炎の効果を収納する
鉱山へは村の真ん中を通る道を登って行った先にある。
その道を三十分ほど登ると鉱山の入り口が見えてきた。
人が来なくなった入口の前には魔導警備兵二体、先に進ませまいと進路を塞いでいる。
僕がもう少し先に進もうとした時、ゼフィールが制止した。
「ニコラ、それ以上進むと魔導警備兵が動き出す。」
どうやら今立っているここが魔導警備兵のが認識する範囲の境界らしい。
この場所から収納のギフトを使い“魔導警備兵の炎の効果”を収納する。
ギュヴォン
少し甲高い音と共に銀の円盤が魔導警備兵の前に出現する。
僕は円盤の位置が魔導警備兵に当たる様に調整する。
この時点で、魔導警備兵に反応は無い。
円盤を攻撃と認識していないのかは不明だ。
(魔導警備兵の炎の効果を収納!)
そう念じると収納の中に“炎の効果”が入ってくることが感じられた。
だが、魔導警備兵にしてはその量が少ない。
僕が首をかしげているとマロリオンが声をかけてきた。
「どうしたニコラ。何か問題でもあったのか?」
「いや、収納した“炎の効果”が小さい気がする。魔導警備兵を動かすぐらいだから、かなり大きなものになると思っていたのだけど……。」
「魔導警備兵を動かすにしては小さいか……。銀の盾は魔導警備兵の体の真ん中に発生しているから位置の問題は無い。」
マロリオンはしばらく魔導警備兵を見ながら思案していが何かを思いついたのかニコラに尋ねた。
「……ニコラ。収納はどの部分から収納されるのだ?裏側からの収納されるのか?」
「収納は銀の円盤の表面だ、裏からは収納できない……!」
収納は円盤の表面から収納する。
ということは表面に触れた部分しか収納できない。
魔導警備兵の体の真ん中に銀の円盤を出現させているが、振れている場所の“炎の効果”しか収納できなかったのではないだろうか?
「全体に触れる様に調整しなければ“炎の効果”は収納できなさそうですね。」
「ニコラ、収納のスキルと動かせる?」
「ゆっくりとだね?やってみる。」
僕はゆっくりと銀の円盤を動かそうと調整する。
だがこの方法、距離があるのに微妙な操作を必要とした。
そしてゆっくりと動かなくては銀の円盤を維持したまま動かすことは出来なかった。
「……?!……??……難しい……。」
その様子を、近くで見ていたミハイルが尋ねてきた。
「なぁ、ニコラ。それ維持したまま動く方が早くないか?」
「「!!」」
ミハイルの言う通りである。
位置を調整しながら動かすよりも、固定した“銀の円盤”を動かす方が楽で速い。
僕は銀の円盤の出現位置を固定(手のひらから100m先に固定)したまま魔導警備兵を銀の円盤に通した。
グラッ
魔導警備兵は銀の円盤が通り抜けるとゆっくりと倒れ始めた。
ズゥゥゥゥゥン
二体の魔導警備兵はその場に倒れ動かなくなった。




