祝!チュートリアル終了。
コルトカの町から少し離れた草原。
道はあるが、それ以外はほとんどが草だけ。
そんなエリアで僕はモームという乳牛のような魔物と戦ってる。
「スラッシュ!!」
僕の声に合わせてアーミーナイフを持つ右手が熱くなる。
「モ、モーーム!!!」
僕の攻撃を受けた乳牛の魔物は光の粒子となって消えていく。
僕は、ほとんど無抵抗なモームを、かれこれ10匹ほど狩っている。
モームはこのエリアの中では最弱クラスの魔物で、基本的に無害。
しかし繁殖力が凄く、無害やからって放って置くと、この辺りの植物は全てモームに食べられてしまうらしい。
だから定期的に狩るのが、必要なんやって。
10匹目のモームが完全に消えた時、脳内でアナウンスが流れた。
『〔技〕の習得が可能になりました。これを持ちましてチュートリアルを終了します。』
チュートリアルの最後の実戦は〔技〕を習得するまで魔物を倒すことやった。
「お疲れ様です、これでチュートリアルは終了になります。今回習得した〔技〕は他の武器でも使えますので、是非使って下さい。」
早速装備をハンターナイフに切り替えて、モニターで技の確認をする。
今まで、何もなかった技のリストに1つ追加されていた。ちゃんと使えるか確認してみる。
「スラッシュ!」
ハンターナイフを持つ右手が熱くなる、ちゃんと使えるようや。
「この後はどうしますか?予定通り町の案内も可能ですか?時間的にあと一時間位しかログインできない……あっ、すみません。」
えぇ!?何で謝るん?
謝る必要なんてないと思うんやけど。
とりあえず理由聞いてみやな。
「どうして、謝るんですか??」
そして梅村さんは、重々しく口を開いた。
「加瀬さんは現段階では、ログイン・アウトが出来なくて大変な状況なのに……、それなのに私は……軽率な発言でした。本当にすみません。」
あぁ、そういう事か。
今の状況は、僕の行動が起こした結果やと思ってるし、梅村さん達には本当に感謝してる。
「気にしてないですよ。」
本音を言うと、ぼくは楽しんでいる。
ちゃんとしたプレイヤーじゃないけど、純粋にこのゲームを。
本当の身体はやっぱり心配やけど、梅村さん達のお陰で死ぬことはないと思う。
今は魔族の村やからまだ会えやんけど、絶対にアタル君会おうと思う。
いずれ僕もログアウト出来るばすやし。
「ホンマ、もう気にしてません。寧ろ……色々とありがとうございま」
コルトカの町に出入りする魔族の方達が、チラチラとこっちをみてる事に気づいた。
梅村さんは今、デーモンのアバター。
そのデーモンが僕に頭を下げている図は非常によくない。変な噂たてられたら、堪ったもんやない。
「梅村さん、顔上げて下さい。時間無いんやったら、早く町を案内してくださいよ。」
もうすぐログアウトするんやったら、それまでに楽しまな時間が勿体ないやん。それに、この人は本当に良い人や。楽しくお別れしたい。
「そ、そうですね。それじゃあまず、何が見たいですか?」
気持ちが落ち着いたのか、梅村さんの声色もいつも通りに戻っていた。
「実はですね……僕、こんな身体やけど味覚があるんですよ。だから、美味しい物教えて下さい!っていうか奢って下さい!!」
更に雰囲気を良くしようとおちゃらけてみた。
「味覚があるんですね!本当に……本当に良かったです!!それじゃあまず、コルトカ名物のモームの串焼きでも食べにいきますか?もちろん僕の奢りで。」
モームって食べれたんか!!
確かに見た目が牛やもんね。
うまそうやな。
そして僕達はコルトカの町へと戻っていく。
このゲームを満喫する為に。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。
次回はもしかしたら外伝的な話にしたいと思ってます。
まだ、構想だけですが……
書けなかったらすみません、
書けなかったら、今まで通りのメインストーリーになる可能性もあります。




