表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/44

第32話 これからの敵について

ファフニールと一緒に時間を過ごし、翌日。

俺は、学園長室に呼ばれた。

理由は候補が多すぎてどれなのかが分かっていない状態で、学園長室に向かったのでいざ付いた時は頭の中は疑問でいっぱいだった。


「よく来てくれたな、鴉羽」

「は、はい!」

「朝から元気いっぱいの挨拶で結構結構…とりあえず座りなさい」

「はい」


東雲学園長に言われた通り、ソファーに座り、その反対側に東雲学園長も座った。


「まずは…任務完遂おめでとう。初めての任務にして十分な成果を得た、流石だ」

「それは…俺だけの力じゃなかったですが」

「だとしてもだ。それに賛美はきちんと受け取っておけ」

「は、はい…」

「それと愛染珊瑚のマネージャーと事務所の社長が謝礼をと結構な金額を送っていたが」

「受け取りません。前にも言った通り初めての決闘場での修理費に充ててください」

「まぁそう言うと思った。とはいえ、修理費に充てたとしてもまだ残っている。その分は鴉羽の口座に入れておいた。自由に使うといい」

「え、えぇ…」


修理にあてても残る金額って…どんだけの謝礼を俺に送ったんだ!?


「多分、個人的にも電話とかが来るとは思うが…そこからはお前の意思で返答しなさい」

「わかりました」

「さて…任務の話はこれくらいにして本題に入ろう」


東雲学園長は姿勢を正し、俺をじっと見つめながらそう言ってくる。

その瞬間、東雲学園長の雰囲気が一気に変わったのを察知し、俺も姿勢を勝手に正した。


「この話は既にソフィー、八神、アウローラには話してある話だ。本来は鴉羽も共にいて話そうと思ったが…動けないとなればな」

「すみません…」

「大丈夫だ、気にせんでいい…それで本題に戻るぞ。件の愛染珊瑚の実の両親の二人に関しては問答無用で逮捕及び刑務所送りになった。とてもじゃないがオールイーターを目覚めさせるような行為は容認できない」


それは、そうだ。

二人の身勝手な行動のせいで下手したら死人が出たかもしれないなったのは事実だし、それに関しても俺も許していないし、愛染さんにした外道極まりない行為に関しても全く許していない。

何なら会ってぶん殴ってやろうかなって思うくらいだ。


「…それで何だが、その二人のバックには何が居たのだろうと気になり調査をお願いした。気になる点が多すぎてな」

「気になる点?」

「あの蟷螂のオールイーターは眠っていたのにも関わらず、爆発で目を覚ました。今までの研究成果でもオールイーターが目覚める条件は色々あり、偶然か必然かわからないがあの二人は目覚める条件をピンポイントで当てたと考えている」

「…それは合っています」

「合っています、とはどういうことだ?」

「ファフニールも同じことを言っていました。あの蟷螂は音で反応し、目を覚ますと」

「…そうか、ファフニールも知っていた情報か」


東雲学園長は手を顎に当てて、そうつぶやく。


「まぁそこはいい。それで…調査した結果なんだが、少々厄介なものを見つけてしまってな」

「厄介なモノ…?」

「これだ」


そういいながら東雲学園長は机の上に一枚の写真を出す。

その写真には…赤と黒色の紋章が刻まれた何かが写っている。

初めてみるな、この紋章。


「これは?」

「…これからは人との戦いを備えなきゃならん」

「え?」


そう東雲学園長が呟く。

そして、その紋章が何かを話す。


「これは『黒龍教』の紋章だ」

「黒龍教…というのは?」

「情報がない為、大雑把に話すぞ。簡単に言うなら『オールイーター』を崇拝する宗教団体の事だ」

「え?」


言っている意味が分からなかった。

俺は宗教事体の否定はしない。世界には色々な人が居るし、色々なものがある。

知らない物を何の気なしに否定するほど、俺はえらくはない。

ただ強要してくるのは話が変わってくるが、この場合は崇拝している物がヤバすぎて驚く。

何故オールイーターを崇拝する…!?


「理解が出来ないのは私も同じだ。最初聞いたとき頭の中が疑問で埋め尽くされたからな」

「そ、そうですよね」


東雲学園長も同じ感想を持っていたようだ。


「あくまで警察から聞いた話だが、黒い嵐の元凶である黒龍が出現したことにより世界は浄化され、更に良い世界が作られると信仰し、オールイーターを世界を浄化する『使徒』だと思っているそうだ」

「…」


世界を浄化する…だって?

逆だろう。今、どれだけの人がオールイーターになって、どれだけの人が平穏な生活を奪われたと思っているんだ。

その黒龍教がやっているのはただの現実逃避だろう。


「それで問題になってくるのが今の黒龍教の活動拠点が不明であることと、オールイーターの情報を持っている事だ」

「!」

「愛染珊瑚の親はその黒龍教から莫大な資金を得たうえでオールイーターの情報を得て愛染珊瑚を手の中に収めようとしたらしい」

「そんな…事が」

「…ここからはオールイーターだけではなく、人との戦いが増えるかもしれない…その理由は」

「黒龍教からの何かしらのアクションがある可能性があるってことですよね」

「…その通りだ」


何でオールイーターと人間の戦いで人間対人間が起きるんだ。

それこそダメだろうに…!


「とにかくAT学園としてもこのような状況を無視できない。もしかしたらARMOR対ARMORの戦いがあるかもしれない故、これからの訓練に対ARMORも追加する」

「わかりました」

「…とりあえず黒龍教の話は終わりだ」

「ふぅ…」

「疲れたか?」

「疲れたというより、驚きの方が強いですね」

「あの三人と同じ感想だ。随分とナンバーズに慣れてきたようだな?」

「そう、なんでしょうか」

「あぁそうだとも」


俺がナンバーズに慣れてきた、か。

ちょっと嬉しいな。


「よし、話は終わりだ。教室に戻っていいぞ」

「わかりました、では失礼します」


そう言って学園長室から退室した。


「…黒龍教、か」


何故か知らないが、聞き覚えがある気がする。

何処かで聞いたのか俺は。

しかし、オールイーターを崇拝する団体か。


(どうなるんだろうな、これから)


と思いながら教室に向かって歩いていると


「待っていましたわ、鴉羽零亜」

「ソフィー生徒会長?」


待ってましたと言わんばかりにソフィー生徒会長が曲がり角から姿を現した。

『ふふん』と効果音が聞こえてきそうな顔をしている…何か可愛いな。

いやソフィー生徒会長が十分にきれいだし、可愛いと思うのは自然な事か。


「東雲学園長からのお話は聞きましたわね?」

「そうですね、黒龍教の事も」

「…これからはどうなるかわかりませんわ、より一層ナンバーズとしても気合を入れますわよ」

「はい…!」

「ですが、ずっと気を張っていては身体が休まりませんわ。そこでなのですがそろそろサマーバケーションですわね」

「そうですね、7月ももう中旬になりますし」


AT学園の整備科として入学し、2ヶ月間ずっとARMORを整備し続け、変な二つ名を貰ってファフニールに出会って、ナンバーズになって…入学してから物凄い濃い日常を過ごしていたが、もう7月中旬になりそうだ。

7月中旬になるということは夏休みが始まるという事。

けど、何でそんなことをソフィー生徒会長が聞いてくるんだ?


「こちらを」

「?」


ソフィー生徒会長がそういうと俺の通信端末の方に一枚の紙…というよりチケット?が送られてきた。


「この日にナンバーズで親睦会含め軽い慰安旅行をしますのでぜひ参加を」

「きゅ、急ですね」

「サプライズですわ」


本当に思うけど、ソフィー生徒会長ってギャップがすさまじいな。


「まぁ強制ではありませんので、参加は自由で構いません」

「参加しますよ、夏休みになってもやることがありませんし」

「ありませんの?実家への帰省などあると斑琥から…」

「俺は自分の家が分かりません」

「…そういえばそうでしたわね」


八神さんは実家へ帰省するかもしれないが、俺の場合…そもそも帰る場所がわからない。

凄かったぞ、中学生の時の夏休み期間。

帰る場所が無いし、どうしようもなかったから夏休み期間と年末とかは孤児院の施設に世話になった。

今でも孤児院の方には感謝してるよ。

まぁ定期的に挨拶ついでに子供たちと遊ぶこともあるし、俺にとっては悪くない経験だ。

本当の…家族みたいに接してくれたあの人たちには。


「では、私の話はこのあたりで。そろそろ授業が始まりますし遅れを取らないよう」

「勿論ですよ」


ーーー


それから普通に教室に戻り、授業を受けた。

周りからはめっちゃ心配されたけどな。大丈夫なのとか、よく生きてるねとかさ。

まぁ…うん、否定できない。

そうして普通に授業が終わり、昼飯の時間になった。

ボディガードをしていた時は愛染さんが所属している事務所の食堂でお世話になったが、同時にAT学園の学食のすばらしさに気が付いた。

本当に美味いし、何よりも無料というのが大きい。

国を守る仕事兼学園だからその分の報酬で無料であんなに美味しい飯を食えるとは。


(考えただけでお腹が空いてきた)


とは言いつつも食べるのはいつものレバニラ定食。

マジで出血量が馬鹿にならない。何で生きてるんだよっていうくらいの血を流してきてるからな。

いつか、この世界を覆い尽くすほどの血を流すことになりそうだ。勝手なイメージだけど。

なんて思いながらビタミンCが入ったレモン味のタブレットをぼりぼりと食べつつ、席から立ち上がろうとしたら


「か、鴉羽君!」


急に教室の扉が開き、息が切れている愛染さんが入ってきた。

すぐさま、俺は理解した。


「わかった、敵は何処だ?」


愛染さんは何らかの敵の影響で息を切らして走ってきたのだと。

肩をぽきぽきと鳴らしながら、愛染さんに敵の居何処を聞こうとしたら


「ち、違う!敵じゃなくて…ね?」

「じゃあ、何なんだ?」

「これ!」


愛染さんは俺に敵ではなく、四角い箱を渡してきた。

何というか可愛らしい頭巾で包まれた箱だな。


「これは?」

「お弁当…作ったんだよね」

「おぉ、凄いな。けど何で俺にその弁当を?」

「た、食べてほしいの!」

「でも俺が食ったら愛染さんの分が無くなるぞ?」

「もう!鴉羽君の為に作ってきたから受け取って!私は阿達さんと一緒に学園長に任務を報告してくるから!」

「お、おぉう?」


そう言い切りながら俺に弁当箱を押し付け、愛染さんは教室から去っていった。

嵐のように過ぎ去っていったな。


「…」


しかし、弁当か…貰うのは初めてだ。

何というか少しうれしいのもそうだが、何で愛染さんはあんなに顔を赤くしていたんだ?

と、弁当箱を受け取り硬直していたら


「凄いね、鴉羽君」

「凄い…のか?」


後ろから赤月さんが話しかけてきた。


「だってあの愛染さんの反応は惚の字以外の何者でもないじゃん」

「ほ、惚の字…ってなんだ?」

「惚れてるって事」

「ないだろ。愛染さんはアイドルだし、アイドルに恋愛はご法度だろ?」

「あー…なるほどね」


と赤月さんは俺の言葉に静かに頷き何かが分かったかのような反応をする。

同時に他のクラスメイトも同様に『あー…』『ヤバいね』『苦労しそう』と様々な反応をしているが全員静かに頷いていた。


「鴉羽君」

「な、何?」

「もう少し、女心を理解した方がいいと思うよ」

「それ愛染さんにも言われたんだが…何かアドバイスとかないの?」

「頑張って」

「それだけなの!?」


物凄く気になっている女心。

そのアドバイスが『頑張って』の一言で済まされると流石に驚くんだが!?

…何でファフニールにすら怒られるんだよ俺!?

と頭の中で『女心』というモノの理解に苦しんでいたが、愛染さんから頂いたお弁当が冷めるのは嫌なので自分の席に戻り、可愛らしい頭巾を開けて二段の弁当箱の蓋を開ける。


「!」


下段には敷き詰められたご飯。

白く光沢を持ち、ほんのりと湯気が上がっている。

上段には美味しそうなおかずの数々、更に野菜も付いてきて食事のバランスも良さそうだ。


「頂きます」


本人のこの感謝は聞こえないだろうが、いう事に価値がある。

そんなわけで頂きます。

まずはこの美味しそうな生姜焼きから、一口。


「む…!」


美味いの一言。

肉のうまみ、しょうがの風味、玉ねぎの食感の調和(ハーモニー)

他のおかずや和え物も美味いし、ご飯も美味い。

旨味が五臓六腑に染みわたる。


「弁当、か…」


貰ったのは初めてなのはそうだが、作ったことはなかったな。

あとでお返しついでに作ってみるか…と愛染さんに感謝しつつ、お礼の事も考えた。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ