第37話 砂漠のゴブリンが隠していたもの
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「ここだ――」
僕たちがたどり着いたのは、ゴブリンサンドが塒にしていた洞窟の中で一際大きな空間だった。
そしてそこは――大量の砂で埋め尽くされていた。
「ふむ、気になると主が言うたのはこの砂か」
「しかし、これまたキラキラした砂ですなぁ」
「綺麗な砂だねぇ」
フィーとアイン、それにメルが砂を見て感想を述べた。アインはそれが砂であっても槍を手に警戒を緩めない。フィーはしげしげとメルも興味深そうに砂を見ている。
「普通の砂とは違うみたいだね」
「透明感がありますの」
うん。イシスとモルジアの言う通り、色も白味がかっていて砂漠の砂とは違うよ。
「あの、私達も触ってみても?」
「うん。いいよ」
そしてゴブリンに捕まっていた皆も砂を掬ったり触れたりしていた。
「これってもしかして……」
すると狸耳と尻尾の少年が砂を見ながら考え出した。この子はチャガマという名前だったね。
「これはもしかしたら金剛石かも知れません」
え? ダイヤモンド?
「お主、よくわかったのう」
「昔、宝石商の側に仕えていたことがあって……」
なるほど。そういうことなら納得だね。
「でも、もしこれが金剛石の砂なら――もしかして!」
ふと思いつき、試してみることにする。
「砂魔法・金剛人形!」
金剛砂が盛り上がったかと思えばキラキラのダイヤモンドのゴーレムが作成された。
「「「「「「「「「「何これ~~~~~~~~~!」」」」」」」」」」
僕が作ったダイヤモンドのゴーレムに皆びっくりしたみたいだ。でも、やっぱり砂だから僕の魔法の範囲内だったみたいだね。
「流石であるぞ我が主よ。よもやこのようなゴーレムまで作ってしまうとはな」
「本当に凄いけど、砂なのかなぁ?」
底に溜まってる砂を手で掬いながら小首をかしげた。僕としても半信半疑でやってみたけど、でもゴーレムに出来たから砂ってことなんだろうね。
「偉大なるお兄様の砂魔法であれば、このぐらい造作もないですの。きっとルビーでもサファイヤでもパールでもお兄様なら作り上げてしまうに決まってますの」
「おぉ~~~~!」
「流石あれだけの存在を眷属にするだけある……」
「やっぱりただものじゃなかったんだ」
「そんな凄い人に拾われるなんて僕たちついてるよグレテル!」
「そ、そうかも……」
モルジアがとんでもないことを口走ってるよ! そのおかげか見ている皆も、何か宝石みたいに目がキラキラしてきてるし……
一度は死にたいと言っていたグレテルも目を丸くさせているし。ちなみに同じ猫耳の男の子は兄で二人は兄妹みたいだね。
「ふむ、しかし主よ。それは面白い話かも知れぬぞ。魔法で更に感知範囲を広げてみることを妾はおすすめするぞよ」
フィーが微笑みながら僕に助言してくれた。範囲を広げるか……ならちょっと魔力を込めて――更に僕は範囲を広げた。
それで気がついた、他の砂の存在にも! 僕たちはそれから近場の砂から見て回ることにしたんだけど。
「この赤い砂は紅玉の砂だね」
「えぇえええ!」
「こっちの砂は翡翠の砂だよ」
「うそ~~~~~~!」
「これは蒼玉の砂だ」
「マジで!」
「あ、これは真珠の砂だ」
「信じられない!」
「うん。これはただの砂だね」
「凄い!」
「いや、最後はただの砂であろう」
というわけで最終的にはもうただの砂でも驚かれたけど、これでわかったのはこの辺りは宝石の砂の産地ってことだった。
「これは凄いですわお兄様! まさに宝の山を見つけましたですの」
「ここだけでこれだけの砂があるからのう。きっとこの辺りの山にはこのような砂がザクザク眠っていると思うぞよ」
片手で自分の顎を撫でるようにしながらフィーが言う。こう言うちょっとした仕草が妖艶に感じられるよねフィーは。
それはそれとして、まさかゴブリンサンドが塒にしていたこの山が宝石の砂の宝庫だったなんてね。
元々ゴブリンはキラキラしたものを好むって話だったけど、だからここを塒に選んだのかな?
「でも宝石なんて何か使い道あるかな?」
正直砂漠で宝石があっても。あ、でも女の子は嬉しいかな。
「主よ。前も言ったと思うが資産になりそうな物は持っていて損はないぞよ」
そういえばそうだったね。それで砂金も城に保管してあるわけだし。
「うん。それに金剛砂は強そうだしね」
「それならばお兄様。私の出番ですの!」
そうだった。モルジアは空間属性だから空間に収納スペースを作ってそこに物を入れておくことも出来る。
それがあればあの蟹だって楽に運べるけど、だからといって無制限じゃないから、砂をまるごともっていくわけにはいかない。
それでも今ある砂ぐらいなら問題なく運べそうとのことだけど。
「あまり運んでも置く場所がないしね。とりあえず城に保管出来る程度を持っていこうか」
そろそろ外も暗くなりそうだから、あまり長居もしてられない。夜の砂漠は寒いしね。
急いで城に戻った方がいいだろう。この辺りの山にはまだ色々と面白そうな物が眠っている可能性があるからまた調査には来ようと思うけどね。
「ふむ、ならば――」
するとフィーが洞窟の壁面に爪で文字を刻んでいったんだけど。
『この一帯は砂漠の王が管理する至高の地なり。ここの砂を含めた資源の勝手な持ち出しは厳禁とする。もしこの警告を無視するものがいたなら、大いなる王の眷属たるスフィンクスの怒りに触れることになろうぞ』
「ふむ、これで良いかのう」
「いやいや! 何書いてるのフィー!」
驚いたよ! こんな文字をあっちこっちに刻んでるんだもの!
「主よ。確かにここは死の砂漠であるが、この辺りであれば何者かがやってくる可能性がないとはいいきれないであるぞ。主の持ち物であることをしっかりと証明しておく必要がある」
「いや、そもそも僕の物ってわけでも……」
「何を言うか。ここのゴブリンサンドを始末し、主がこの地の資源を見つけたのだ。それにこのスフィンクスが認めたのだから問題ないであるぞ」
フィーが自信満々に言い放つ。そ、そういうものなのかな?
でも確かに占領していたゴブリンサンドもいなくなった以上、そういうことでいいのかな?
もっとも、本当にこんなところに来る何者かというのかいるのかなって気もするけど。
とにもかくにも、洞窟の探索も一旦終了とし、ゴブリンサンドの死体は全てフィーが燃やし尽くし、そして僕たちは助けた皆や他の蟻たちと一緒に砂魔法で城に戻ることにした。
フィーが風を操作してくれたから速度もかなり出るよ。
「凄いですの! 流石お兄様ですの。私の空間移動よりずっと速いですわ!」
今のモルジアの空間移動だと一度に十メートルしか移動できないからだろうけど、でもこれから成長したらきっと更に移動できるようになるんだろうね。
『全く俺までつきあわされるとはな』
「貴方は私の持ち物ですの。それなら一緒なのは当然ですの」
『馬鹿言うな。俺に自由を奪われてるのはお前だろうが』
「私は全く不自由ではありませんの。愛しのお兄様にもあえましたし~♪」
「ちょ、モルジアってば」
モルジアが僕にピタッとくっついてきたよ。家族だし可愛らしい妹に好かれるのは光栄だけどね。
「砂でこんな移動が出来るなんて……」
「本当に一体何者?」
「人間、なのよね?」
う~ん、怖そうだからって波の後ろの方に立っているのは捕まっていた皆だけど、何かまた色々誤解を受けてる気もしないでもないねぇ……
宝石の砂ゲット!
本日後1話更新して第二章終了とする予定です。明日から第三章砂漠の交流編に入ります。
目標の総合評価50000PTまで後16000……戦闘力で言えば野菜の王子様のちょっと下ぐらいが必要……
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