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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
魔導帝国の興亡

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魔導帝国の終焉その3

数人の魔導士によって召喚された巨石は墓石ごとレクトを押しつぶした。

同じ様に貴族用の共同墓地を訪れていた人たちを巻き込み巨大な石が覆いかぶさる。

召喚された巨大な石は貴族用の共同墓地の新たな墓石となった。


共同墓地の周囲には墓地の様子をうかがうフクロウやカラス、ハトなどが飛び交っていた。

これらは全て魔道士の使い魔であった。

ゼラム伯爵やルジョン伯爵だけでなく他の貴族もこの様子を見ている様だ。


ゼラム伯爵は帝都の別邸で魔導士からの報告を受けていた。


「我々以外にも多数の使い魔を確認。

閣下、いかがいたしましょう?」


ゼラム伯爵は手元に置かれた水晶球に触れながら大きくうなずく。

水晶球には少し不鮮明な映像が流れていた。

どうやら記録用の魔道具らしい。


「これが十分に役立ってくれる。

他の連中も見ているのならば好都合だ。

かまわん!続けろ!」


「はい、了解しました!」


魔導士は使い魔を通し、生命探知呪文を使用する。

使い魔から魔力波が放射され、共同墓地を走査した。


「生命反応ありません。

どうやら墓地に生存者はいない様です。」


墓地の走査を終えた魔道士がゼラム伯爵に報告する。

それを聞いたゼラム伯爵は立ち上がる。


「ルジョン伯爵は言った

“例えば墓参りの際、呪文が使えなくなりそのまま圧殺されるとか・・・。”

全くその通りのことが起きて(・・・)しまった。

だがこれは偶然なのか?

いや違う、ルジョン伯爵が引き起こしたとしか考えられない。

そうでは無いかな?」


「「「そうだそうだ!!」」」


「ルジョンが怪しい!」


「そうだ!皆の者、全てはルジョンの陰謀だったのだ!!」


「「「「ルジョン討つべし!」」」」


剣を掲げる仲間を見て男が一人諌めようとする。


「おいおい、みんなも、伯爵様も、一体何を言っているのだ?」


「ふむ?諸君、我々の中に裏切り者がいる様だ」


ぜラム伯爵は男を一瞥すると親指を下に向け


「裏切り者には死を!」


「な、ヒィやめろ!

何をする貴様らっ!!」


あっという間に数人の者に囲まれ切り刻まれる。


「四天王暗殺を企んだルジョンは生かしておく必要はない。

我らの手で正当な裁きを!!」


「裁きを!!」


それを合図にゼラム伯爵の配下、

南門近くに駐屯していた兵士、二百名ほどが帝都になだれ込んだ。


-------------------


ゼラム伯爵の配下、二百名が帝都になだれ込む様子は反対側の位置、

北門の近くに駐屯していたルジョン伯爵の天幕でも映し出されていた。

この天幕にはルジョン伯爵だけではなく、何人かの貴族も控えている。


「見よ!簒奪者が馬脚をあらわしたぞ。

このままだとゼラムが新皇帝の名乗りを上げよう!

ゼラムの野望は絶対に阻止せねばならない!!」


ルジョン伯爵は居合わせた貴族の顔をグルリと眺めた。

ほとんどが北方の貴族でルジョン伯爵の子飼いの貴族達である。


「各々方、出陣じゃ!」


「「「「「応!」」」」」


ルジョン伯爵とその配下の貴族が率いる兵士、二百二十名が北の門より帝都になだれ込んだ。

兵士達は口々に


「簒奪者ゼラムを討つべし!」


と自分たちの正当性を喧伝した。

ゼラム伯爵、ルジョン伯爵、

それぞれが率いる兵士達は宮殿前で激突した。


元々帝都は街中での戦闘は考慮されていない。

それどころか、商人や住民が移動しやすいように碁盤の目になっている。

その為、ゼラム伯爵もルジョン伯爵もほぼ同時に宮殿に到着した。


両者の兵士達が宮殿前で激突したことで周囲への被害が尋常ではないものになってしまった。

宮殿は何処からともなく発生した火災に見舞われ、

保管されている帝国臣民の情報は灰と消えてしまう。


ゼラム伯爵とルジョン伯爵の戦いは帝都で半年の間に渡って争われた。

その為、帝国の機能は完全にマヒし、地方へ逃げる人々が続出する。


帝都から遠く離れた所では元領主達が帝国から独立を宣言、

魔導帝国は以前の様に王国貴族が群雄割拠する時代へ戻ろうとしていた。


かくして、グレゴワールが築き上げた魔導帝国はここに終焉の時を迎えたのである。

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