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地下2階

地下2階の探索が始まった。

地下2階は地下1階と同じような造りで特殊なギミックや罠はない。

ただ敵が1段階強くなっており、ちゃんとレベルアップせずに勢いで降りてしまうとあっさり全滅する。

とはいえこのパーティなら雑魚もいい所である。

それにここは通過するだけなので敵との遭遇の可能性も低い。

黙々と次の階層に向かって進んでいく。

俺の忠告が効いたのかバナザードも無駄な会話をしなくなった。


(これはいい傾向だな。)


「・・・ボソボソ・・・。」

「ん?どうしたのアルテナ?」

「・・・ボソボソ・・・。」

「え?!」


アリアは突然俺とアルテナの間をすり抜け、後ろの暗闇めがけて駆けていった。

俺はあっけにとられたが、唐突に叫び声が上がった。


「ウギィィイイイイイ!」


その後、何度か大きな音が鳴り、怒号、叫び声が聞こえた後、急激に静かになった。

俺は音に萎縮して全く動くことが出来なかった。


「大丈夫ですか?アリアさん?」

いつの間にか俺の前に立っていたバナザードが暗闇に向かって話しかける。

するとコツコツという音と共に、涼しい顔をしたアリアさんが暗闇から出てきた。


「ええ、大丈夫です。オークが3匹ほどおりました。後ろから襲おうと思っていたようです。」

「アリアさん!お怪我はありませんか?!」

「ええ、相手も虚をつかれたようで、反撃も受けずに倒せました。」

「ところで・・・アルさん大丈夫ですか?」


俺は心配されるほど呆けていたようだ。


「え、ああ、はい・・・なんとか。」

「ボーとしてるんじゃねえぞ!もし、アリアさんが気付いてくれなかったら、狙われたのはお前だぞ!」


(そうか、後ろから強襲されていたら俺が一番危なかったのか・・・。)

そう考えると恐怖が襲ってきて寒気がしてきた。


「しかし、俺達を襲おうとするなんて舐められたもんだぜ。」

「少し前からつけていたようです。襲ってこない可能性もありましたが、始末させていただきました。勝手な判断ですみません。」

「ああ、いえいえ、おかげで助かりました。俺らはともかく、こいつは傷を負った可能性があるので・・・。」

「あ・・・ありがとうございます。」


俺がアリアさんに礼を言うと、彼女はにっこり笑ってまた隊列に戻っていった。

彼女は相変わらず美しかった。


(殺し合いをしたのに、動揺がまったくない。返り血さえ受けてない。これが冒険者か・・・とんでもない所にきちゃったな。)


「チッ!仕方ねえな。」

バナザードが自分の荷物から何か差し出して来た。

それは木と金属で出来た丸い物体。

「これはバックラーですか?」

「ああ、俺の予備の盾だがいざという時はそれで守れ。」

「あ・・ありがとう。」

「フンッ!」


彼が俺の身を案じてくれるなど信じられなかったが、攻撃されても守る手段がない俺にはありがたい。

左腕に固定すると吸い付くように馴染む。


武人は特殊武器である刀を使うのを得意としているので、基本盾を持たず、両手刀か二刀流を得意とする。

ただ序盤は刀がなかなか手に入らず、店売りの場合でもかなり高額となっている。

その救済措置の為なのか、序盤のサーベルなどの片手剣やバックラーなどの軽い盾は装備可能となっている。


(レベル5程度なら、無名の刀すらまだ手に入れるのは難しい。そういえばゲームでのアルはサーベルとバックラーで当分頑張ってたよなあ。)


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