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目覚め

俺は飛び上がるように目を覚ました。


「フー、フー・・・ハァハァ・・・。」


心臓がバクバクしている。

とにかく呼吸を整える事に専念すると、少しづつ落ち着いてきた。


(思い出してきた・・・俺は酷い頭痛が襲ってきて意識を失ったんだ。)


その後どうなったか覚えていないが、少なくともここは俺の部屋ではないようだ。

なぜなら布団ではなくベッドだし、見た事もない衣服を着用しているからだ。

確認のために周囲を見回すと、広い部屋でベッドが10台ほどあり、俺と同じ衣服を着た人達が寝ている。


(病院・・・にしては、全体的に粗末で清潔感がない。それに、寝ている人たちの顔つきが外国人ばかりだ。)

もちろん外見だけで外国人と判断しているが、日本ではここまで多種多様な姿の人間が1部屋に集まるところなど見たことがない。

何か危ない事に巻き込まれたのだろうか?

俺が困惑していると、部屋に神官のコスプレした若者が入ってきた。

彼は迷わず俺の前に来てニコニコした笑顔で話しかけてきた。


「ご機嫌いかがですか、アルサン。」

「・・・?」


アルサンって何だろう?

物?それとも番号?それとも何かの暗号なんだろうか?


「どうしました?どこか調子が悪いのですか?」

「いえ、そういうわけではないのですが・・・その、なんというか・・・アルサンってなんですか?」

「んん?あなたのお名前は【アル】ですよね?たしか冒険者として登録されている名前はそうだったはずですが・・・。」


俺の名前がアル?

冒険者として登録?

意味がわからない。

しかしどこかで聞いた事があるような気がした。


(そうか!俺が最近やり直したゲームで、冒険者として登録した主人公の名前が【アル】だった!)


突然の閃きですべてがわかった気がした。


(つまり・・・どーゆう事?)


わかった気がしただけだった。


「どうしました?まさか復活が不完全で記憶障害が起きたのでは?」

「復活・・・という事は俺は死んだのか?」

「ええ、迷宮内で全滅して死にました。」

「全滅?まさか・・・それで仲間達は・・・。」

「あなたの仲間達は全員復活に失敗して亡くなりました。申し訳ありません。」

「まさか、そんな・・・。」


(まさか、そんな・・・これだと俺がゲームで作った【アル】と仲間達の末路と一緒じゃないか。という事は・・・まさかここはゲームの世界?)


「大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫です。」

「記憶障害などありませんか?」

「それも・・・大丈夫です。」

「では体の調子はどうですか?」

「そうですね、大丈夫です。」

「それは良かった。なら出ていってくれますか?」

「ええ、大丈夫です・・・って・・・え?え?」


ニコニコしたままの突然の出ていけ発言に驚き、自分の耳を疑ってしまった。


「大丈夫ならお引き取りを。ここはクルスト寺院の単なる休憩所なので、これ以上滞在されると困ります。」

「え・・ああ、なんかすみません。」


否応なく外に追い出されてしまった。

しかし、これからどうすればいいのだろうか?


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