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騎士バナザード

のゲームには下級職、中級職、上級職と3種類ある。


・下級職:戦士、盗賊、神官、魔術師

・中級職:狩人、戦乙女、賢者

・上級職:騎士、武人、忍者


が代表的な職業である。


一見下級職が一番弱く思えるが、下級職は一つの事に特化した職業で、成長が早く得意な事に関しては非常に優れている。

中級職は多くの事が出来る反面、成長が遅い。

上級職はさらに成長が遅いが、多くの事が出来て、さらに他の職業にはない力をもっている。

ただ序盤では一番足手まといになりやすく、さらに性格も限定的である。

例えば騎士は善の性格しかなれない。


つまり、バナザードの性格が悪なら普通は騎士にはなれない・・・のだが、例外がある。

それは善の性格で騎士となった後、性格が変わってしまった場合だ。

中立は変わらないが、善と悪は行動によって変化する事がある。

だがその可能性はかなり低く、だからこそ彼の事を思いだせた。


(最初から上級職の騎士になれて次世代の主人公候補として、ブレイブのパーティで育てていたキャラだ。悪に変わって善パーティと一緒に行動出来なくなったから、装備品取り上げてそのまま放置してたんだっけ。)


自分が作ったゲームキャラとはいえ、可哀そうではある。


「おい!何黙ってんだよ!舐めてんのか!」


しかし、普通にムカつく奴である。


「すみません、考えごとをしてて・・舐めていたわけではないんです。あの・・・仲間を募集しているという事は人数が足りてないんですか?」

「ああ、俺を含めて3人しかいないからな。」


パーティは前衛3人、後衛3人の計6人が最大である。

おそらく迷宮の通路の広さを考えるとそのぐらいが丁度いい・・・と勝手に思っているが、本当の理由はよく知らない。


「という事は、このテーブルにいる3人ですべてという事ですね?」

「ああ、そうだ。」

「では、お二人のお名前を聞いてもいいですか?」


俺は座っている2人に話しかけた。

しかし、それに反応したのはパックル族女性の方だけだった。

彼女は今まで音楽を聴いているかのように、落ち着きなく体を小刻みに動かしていたが、突然こっちを見て止まった。


パックル族は大人になっても小柄で幼い外見で、好奇心旺盛だ。

逆に深く考える事を苦手としており、完全に行動も見た目も子供である。

この子も大きな青い目で、赤毛をポニーテールにしており愛らしい少女のような姿ではある。


ただ、皮鎧を装備して弓を携帯しているので、いっぱしの冒険者なのだろう。


「私はプックルって言うの、狩人をやってるの!レベル13だよ!よろしく!」

「アルと言います。よろしくお願いします。」


彼女は見た目通り、愛らしい声で挨拶してきた。


(狩人のプックル・・・たしかにそういうキャラを作っていたな。)


狩人は宝箱の鍵開けと罠解除の能力を持ち、後列からの弓の強力な攻撃を得意とする職業だ。


一見優秀そうだが、盗賊に比べて罠解除能力で劣っている為、成功率が微妙である。

悪いわけではないが、罠はパーティを一撃で壊滅させる可能性を秘めているので確実性がない限りあまり任せられない。


弓は強力で中盤あたりまでは活躍するが、中盤~後半にかけて神官の奇跡や魔術師の魔術の有用性が高まり、後列の枠を圧迫する狩人はいつの間にか外して使わなくなる。


パックル族は小柄だが俊敏で器用、そして運も強い。

盗賊としては最高の種族だが、その見た目通り力や体力など戦闘的な能力は低い。

その上、その体格ゆえに大きい弓が装備できず必然的に攻撃力は下がり、盗賊よりも技能が劣っている困ったキャラが誕生する。

つまりそれが彼女なのだ。


(そういえばそんなキャラ作ったなあ・・・。昔のゲームは数値だけで姿はない。こんな愛らしい姿なら頑張って育てたかもしれないなあ・・・。)


このパーティは微妙なキャラの寄せ集めなのかもしれない。

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