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白と黒、混ざり合う時。  作者: 原田コウ
第一色 出会い、それは運命か奇跡か
4/8

#3 報告と現状

「響、鳴動(めいどう)。」


 狼男は黒木の蹴りでビルの壁に目掛けて吹き飛ばされ、そのまま気絶した。

そしてそのビルはガラガラと崩壊し、砂埃が立ち上がった。それを見かけて走ってくる影が2つあった。

「黒木副隊長!また独断専行で!」

「ほんとっスよ!副隊長なんっスよ?」

 その男達は黒木のことを『副隊長』と呼んでいた。部下なのだろう。その2人が来るのを黒木は分かっていたのか。

日向(ひゅうが)(さかい)。来たな。対象の捕獲を頼む。」

「まったく……。了解しました。堺!」

「了解っス!」

 2人に狼男の後処理を頼むと、壁際で倒れている男を抱え戦場を後にした。




「えー……以上が東京F地区の1番隊第6小隊によるCランク拠点の掃討作戦の報告になります。」

 机の上には地図が広げられ、周りには乱雑に置かれた資料の山。更にその周りを囲む男達。

()()()()()』と言わんばかりの部屋で、黒木と先程『日向』と呼ばれていた男の報告が終わり2人は席に着いた。

「Cランク拠点に事前に報告がなかったBランクの出現。それを独断専行で黒木悠斗が対処。それだけならまだしも、本来の目標(ターゲット)のCランクの確認は無し……。そして、黒木が仕留めた対象は相変わらず仮死状態で拘束か。はぁ。」

 1人の男が口を開き、2人の報告を確認のためか復唱し大きくため息をついた。

 そのため息を合図に、他の者たちは周りの者とあれやこれやと話し始めた。損害がどうとか、事前報告がどうとか。


 しばらくすると、そのうちの1人が黒木に聞いてきた。

「生存者の容態は?」

「あばら10本粉砕、脊椎損傷。と、かなりの重症ですが命に別状はない。とのことです。」

 日向が手にしていた資料をペラペラとめくり答えた。ビルの壁に殴り飛ばされてそれだけで済んだのは恐らく防護服のおかげであろう。

「そうか、命があるなら何よりだ。あ、そういえばお前が独断専行したって報告を聞いたお前んとこの隊長さん。無名瀬(むなせ)がキレてたぞ? 今は別の作戦で離れてるけど、帰ってきたら気をつけろよ~。」

 黒木は副隊長であり、その隊の隊長の『無名瀬』、恐らく直属の上司なのだろう。

 その上司が怒っていたなど聞きたくもないであろう事を、ついでと言わんばかりに微笑みながら男は報告してきた。

「…………。」

 黒木は最初の作戦報告の後、無表情でただ座っているままで今の嫌味とも取れる報告にも今まで通り静観を貫いていた。

 だが、一方の日向は……



「た、たったたたた隊長がっがが……どどどどどうするんですか! 黒木副隊長!」

 慌てに慌て黒木に寄り縋っていた。


 それを見て区切りが良しと判断したのか、「まぁ良い!この件は各隊の隊長と大隊長で審議する。各自、拠点に戻れ!」と最初にため息をついていた男が締めをし、それぞれが拠点に戻って行き、作戦報告は幕を閉じた。




 銃火器の使用。複数の隊の存在。作戦会議。

 お気づきの方もいるであろうが、彼らが行なっているのは『戦争』である。

 相手は人ならざる者たち。

 そして戦争とは____






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