#2 救援と驚愕
「お、最初に吹き飛ばした兄ちゃん生きてるぞ?」
絶望と恐怖で男は気づいていなかった。自分が再び狩られる対象になったことに。
1歩、また1歩と血だまりと死体を踏みつけ蹴り上げ男が近寄ってきた。
口元に牙のような物を光らせながら。
男は自らの死を悟ったのか眼から光は消え、逃げも隠れもせずその場から動かなかった。
その姿はまるで狼に追い詰められたウサギのような。
そして男は__眼の前の獲物に文字通り牙を剝いた。
ドスンッ!!!
そして鈍い音が響き、男が吹き飛ばされた。
____無傷の男の方が。
死を悟っていた男は驚き視線を上にやると、そこにはまた別の男が立っていた。
「悪い、遅くなった。」
「く、黒木さん……」
『黒木』助けに入ってきた男はそう呼ばれていた。
助けに入った彼の名は『黒木悠斗』味方である。
「痛ってぇ~クソが!誰だてめぇ!」
黒木に吹き飛ばされた男が早々に立ち上がり、怒号を発しながら近づいてくる。
「お前だけでも生きてて良かった。あとはまかせろ。」
そう黒木が言うと、男は安堵したのか目を閉じた。
その言葉を耳にした、敵の男は癪に障ったのか
「あぁん?!ただの人間風情が俺に勝てるとでも??」
そう言うのも無理はない。彼は銃で傷1つ付かなかったのだから。だが1つの事実として、黒木は
銃撃で傷が付かなかった男を吹き飛ばしていたのだ。どんな重火器を使ったのか、答えは早々に分かった。その方法とは……
蹴りだった。
「ぐはぁ!」
黒木は一般的に見て『大柄』と言われるであろう体躯の男を軽々と蹴り飛ばし、あろうことか吐血すらさせていた。
「響を食らうのは初めてか?」
『響』何のことか、黒木はそう言いながら男を殴る蹴るの徒手空拳で叩きのめしていた。
「ク、クソがぁぁぁぁーー!!!! このままやられるかよ!!」
一方的にやられていた男も本気を出したのか、叫びと共に風が吹き黒木を後ろに引かせると……
「能力解放!! ワオォーーーーーーン!!!!」
『能力解放』そう言うと男の指先には鋭い爪、口元には先程見えていた牙が。頭には耳、身体は毛で覆われていた。その姿はまるで童話に出てくる『狼男』であった。
「狼の能力者……Bランク相当か。対能力弾が効かないはずだ。」
「そうだ!能力を持たないただの人間風情が!俺に勝てると思うなぁーーーー!!!!」
『Bランクの能力者』そう言われた狼男は「能力を持たない人間が自分に勝てる訳が無い」という絶対の自信の基、襲い掛かってきた。
____だが、狼男の攻撃は虚しく空を切った。そして次の瞬間。
「響、鳴動。」
狼男は黒木の蹴りでビルの壁に目掛けて吹き飛ばされ、そのまま気絶した。




