第42話 砂漠を放浪する猫
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「暑いにゃん――」
砂漠を二本足でひた歩く一匹の猫がいた。白いつややかな毛並みを有す猫である。だが発する言葉は人のソレである。
そしてその猫は見た目こそ猫だが、膝丈まであるズボンを履き、通気性の良さそうなベストを毛の上から着ていた。そして背中にはリュックサック――
「うちが、砂漠で初めて交易を結ぶにゃん。うぅ、でもどっちにいけばいいにゃん?」
あっちを見てもこっちを見ても当然砂しか見えない。ここは死の砂漠だ。猫が一匹で歩くには過酷すぎる環境である。もっともどうみても普通の猫ではないのだが。
「そろそろ水が空にゃん。ピンチにゃん」
水筒を逆さまにして何度も振る。だが既に一滴たりとも水は残っていない。
「うぅ、うちは砂漠でうつ伏せになって倒れるにゃん。凄くピンチにゃん」
確かに状況はピンチに思えるが妙に緊張感の足りない猫でもあった。
「砂が、熱いにゃん……」
そう呟いたその時だった。砂がボコッと盛り上がり、かと思えばその状態で動き始めた。
「な、なんにゃ?」
慌てて立ち上がる。その時だった砂の中から巨大な蛇が姿を見せる。
「にゃにゃにゃにゃにゃーーーーーー!」
毛が逆立ち、絶叫する猫。そしてこれまでの疲労はどこへやら、猛ダッシュで逃げ出したが、しかし巨大な蛇の動きも存外速かった。
「お、追いつかれるにゃ! そうにゃ! え~と――」
リュックに手を突っ込み中身を取り出す猫だが。
「これでもない、それでもない、にゃにゃにゃにゃ~~!」
リュックから取り出す度にそれをポイポイ投げ捨てていく。どうやら目的の物が中々出てこないようであり。
「あ、あったにゃーーーー! 喰らうにゃん! 催涙玉!」
片手でもてる程度の球体を大蛇に向けて投げる。
迫る大蛇に命中し弾けてボフンっと煙が広がった。
『~~~~~~~~~~ッ!?』
大蛇が動きを止め、砂の上でジタバタと暴れまわる。催涙玉の効果だ。この玉から吹き出される煙は対象の目と鼻に強い刺激を与える。
「ざまぁないにゃん! これで逃げるにゃん!」
あっかんべぇをして逃げる猫。だが、今度はその正面に別な大蛇が姿を見せた。
「にゃにゃにゃにゃにゃぁあああぁああ!」
慌てて踵を返し逆方向に逃げる、が、そこには立ち直った最初の大蛇が鎌首をもたげて待ち構えていた。
「にゃにゃにゃーーーー! もう駄目にゃーーーー!」
涙を流して諦めに似た言葉を口にする。だが、その時だった――
「砂魔法・砂鉄大槍!」
何者かの声が聞こえて、かと思えば巨大な鉄の槍が大蛇を貫いた――
◇◆◇
僕の城に仲間が増えた。ゴブリンサンドの塒で助けた子どもたちだ。おかげでオアシスにも更に住人が増えたけど、そうなると食べ物の確保は必須だ。
そこで今日は妹のモルジアやメルと一緒に砂漠に狩りに向かった。イシスはオアシスの植物の管理をアインは今は蟻達に色々と指導している。
フィーは元々住んでいた場所に戻っていた。定期的に戻って様子を見ているからね。
「光魔法・指閃――」
メルの指から一直線に光が伸びた。その先には角が生えた大きな兎。一角砂兎だ。
光は兎を貫き一撃で仕留めた。傷口も小さい。これなら味も落ちることはないね。
「空間魔法・空間収納――」
モルジアが魔法で一角砂兎を収納した。モルジアのおかげで狩りは本当にやりやすくなった。収納があれば多くの狩りをしても持って帰れるからね。
さて、まだ狩りは続けようかな。辺りは砂ばかりで何もなければどっちにいっていいか見失いそうだけど僕には砂感知がある。
これで範囲を広げれば周囲の情報が掴めるよ。
「あれ?」
「どうかされましたのお兄様?」
「美味しい獲物?」
僕の反応を察したのかモルジアとメルも注目してきた。
「誰かが向こうで襲われているかも――急ごう」
「はい! お兄様!」
「はい! 主様!」
メルとモルジアが左右からギュッと密着してきた。波乗りで移動するから振り落とされないようにしてるのかもだけど、基本的には調整してるから大丈夫なんだけどね。
さて、砂座波で加速、間もなくして遠目に見えたのは……猫だった。
えっと、人のように走っている猫だ。猫だけど服を着ていてマントも羽織っていた。にゃにゃにゃ~と凄い慌てていて、それを挟み込むように蛇の魔物が襲いかかっている。
あれは、砂大蛇だ。砂漠に現れる巨大な蛇で、砂漠ではよくあるんだけど砂の中に潜んで獲物が近づいたら姿を見せる。
食欲旺盛な魔物だ。そしてあれは食材になるし皮も利用できる。
「とにかく助けよう! モルジア砂鉄を!」
「はいですの!」
今はモルジアの空間魔法で特殊な砂を保管してもらっている。
そこから砂鉄を取り出してもらい魔法を行使した。
「砂魔法・砂鉄大槍!」
砂鉄槍より更に長大な槍が飛んでいき、砂大蛇の身を貫いた。串刺しになった二匹の砂大蛇が砂漠に立ち上がる。
暫くは痙攣していたけど、そのうち動かなくなった。これで倒すことは出来たね。
「にゃ、にゃ! これは一体何にゃ!」
僕たちが襲われていた猫に近づくと、倒した砂大蛇を見上げながら叫んでいたよ。僕にもわかる言葉だ。
「わ、驚いた。君、喋れるんだね」
「にゃ、ひ、人がいたにゃーーーーーーーー!」
な、何か声を掛けたら凄い驚かれちゃったよ――
新たな出会い……
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