止(タイムストップ)>」


「なにしてるんですか!? 」


「なに、ここから先は君としても聞かれたくない話も含めるからな。例えば君が異世界から来たこととか、だな」


「……」


いや、管理者が知っていることを彼が知らないはずがないか。


「さて、この世界で起こっている異常のひとつは君だ。そしてもうひとつは君の後ろにある」


後ろにはさっき通ってきた裂け目があった。


「君の存在はまだ黙認できる。他の創造者や管理者は反対するだろうが私は1つくらい違う時間が進んでもいいと思っているからな。

ただしその裂け目はだめだ」


「そもそも君がこの世界に来てしまったのもこんな裂け目ができるほどずさんに創られた世界のせい、そして創った私の責任だ」


「では、その裂け目だけを修復することは? 」


「無理だ。出来ることならそうしたい。だがこの裂け目はどうやらこの世界ができる頃からあったらしい。1000年以内なら何とかなったかもしれない、しかしこの世界は2000年経過している」


「じゃあ……」


「傷んだものは取り除かなければ他のものにも感染してしまう。根本から取り除くしかないのだ」


「この世界を愛しているが、他の世界にも想い入れがあるのだ。本当に悲しいが……仕方の無いこと―」


考えるよりも先に手が動いてしまっていた。

頭ではわかっている。ここで止めたところでこの世界が長続きはしないことを。

でも―


「<闇雷獄破砲拳ドルク・グドロネアけん>」


普通に殴るだけじゃ通用しない。

ならば魔法を纏えば、無理やり高火力の魔法をぶつけられる。


しかし―


「無駄だ。君がいくら想定されていないステータスを手に入れていても、私のステータスには遠く及ばない」


片手で止められていた。

とっさに後ろに下がったが、八方塞がりだ。


「さて、ここで問題だ。そこの魔王のいた世界のキャラクターはどこへ消えたか? 」


確かにあの世界にはキャラクターがどこにもいなかった。単に殺されたのかと思っていたが、それにしては亡骸がどこにもなかった。


「答えは簡単だ。プログラム#19<召喚(サモン)>」


彼がそう唱えると―


「<闇獄砲(ドルク・ジーゼル)>」


「っっ!? 」


至近距離から魔法が放たれた。

ギリギリで避けるが、状況が呑み込めていない。


それはそのはず、魔法を撃ったのが私だったからだ。


「はっはっは! 驚いたか? そいつはその世界から来た君だよ。おっと、後ろにも気をつけたまえ」


「なっ―」


「<大光弾(サン・へイーグ)>」


「いっ……」


これまたギリギリで避けるも、掠めた魔法が痛い。

ステータス差があっても致命傷になり得る光魔法。

それが撃てるのは数少ないはず。思い当たるのは1人―

アリアちゃんだった。


「そいつも同じくその世界から来た。ひとつ忠告しておくが、意識は無いから話しかけても無駄だぞ」


「<閃光弾(サン・ブリッツ)>」


「<闇波(ドルファ)>」


魔法が次々と飛んでくる。

光魔法が超絶天敵なせいでステータスは勝っているのに反撃しにくい。


「すまないが、これもこの世界への愛と受け取ってくれ」


そう言って国王がどこかへ行こうとする。


「待っ……」


「自分の方に集中した方がいいのではないかな? 」


「<光雨(サン・レーゲン)>」


悔しいが彼の言うとおりだ。

もう1人の私の攻撃はそこまで早くない上に闇魔法はよく知っているから避けれる。

ただ、もう1人のアリアちゃんの攻撃は魔法を見てから避けるしかない。アリアちゃんと戦ったことのない弊害がここで……


「<闇雷獄破砲(ドルク・グドロネア)>」


私自身もアリアちゃんも攻撃をするのは心苦しいけど、そんなことを考える余裕もない。

放った魔法は2人を貫いた。すると2人は消えてしまった。

恐らくこの世界に存在しない存在だから死んだら消えるのだろう。


変に復活とかしなくてよかった……

国王を追いかけないと……と思いその場を離れようとした時―


「<闇雷獄破砲(ドルク・グドロネア)>」


魔法が私に直撃した。

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