このレベルと言うのは何でしょうか?
小さなプレートに名前だけでなく各種ステータス等が記載されている。
例えば、ギフトの名前を書く木片は
名前 :ニコラ
ギフト:空間収納
備考 :収納品は不明
と書かれている。
そして、今回貰ったプレートには
名前:ニコラ、種族:人間、性別:男、年齢:15才
レベル:5
・能力値
体力:58、精神:30
筋力:B、敏捷:C、器用:A、頑健:A、知性:B
・スキル
短剣:E、槍:D、盾:D
火魔法:S、水魔法:S、風魔法:S、土魔法、雷魔法:S、毒魔法:S、光魔法:S、闇魔法:S、
加速魔法:S、停滞魔法:S、生命魔法:S、精神魔法:S、呪詛魔法:S、浄化魔法:S
時空魔法:S、召喚魔法:S
威力拡大(魔法):S、範囲拡大(魔法)、威力最大(魔法):S、複合合成(魔法):S
視認:E、感知:E、聞耳:E、言語:2(王国共通語、冒険者語)
・ギフト
空間収納EX:E
色々判らない言葉が増えている。
「キュアさん。このレベルと言うのは何でしょうか?」
最初に目についた“レベル”を訊ねてみる。
「それは経験により肉体が強化された量を表したものだ。
強化量を一定の区分で分類した物がレベルなのだ。」
キュアさんによると、何らかの経験を積むことでレベルは上がるらしい。
次に能力値について質問してみる。
筋力とか敏捷などと言う能力はどの様な能力かは想像がつく。
けれど、ここに書かれた文字が何を表すかは判らない。
「能力に関しては書かれている物の事を示している。
筋力は力の強さ、敏捷は瞬発力、器用は制御力、頑健は丈夫さ、知性は頭の良さ。
王都民の大人の平均はCだ。
上から順番にS、A、B、C、D、Eとなる。
体力は耐久力、精神は精神力魔法を使う時に必要な能力を数値化したものだ。
この二つはレベルに依存する部分あるので数値になっている。」
キュアさんからよく判らない解説を貰った。
要約すると、書いてある文字の通りのイメージで良いそうだ。
(大人の能力は大体Cなのか・・・、ではスキルはどうなのだろうか?)
なぜか数多く書かれている魔法のスキルがどれもSである事が気になった。
それに、“威力拡大(魔法)”とは何なのだろうか?
「スキルの上限はS、達人級だ。
武術で言うと入門者はE、初級はD、中級はC、上級でB、師範でAと言ったところか。」
その言葉を聞いて、僕は頭を抱えた。
このカードは誰にも見せることが出来ない。
だがそれと同時に別の疑問が出る。
魔法が達人級ならば、何故呪文が出来なかったのだろうか?
「キュアさん。スキルは判りました。
これを見ると火魔法がSとあり達人級となっていますが、
何故、爆発が使えないのでしょうか?」
キュアさんの説明通り、僕が達人級のスキルを持っているなら、
火魔法の上級呪文、爆発が使えないのはおかしいのだ。
「爆発が使えない?
それはおかしいな、このカードの不具合も考えられるが・・・
取り敢えず、ニコラ。
爆発の呪文を見せてくれたまえ。
呪文研究室に案内しよう。」
キュアさんは立ち上がると僕を研究所の更に奥にある呪文研究室へ案内してくれた。
ここでは日々新たな呪文、もしくは使い方を研究する用に
呪文が使えるグランドが併設されている様だった。
僕はそのグランドに立ち爆発の呪文を使うべく精神を集中させる。
その様子を見ていたキュアさんが僕を止める。
「?ニコラ、拡張スキルを使う必要は無いよ?」
「拡張スキル?」
「いや、今君は“範囲拡大”と“威力最大”の拡張スキルを使おうとしただろう?」
「え?そんなスキルを使っているのですか?」
僕の言葉を聞いたキュアさんが少し考える。
「ニコラが見本にした呪文が魔導皇帝の呪文なら、
“範囲拡大”や“威力最大”は使われているだろう。
という事は、爆発の消費精神は5、
”範囲拡大”で精神消費が四倍、“威力最大”で精神消費が三倍
とう言う事は、消費精神が60必要なのだ。
それに対して君の精神は30、
呪文は精神が足りないと必ず失敗する。」




