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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
3章 三重「個性」
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28. ござる

 今日はレンタカーを借りて観光だ。レンタカー屋に朝八時の開店時間に向かい、ささっと手続完了。


「ついにこの時が来たのね……あの苦汁を味わされた時から一月半。この時をどれだけ待ち望んだものかっ!」

「弓弦うるさいですわ」

「ふんっ!余裕綽々なのも今のうちだからね。今日こそは弓弦が勝って助手席に座るんだから!」

「はいはい」

「くっ……ちゃんと玲菜のじゃんけんの癖は分析したんだから。絶対に負けないんだからね!」


 ゆ~ちゃん朝からテンション高いなぁ。フラグにしか思えないセリフを連発してるけど、勝てるのかね。横石さんがじゃんけんで負けたところほとんど見たことないんだけど。


「じゃ~んけ~ん……!」




「なんでよー!」


 これが欲張った罰なのか、ゆ~ちゃんは最後まで負け続けて一番後ろの席に。その姿を見てニヤニヤしながらポンポン肩を叩くプラムとほっぺたをつねりあってじゃれついている。


「やゃへふいへなんはなーひ(じゃれついてなんかなーい)」


 もちろん助手席は横石さんだ。横石さんと勝負するときはじゃんけんだけは絶対に止めておこう。


「今日はどこに行く予定でござるか?」


 私の後ろに座ったシェルフがそう尋ねる。


「今日は四日市から南下する予定なんだけど、本当にあそこに行かなくて良いの?」

「大丈夫でござる。ござるは癖なだけでござる」


 三重県観光をするにあたって、事前に行きたいかどうか確認した場所がいくつかある。その中の一つが三重県西部にある観光地だ。


『赤目四十八滝』

 渓流散策スポット。もちろん名前の通り滝を楽しむことが出来るけれども、ここの目玉は別にある。このあたりは『伊賀』の地。つまり忍者推しの観光スポットなのだ。忍者体験アトラクションを体験できる忍者の森があって、手裏剣を投げることも出来るらしい。ちなみにわたしは滝の入り口にある日本サンショウウオセンターでオオサンショウウオを見てみたかった。ただ、この観光地にそんなに希望者が居なかったので、今回は見送りとなったのだ。


「ござるはさておき、忍者には興味ないの?」

「変な服装だなと思うくらいでござるな。そもそもあの程度の動きで驚きはしないでござるよ」


 異世界だったらもっと凄い人がたくさんいてもおかしくないか。


「じゃあ滝は?富士宮や伊豆でかなり気に入ってたじゃん」

「むしろそっちの方が気になるでござる。ただ、滝は他の場所でも楽しめそうなので、他を優先してもらっただけでござる。時間があれば行ってみたいでござるよ」


 今回の旅行はピックアップした観光地をすべて周るにはちょっとだけ時間が足りないんだよね。詰め詰めの予定にはしたくなかったのでしょうがないかな。




「ござる~ござる~」

「ござる~ござる~」


 なぜか車の中でござるブームが起こっていた。主にミカンとパステルちゃんの間で。


「手裏剣!」

「火遁の術!」

「水遁の術!」

「煙幕!」

「まきびし!」

「この葉隠れ!」


 忍者っぽい言葉遊びまで始まっちゃった。ゲームやってるミカンの方が語彙力強いでしょ。


「忍者ねぇ……外国人には人気があるのに異世界人には人気が無いってのが面白いわね」

「スシ、テンプラ、フジヤマは人気あるのにね」

「忍者の術は魔法で実現可能で、身体能力も敵わない。暗殺などの技術も向こうの世界の方が発達してそうだわ」

「忍者が異世界転移したら絶望するかもね」

「気配を消して潜んだと思ったら魔法であっさりバレて終了」

「うわぁ……ありえる……」


 忍者は是非とも魔法の無い世界で活躍してもらいたいものだ。




「にんにん」

「にんにん」


 にんにんコールを背に伊勢自動車道を南下する。途中で降りて165号線に入り西へ向かうと伊賀の地と赤目四十八滝にたどり着くが、今回は寄らないことになったため、そのまま真っすぐ南下する。


 途中で紀伊自動車道に入らずに道なりに伊勢自動車道を走ると、東の海へ向かって進むことになる。緑に囲まれた山の中を走るのがかなり気持ち良い。


「そろそろ目的地に近づいてきたね。シェルフどう?」

「もう少しでござる」


 これから向かう場所は、黒いもやの地図で異常が見られた場所。もう少し車を走らせるとその異常地域に踏み入れることになる。別に何かがあるとは思えないけれど、なんとなくソワソワしてしまう。シェルフはGPSを稼働させて現在地を示す地図と黒いもやの地図を重ね合わせて見ている。文明の利器を使いこなしてるっ!


「もう少し……入ったでござる!」


 黒いもやは全国各地少なからず存在する。観光地に特に多いけれども、住宅街などにもポツポツとあるのが普通だ。でもこれから向かう観光地には黒いもやの形跡が全くと言って良いほど無い。黒いもやの地図上で真っ白な部分。今日はそこを確認するというこの旅の二つ目の大きな目的を消化する。


 走らせた車はついに、その地域に突入した。


赤目四十八滝は行ったことないのでスルー

忍者ネタで盛り上げたかったので残念。オオサンショウウオも気になりますね。

ネット上の時事ネタやスラングネタは極力使わない方針なので、ニンジャネタを出したい欲求に抗うのが大変でした。


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