第31話 砂漠で妹と再会!
皆様の感想と誤字脱字報告に感謝!
感想とレビューをどしどしお待ちしてます!
「あ、あれ、ここは?」
「良かったモルジア! 気がついたんだね!」
「え? この声?」
目を覚まし、暫く目がトロンっとしていて状況が掴めていなかった様子の妹だったけど、僕が声を掛けるとハッとした顔になって僕を見てくれたよ。
「お、お兄様?」
「うん。僕だよモルジア」
「あ、あ、うそ、お兄様、お兄様ーーーー!」
「わわっ!」
意識を取り戻して、僕に気がついたモルジアが飛びついてきて強く抱きしめてきた。枷はついていたけど鎖にちょっと余裕があるから問題ないね。
でも、ちょ、ちょっと照れるかな。だけど涙も流しているしよっぽど怖かったんだろうね。
「もう大丈夫だよモルジア」
「うぅ、良かったですね」
僕が妹の頭を撫でているとイシスも涙声になっていた。一緒に喜んでくれているみたいでもある。イシスはやっぱり優しい子だね。
「全く小娘は呑気であるのう。そんな悠長なことを言っていて良いのか?」
「折角の兄妹の再会ですよ。フィーこそ何を言ってるんですか?」
「甘い女よのう。妹でも女であるぞ」
「もう、何を言って――」
「えへへ、お兄様~やっと会えたですの~お兄様の匂い、すんすん、あぁ、凄く落ち着くお兄様の匂いですわ~お兄様~」
「ちょ、モルジア、もうしょうがないなぁ」
泣いていたと思ったらすぐに機嫌が良くなって、僕の匂いを嗅いできたりしていた。モルジアは昔から甘えん坊でちょっとスキンシップが過多なところはあったけどね。
「ふむ、人の兄妹というのはなんとも触れ合いが激しいのですな」
「匂いを嗅ぐって求愛行動ならよくあるんだけどねぇ~」
「…………」
何かアインとメルの会話が聞こえてきたけど、人の場合はそうじゃないからね。家族のスキンシップだよ。
「ほれほれ見たことか。油断していると妹にとられてしまうぞよ?」
「そ、そんなわけないじゃないですか。ていうか、とるって何ですか。私は別に……」
「それは良かった。なら妾が気兼ねなく尽くせるし色々と出来るからのう」
な、何だろう? よく聞こえないけど、とりあえずイシスの顔から涙が消えたよ。
「もう、そろそろ離れて、ね? 僕も汗臭いし」
「それがたまらないのではありませんか~最高ですの~」
「?」
汗の匂いが? それとも何が違う意味があるのかなぁ?
「ところでお兄様」
「なんだい?」
ガバっと顔を上げた後、モルジアが僕に問いかけてきた。
「そこの、いかにも男を拐かしそうな褐色の女と、見た目が幼いのに胸が大きいアンバランスなスタイルをしたいかにも男を駄目にしそうな幼女と、大人しそうな顔をしながら虎視眈々とお兄様を狙ってそうな油断ならない魔女は一体だれですの?」
「ほう、この小娘も言うではないか」
「あ、アンバランス?」
「ま、魔女……」
「我もいるのだが?」
「ちょ、モルジア失礼だよ~」
妹のモルジアが訝しそうに三人(何故かアインには興味なさそうなんだけど)を見ていたから僕の仲間であることを説明した。
「そうだったんですの……皆がお兄様のお仲間で、そして私を助けるために――そうとはつゆ知らず失礼なことを言ってしまってごめんなさいですの」
妹が皆に謝った。最初は誰かわからないからつい怪しんじゃったみたいだね。
「僕も兄として謝るよ。本当にごめんなさい。妹のモルジアも悪気はないんだよ」
「そんな! 気にしないで。モルジアちゃんはホルスを心配してのことだもんね」
「ホルス?」
イシスの言動に何故かモルジアの耳がピクリと反応した。
「うむ、主の妹であるし多少の無礼は許してつかわそう」
「主?」
あれ? また耳がぴくぴく反応しているような?
「でも、主様の妹様だけに凄く可愛いですね!」
「主様? いや、可愛いと言ってくれたのは嬉しいですけど……」
今度は耳が反応して何か小声で呟いているよ。
「はっはっは、いやいや主殿の妹君はしかし、フィー様に対しても怯むことなく大した肝っ玉ですな」
「主殿……いや、でもこの人は男ですの。でも、お兄様ならもしかして、それはそれで萌えですわですが……」
「えっと、モルジア?」
何かさっきからブツブツ呟いたりしてて、もしかしてまだ毒の効果が残ってて調子が悪いとか!?
「コホンッ。皆様については理解しました。スフィンクスとか蟻の王と女王とか、確かに普通ならば驚くところですが偉大なお兄様ならそれぐらいおかしくはありませんですの!」
「「「「お~」」」」
えっと、何かやっぱり砂漠という特殊な環境のせいか、ちょっと妹が変かなぁ?
皆も何か感心したみたいになってるけどね。
「しかし、ここで一つ皆様というよりそこの三人に言っておきたいことがありますの!」
「ふむ、何じゃ小娘弐号」
「いや、弐号って……」
「なんでしょうか?」
モルジアがアイン以外の女の子達を真剣な顔で見た。一体なんだろう?
「お兄様は、私の最愛のお兄様ですの! 誰にもお渡ししませんですの!」
「え? えぇ!」
モルジアがぎゅっと僕の腕にしがみついてきたよ。枷の鎖とモルジアの腕、固いのと柔らかいのが一緒くたになった奇妙な感覚だ。
それにしても前からこんなに僕に接して来たかなぁ?
いや、でも砂漠で一人彷徨ってきたんだ。僕がどうじゃなくてきっと寂しかったんだね。
「ごめんねモルジア寂しい思いさせて」
「はう、お、お兄様~」
僕が頭を撫でると、更に抱きつく強さが強まったよ。わざわざ祖国を離れてここまでやってきて、僕を頼ってくれたんだ。兄としてしっかりしないとね。
「いやはや、流石は王であるな! 皆からモテモテです!」
「え? いやいや! 僕はモテてなんていないよ!」
「え? いや、しかし?」
「もう、アインったら嫌だなぁ。モルジアは妹だから、それに砂漠で寂しくて甘えられちゃってるだけだよ」
「「「「……はぁ~」」」」
あれ? な、何だろう? 女の子四人からため息が漏れたような? 気のせいかな。
でも、モルジアは今言ったように妹で家族だし、フィーは格の高い神獣で僕はちょっとからかわれているだけだし、メルは手助けしたことで過大に慕ってくれているけどそれはお礼の気持からみたいだし、イシスは皆に優しいから別に僕が特別ってわけでもないしね。
うん、やっぱり僕がモテるなんてことはないね。アインの勘違いだよ~
皆様の応援がパワーに繋がります!
宜しければまだ評価してなかった~という方、広告の下の☆を★に変えて頂き評価して頂けると嬉しく思います!最大で★★★★★まで増やせます!
ブックマークがまだだった~という方がいましたらこの機会に是非!
今後も感謝の気持ちを込めて更新を続けて参ります!
また現在、居合忍法を駆使して無双するサムジャが活躍する作品も公開中!下記のリンクから飛べますので次の更新の間にでも是非!




