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Yellow Marker~一人だけ魔族でプレイ~  作者: モチモチの木
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負の連鎖!?

思いの外長くなってしまいました。

多分読みづらいです。


ピチャン……ピチャン……

どこかで水が滴る音がするけど、今はその音でもイライラする。

 自分の分身(アバター)が骨格標本だった事、これは正規のVRハードを使用しなかった僕に対しての、運営からの嫌がらせなのだろうと思う。

 こうなりますよ、大丈夫ですか加瀬さん?って言ってくれれば、僕だって考えたよ。僕は友達に会う為に『change the world』を始めたのに……。酷いわ……遊ぶどころか討伐されるで。

 いや、こんな身なりでもプレイヤー扱いされるかもしれへんよね、このboneってのも何かのバグで、時間がたてば元通りの加瀬ちゃんになるって可能性も……。


 そんな事を考えているとステータス画面とは別のディスプレイが現れ、脳内アナウンスが流れてきた。

『着信が入りました、緊急性が高いので必ずお取り下さい。』

 着信相手はシステム担当と表示されてる。嫌な予感するわ。これ絶対アカンやつや……。

 通話ボタンを押すと、慌てた様子の男の声が聞こえる。


「システム担当の梅村です!加瀬さんご無事ですか?加瀬さん返事して下さい!』

 相手の声を聞く限り、この仕打ちはワザとではないようやね。この骨格標本の身体も転送先のミスも事故やったんかな?

 「大丈夫は大丈夫なんですが、説明書に書いてた事と全く違うんですが、どういうことなんですかね?」

梅村さんの回りには他の人もおるみたいで、「加瀬さんの無事を確認出来ました!」とか言ってる。何か危ない状態やったんかな?回りの人達の喜ぶ声も聞こえてくる。梅村さん、そろそろ会話をしましょうよ?

「あの、もしもし?」

「はっ!申し訳ありません。ご無事で本当に良かったです。あといきなりで申し訳無いのですが落ち着いて話を聞いて頂けると助かります。」

「わかりました、僕の分身(アバター)と転送先の不具合についてですかね?」

 言いづらいんやろう、梅村さんは小さい声で はい…… と答えてくれた。


「まず、加瀬さんの分身(アバター)についてですが、今回のランダム設定で、あり得ない結果が出ました。もう加瀬さん自身も確認をとられたと思います。実はboneという種族は本来魔族の種族として設定されています。」


 それから、梅村さんは丁寧に教えてくれた。プレイヤー側が魔族になるなんて、設定上あり得ないこと。考えられる原因は、僕が使っているVRハードの恐れがある事。転送先が違うのは、僕が討伐される恐れがあるので急遽変更した事。

原因がわからない限り、種族・職業の変更も出来ない事。

そして最後に恐ろしい事を梅村さんは言い出した。


「あと……ログアウトをですね……問題が解決するまでしないで欲しいんですね。」

「どれくらいで直るんですかね?」

「申し訳ありません……詳しいことがわかっていないのでお答えでしません。」

「2時間ぐらい?」

「今日明日で解決できる問題では無いことは確かです……。」

 はい……?何を言ってるんですか、この梅村さんは?

僕だって生活があるんやからずっとゲームの中におるなんて不可能やで。貴方じゃ話にならんよ、違う梅村さんを呼んで下さい。

「仰る事はごもっともですが、聞いて下さい。正直に言いますと、現段階でログアウトするのは非常に危険なんです。原因は不明ですが今、加瀬さんの意識は『change the world』に固定されています。このままログアウトしてしまうと、加瀬さんの記憶・意識がゲーム内に取り残されてしまう可能性があります……。」


「う、嘘やろ……?そんなマンガみたいな事聞いた事無いで……。仮にそうやとしても、本物の僕の身体はどうなるんです?食べる事もトイレにも行けやんやん!」

 僕の抗議の声を聞いた梅村さんは小さな声で すみません……としか返事をしてくれへん。


僕は今、一人暮らしをしている。

7歳の時に親が離婚して僕はオトンに連れられ、関東から関西に来た。オトンの実家は駄菓子屋で、じいちゃんが一人で切り盛りしてた。ばあちゃんは僕が産まれる前に亡くなったから、写真でしか見たこと無い。

 オトンの実家を初めて見た時は夢の家やと思って一晩中笑顔やった。その後オカンやオニィ、あと今回会う予定やった友達に会うのは大きくなるまで難しいって聞いたときは一日中泣いた。

 オトンは毎日働いて、僕の面倒はじいちゃんが見てくれた。

でもある日オトンが倒れて、そのまま起きる事もなくこの世を去った。葬式にはオカンもオニィも来てくれへんかった。じいちゃんも僕が高校を卒業してすぐに亡くなった。家には僕しかいない。 駄菓子屋は潰すのは嫌やったから僕が引き継いだ。じいちゃんの保険があるから、今は生活に余裕がある。

 そして、友達からゲームに誘われたのはじいちゃんが亡くなってから、しばらくしての事やった。寂しかったんやと思う、急いでソフトを用意した。


だから僕はゲームの中に閉じ込められても、助けてくれる家族もおらん。んでもって、骨格標本の姿で友達に会いたくない……。


「僕……一人暮らしやし、家族もおらん。殺す気なん?」

 その言葉に怒りはなかった、悲しい気持ちでいっぱいやった。この身体に涙腺が無いことを知って、余計に悲しくなった。


現実でも、ゲームの世界でも……。

僕は独りぼっちなんやね……。

ここまで、読んで頂きありがとうございます。

軽い気持ちで「うそーん、最悪やー」って感じにしたかったのに……。

どうしてこうなってしまったのでしょう……。

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