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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
3章 三重「個性」
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15. 新富士駅

 いつもの国道139号線を南下して西富士道路へ向かう。伊豆に向かうときは途中で第二東名へ入ったけれども、今回は横道に逸れずにひたすらまっすぐ進む。すると国道1号線に合流する直前に最寄りの新幹線の駅がある。


『新富士駅』

 富士市に位置する新幹線用の駅。他の路線と接続していないため、車やバスなどの交通手段で向かう必要がある。電車に乗り換える場合はバスやタクシーに乗って富士駅まで移動する必要があり、正直不便だ。駅内が混雑しているところはあまり見たことが無く、広々としている。北口付近にお土産屋があり、静岡県東部のお土産を中心に販売している。


「切符をまとめて買ってくるから待っててね」


 券売機は北口から入ってすぐのところにある。券売機でサクサクっと操作して全員分の切符を購入。新幹線の切符買うのはじめてだけど簡単だね。新富士駅はこだましか停車しない。こだまの指定席は席数が少ないからか平日なのに全員で固まって座れるほど空いてなかった。自由席がガラガラだろうだからそっちで良いかな。


「後15分くらいかな」


 新富士駅は大体30分おきに電車が来る。と言ってもホームで停車してのぞみやひかりの通過待ちをすることも多いので、10分前くらいにホームに行っても電車が来ていることがある。なのでもうホームに移動することにした。通過する新幹線も見られるしね。


「これが切符だよ、無くさないでね。これからあの改札を通るからわたしの真似をしてね」

「これが切符でござるか」

「きっぷっぷ~」

「カードでピッってやるのもいつかやってみたいです」


 ICカードのことかな。電車使わないからわたしも持ってないんだよね。旅行先で電車に乗ること多いだろうし、いつか買っておいた方が良いかも。


 券売機の少し先、南口に近いところに改札がある。改札機に切符を入れるとひゅっと吸い込まれる。


「ひゃあっ!」


 この声はプラムかな。吸い込まれるのに驚いたみたい。分かるわぁ。あの吸い込む力結構強いもんね。


 改札機を通った先には左右にホームへ向かう階段とエスカレーターがある。待合室は右側の階段下にあるけど今日は使わない。名古屋方面なので右側の階段を登る。ホームに出ると壁がガラス張りになっていた。


「わぁ~富士山が見える!根古ちゃん、写真撮って写真!ほらほら!」


 ホームから富士山が見えることは知ってたけど来たこと無かったんだよね。今日の富士山も格好良いなぁ。ずっとこのままここで見ていた……


 ゴォーーー!


 え、ちょっ、新幹線邪魔っ……早く通過してっ……

 くそぅ、名古屋方面だと通過新幹線に視界を邪魔されちゃうのか。よし、それなら向こうのホームに……


「御影朋、どこに行くの。そろそろ新幹線来るわ」


 うぐぐ、残念。もっと富士山を堪能したかったのに。これからしばらく見られなくなるんだからもっと目に焼き付けたいんじゃ~!


 しょんぼりしながらホームの先へ進もうとしたとき、地面にへたり込んでいる人影が目に入った。


「シェルフ?」

「と……朋殿……まさか……アレに……乗るで……ござるか」


 へたり込んだシェルフ可愛い。じゃなくて、そういえばシェルフ速い乗り物苦手だっけ。高速道路で怖がってたからなぁ。そりゃあ猛スピードで通過するのぞみ見ちゃったら腰も抜かすか。しかも新富士駅ってかなりのスピードで通過できる立地だって聞いたことがある。


「大丈夫だよ。車と違って乗っててもスピードはそんなに感じないらしいから。それに窓際じゃなくて通路側にするから気にならないと思うよ」

「本当でござるか?嘘じゃないでござるか?気休めの言葉じゃないでござるか?嘘だったらネット自由に見るでござる」


 案外余裕あるんじゃないの?ちなみにシェルフにはネット利用時間制限をかけている。以前、変な書き込みをした罰だ。


「ほら、こんなところにへたってないで」


 手を差し出してひっぱりあげる。体を支えながら乗る場所近くの椅子まで移動して座らせる。


「新幹線来るまでもう少し時間がかかるからここで休んでなさい。何か飲み物でも飲む?」

「いらないでござる……」


 顔が真っ青だよ。大丈夫かね。




「あれ?そういえばパステルちゃんは?」


 乗り物好きなパステルちゃんのハイテンションな声が聞こえてこないな。


「ああ、あいつならあそこにいるぜ」


 ホームの先端に近いところで、のぞみが通り去った方向をじっと眺めていた。


「新幹線が通過した時は飛び跳ねてたぜ。声はかき消されてまったく聞こえなかったがな」

「やっぱりはしゃいでたんだ」

「ああ、あの無邪気な感じ、懐かしいぜ」

「すみれさんもそういう時期があったんですか?」


 飛び跳ねてはしゃぐすみれさんとか想像できない。でも悪ガキみたいに暴れてる姿なら想像できるかも。


「おいおい、なんか失礼なこと考えてねーか?」


 だからなんでみんなわたしの考えていること分かるのよ。


「ま、想像通りだけどな」


 はははと笑うすみれさんはやっぱり男前だった。




「さて、乗るよ~」


 こだまが到着。怖がるシェルフをひっぱって全員で乗車する。平日だし先頭に近い車両に乗ったからガラガラだ。東海道新幹線の自由席と指定席は、海寄り3列、山寄り2列になっていて、席はくるりと反転させて向かい合わせに座ることができる。つまり10人なら通路を挟んで綺麗にまとまって座れるのだ。


「窓側はパステル、通路側にシェルフ、あとは適当にって感じかな」


 わたしは富士山が見える山寄り窓側一択だ。


「おう、ここ良いか」

「どうぞどうぞ」


 すみれさんが前に座った。これまであんまりすみれさんとじっくりお話する機会なかったから良い機会かも。ちなみに山寄りはわたしとすみれさんが窓側で、横石さんとゆ~ちゃんが通路側。海寄りはパステルちゃん、シャモアちゃんが窓側で根古ちゃんとミカンが真ん中でシェルフとプラムが通路側。


 世界ごとに固まっちゃってバランス悪いな……



み~ちゃんの傍を譲らない二人がいるから固まっちゃうのです。正面を取られた二人は内心悔しがってます。


新富士駅はよく使うのですが、年末年始とかのピーク時ですら混雑と呼べるほどの人は居ません。

ただ、券売機は少ないので並びますけどね。


あと、JRと連結してないのがホント困る。JRで富士宮駅まで行きたいときは三島駅で降りて東海道線で富士駅へ、そこから身延線で富士宮駅と乗り換えが面倒なんです。


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