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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
魔導帝国の興亡

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38/89

彼らは冒険者です

野営地へ戻るとすっかり元気になったのか

身分の高そうな親娘連れが感謝の言葉を口にした。


「この度は私や娘を助けていただいて、

なんとお礼を言うべきか、言葉に表せません。

私はロムスと言う者です。

こちらは娘のアディール。

家名はご容赦願いたい。」


「父上共々、お助けいただきありがとうございます。」


親娘連れは深々とお辞儀をした。

この親娘、やはり訳ありだった。

家名を言えないと言うことからかなり身分が高く、

すぐに判るほどの家柄なのだろう。


「見たところ、皆さま方は随分と若い人たちの様ですが、

それに、帝国の人間では無いご様子。

いったい帝国には何用で?」


ロムスさんが尋ねたことは、今まで通ってきた町でも尋ねられた事だ。

この場合、どう答えるかは決まっている。

その答えで何処の町でも問題は無かった、今回も大丈夫だろう。


「僕たちは帝国に商機を求めてオロール王国から来ました。

彼女が僕たちの代表で・・・」


「ジュリエット、と申します。

アルバート商会の者です。」


「アルバート商会!

オロール王国で穀物を扱っている商会だね。

と言うことは、帝国には穀物の売買かな?」


「いえ、帝国にはオロール王国で作られた磁器を売りに。

帝国では”便利な道具”を仕入れる予定です。」


ジュリアの言う“便利な道具”は魔道具の事を言っている。

これはオロール王国の商人が魔道具の事を言う時の言葉で、

“あくまで道具でしかなく一線を画す様な特別な物ではない”

と言う意味を持っている。


「オロールの磁器ですか。

アルバート商会は穀物以外に事業を展開しようというわけなのですね。

ですが、あなた方には商人以外の人も交じっているように見えますが?

それは何故でしょう。」


ロムスさんは意外と観察力がある様だ。

この場合も嘘にならず問題ない言葉を続ける。


「彼らは冒険者です。」


「冒険者?冒険をする者と言う意味の冒険者?」


ロムスさんにとって、商人に冒険者が同行するのは奇妙なことに映るようだ。


「従来の冒険者とは少し意味が違います。

ご説明いたしますと、

オロール王国では王国と商会が協力して冒険者協会と言う組織を作りました。

この組織は魔獣の討伐、危険な森の調査、商人の護衛など

王国兵士が対応できない、もしくは対応しにくい事を解決する為に作られたのです。

その組織の一員を冒険者と呼び、

彼らはその組織の一員で今回が最初の仕事が我々の護衛なのです。」


ジュリアは嘘は言っていない。

王国だけでなく、他の国でも軍隊では小回りが利かなく対応が遅れる、

もしくは対応しにくい事案が多々ある。

それらの事案も(・)解決する為に冒険者協会が作られたのは確かな事なのだ。


「討伐や調査、そして護衛ですか・・・。」


ロムスさんは冒険者の役割を聞いて少し考えると、


「少し尋ねたいのだが、

その冒険者を護衛に雇うには何か必要なものはあるのかね?」


親娘二人だけの道中の護衛を頼みたいのだろう。

だが、僕たちには帝都の様子を探る任務もある。

どう切り抜けるべきか?


「そうですね。

護衛の依頼の場合、必要な人数、護衛の日数、危険度により金額が変わります。

他にも、相手が信用のおける人物か確かめる必要もあります。」


ジュリアの言う事は信用できない取引相手とは取引をしないという事だ。

護衛に就いたつもりが”傭兵部隊”に売られていたと言う事が無いとも限らないのだ。


「信用・・・ですか?」


「そうですね。

少なくとも、家の名前を明かしてもらう必要はあります。

それに護衛の依頼となると、私共の護衛から割り当てる必要があるでしょう。

私共の方も減った護衛の対しての対応策を考慮する必要があります。

それを考えると護衛の金額はかなり高くなるかと・・・。」


こちらの事情もさることながら、

なにより家の名前が明かせない彼らはこれで諦めてくれる。

ジュリアと同じように僕も考えていた、


しかし!


「家名ですか。

・・・判りました。

護衛をしてもらう以上、身分を明かさないわけには行けませんね。


私の名前はロムス・アッシュランド、

アッシュランド家の嫡子です。」


アッシュランド家

魔導帝国グレゴワールの四天王の一人が”レクト・アッシュランド”

ロムスさんはとんでもない人物のようだ。

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