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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第六章 砂漠を狙う剥製王編

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第274話 砂漠で魔神に名付けを

「全く。まんまとやられてしまった。余が人間に負けを認めるなどそうありはしないのだぞ」


 勝負が決まり、イフリータはやれやれといった様子で負けに関して口にした。何はともあれ決着はついたのだけど、うん?


「あれ?」

「うん? どうしたのだ?」

「ス~?」


 イフリータが僕の様子に懸念を示した。スーもどうしたの? と僕を見ている。


「それが、僕が外で作成したゴーレムの様子がおかしいんだ。でも、さっきまでそんなことわからなかったのだけど……」

「それこそが拡大解釈を覚えた結果だろうな。結果的に魔力の感知力が上がったのだろう。特に自分が生み出したゴーレムであればどれだけ離れていようが様子ぐらいわかるだろう」


 そういうことなのか。でも、これは確かにおかしい。一度壊してまた再生した方がいいかも……目の届かないところから一旦砂に戻しての再構築なんて初めてだけど――


「砂魔法・砂人形!」


 とにかく試してみたけど、感覚で上手くいったことがわかった。ゴーレムが一旦砂に戻り再び元に戻ったことでおかしな状況……そう支配権を奪われていたような奇妙な感覚が消えたんだ。


「良かった! 上手くいったよ!」

「良かったな。さて、そっちが片付いたならこちらの話といこう。何せ余に勝てたのだからな。好きな願いを言ってみろ」

「それならここの出口を――」

「そうか。余と契約を結びたいか。全く人間風情に従うなどプライドが許さないが勝負に負けたのだから仕方ないな」

「え? いや、出口さえ教えて貰えれば……」

「そう言えば名は何と言ったか?」

「えっと、ホルス、です」

「そうか。ホルス余の主よ。これから宜しくな」


 なにかなし崩し的に決まった! ただここさえ出られればよかったのに!


「あの、とりあえずここから出るのが先決かなと思ってるんだけど……」

「ス~!」


 スーも両手をぱたぱたさせて、そうだよ~と訴えている。可愛いからつい頭を撫でてしまった。はぁ癒やされる。


「だからこそ余と契約しろと言っているのだぞ。わかったらさっさと名前を決めろ」


 はい? 名前?


「えっと名前ですか?」

「そうだ。主の魔力量は相当なものだからな。だからこそあのスフィンクスにフィーなどと名前を付けたのだろう?」

「えっと、それが何か?」

「何だ気がついていないのか? 本来人がスフィンクスのような高位の存在に名付けするなどありえないのだぞ。人が人に付けるのとは比べ物にならないほど魔力を持っていかれる」

「へ? そうなの? というか人が名付けしても魔力を!?」

「それも知らなかったのか……もっとも人同士だとそこまでの量ではないがな」


 今初めて知ったよ。名付けってそんな効果が……


「余のような高位の魔神に名付けすれば互いの絆も深まる。余も強化されるし主は余のような強力な魔神を使役出来る。良いこと尽くめだな。断る理由がない。さぁつけろ」

「強引!?」


 フィーもわりと強引なとこあるけどイフリータはフィー以上だよ……


「それにここから出たいなら余と契約しなければどうにもならんな。この扉を作ったのも余や主と同じ領域に属するもの。しかもこういった空間に閉じ込めるような物は作成側が圧倒的に有利。そうでなければとっくに焼き尽くして出ていた」


 えっと、それってつまり……


「出口から普通に出たりは?」

「無理に決まってるだろう。普通に迷宮を攻略するなどとは異なる。魔法によって生まれた亜空間だ。閉じたあの男が自ら出そうとしなければ出口など生まれはしない」

「そ、そんなぁ」

「ス~……」


 スーからも嘆きの声が聞こえた。出れると思って頑張ったんだけど……


「そう嘆くな。確かに今の余では厳しいが主に名付けしてもらえたなら話は別。余の力は間違いなく強化されこの程度の空間、軽く木っ端微塵にしてくれよう」

 

 腕を組み、大きな胸を揺らしながら意気揚々とイフリータが言い放った。


 それで僕に名付けして欲しいってことなんだね。


「わかったら主よ。早く名付けしてもらおうか」


 す、すごい圧を感じるよ。


「それとも主はあのスフィンクスには名付けして余には名前は付けられないと言うつもりか?」


 更に圧が増した! 何かと思えばフィーに対抗意識を燃やしてるんだ……えっと、仲良くはしてくれるよね?

 

 でも結局そうしないとここからは出られないわけだし……


「わかったつけるよ。でもちょっと待って考えるから」

「贅沢は言わないぞ。格好良くて勇ましくてフィーよりも偉そうなら」


 贅沢は言わないといいつつ、凄く注文付けられた! 


「え、えっと、それじゃあリタでどう、かな?」


 様子を伺いながら問いかける。正直格好よいとか勇ましいとか偉そうとか言われてしまうとどうかなと思わなくないけど……


「ふむ。リタ、リタか……少々短すぎる気がするが仕方ないな。妥協してやろう」

「あ、ありがとう……」


 どうやら気に入っては貰えたようだね。


 というわけで僕は改めてイフリータの名前を決めることにした。


「それなら君はこれからはリタだ。宜しくね」

「うむ。まぁ大船に乗ったつもりで、ムッ!」


 すると、リタの全身が光り輝く。そういえばアインやメルそしてフィーの時もそうだった。


 果たしてこれでリタは強化されたことになるんだろうか?

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