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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
3章 三重「個性」
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13. 富士宮市民プール

 国道139号線を北上し、外神の交差点を左折するとすぐに右手に見えてくるのが富士宮市民プール。近くにはスポーツ公園があり、休日はサッカーやソフトボールの大会が開かれている。


 富士宮市民プールはファミリー向け(・・・・・・)だ。夏休み期間の土日は数多くの家族連れで賑わっている。というか子供だらけだ。今は七月上旬の平日なのでかなり暑いけれど閑散としている。空いているので泳ぐの気持ち良さそう。


「さあ、遊ぼう!」


 異世界組は大量の水が入ったプールと存在感のあるウォータースライダーを物珍しそうに見ている。プールはともかく、ウォータースライダーは気になるよね。滑り台と一緒で向こうの世界には無い遊びだろうし。


「トモちん、トモちん、あれなに~?」

「トモさん、トモさん、あれなんですか!?」


 ミカンとハイテンションパステルちゃんが口をそろえてウォータースライダーを指さした。


「気になるだろうけど後でね。最初に少し運動してから水に慣れようね」


 異世界組は泳いだ経験は無し。というのも、向こうは海でも川でも魔物が住んでいるため泳ぐことができないからだ。みんな運動できるから問題なく泳げると思うけど、最初は水中で目を開けることも含めて慣れないとね。




「じゃじゃーん!」


 真っ白なビキニでグラサン色の水中眼鏡をかけ、さらに麦わら帽子を被った女の子が両手を腰にあてて立っている。


「誰?」

「ひどいよみ~ちゃん!」

「え?ゆ~ちゃん?その格好どうしたの?」


 確か水着を買いに行ったときは花柄でフリルのついた可愛い水着だったはず。面白くないって煽った気もするけど、随分シンプルな水着を選んだなぁ。


「弓弦は気付いたの。私がプールに居るって気付かれたら大騒ぎになるんじゃないかって。だからこうやって地味な水着を着て眼鏡をかけて変装してるの」


 眼鏡だけで良いんじゃ?とはもちろん言わない。


「ささっ、み~ちゃん泳ごっ!」

「こら、弓弦!プールサイドは走らない!ちゃんと準備運動もする!」

「げっ、玲菜!」

「そうだよゆ~ちゃん。それに悪い意味で目立っちゃうよ」

「う~……はい」


 他のみんなも合流したので準備運動だ。


「あれ?すみれさんは?」


 更衣室まで一緒に来たはずなのにまたしても居なくなっている。どこ行ったんだろう。


「すみれさんなら室内プールの方へ向かったわ」

「室内プール?」

「ええ、本格的な競泳水着を着て『今日はがっつり泳ぐぜ』って言ってたわ」


 競泳水着でガチ泳ぎって……すみれさん、ここ市民プールだよ。でも見てみたいな。後で行ってみよう。




 準備体操を終えたらみんなで水に入る。流れるプールでふよふよ流れながら異世界組が水に慣れる様子を見たけど流石だね、すぐに泳げるようになってた。ただ一つ残念なのは、ミカンが犬かきじゃなかったことだ。立派なクロールを覚えちゃった。ちなみに恥ずかしがり屋組は、プールが閑散としていたので気にせず上着を脱いで泳いでいる。


 問題なく泳げるようになったので、流れるプールを一周終えてから各自遊ぶことにした。




「トモちんトモちん、あそこ行ってくる~!」

「トモさんトモさん、あそこ行ってくる~!」

「はいはい、行ってら~」


 富士宮市民プールには三種類のウォータースライダーがある。一つはストレートに降りる滑り台形式のもの。一つは曲がりくねった筒の中を滑り降りるもの。そして筒の中を大きな浮き輪に乗った状態で滑り降りるもの。どれも結構勢いがつくのでスリルがあって面白い。ミカンやハイテンションパステルちゃんは好きそうだ。実際、何度も何度も繰り返し遊んでいたらしい。




 すみれさんの様子を見に行ったら、一人だけ競泳水着で明らかに浮いている人がいた。室内プールは25Mプールがあるだけなので元々本気で泳ぐ人が多いけれど流石に競泳水着の人は居ない。すみれさんの泳ぎ方は豪快だった。力強く強引に水をかき分けて大量に水しぶきを上げながら前に進んで行く。クロールとバタフライを交互に何度も何度も泳いでいる。滅茶苦茶疲れそうだけど、気持ちよさそうな表情してるなぁ。




 流れるプールに戻るとゆ~ちゃんと横石さんがスピード勝負していた。流れるプールだからスピード出るし、人も少ないから気持ち良いだろうな。危険だから混んでるときはダメだぞ。


「どっちも頑張れ~!」


 うお、二人ともめっちゃ速くなった。


「よし、勝った!」

「何を言ってるのですか、勝ったのは私ですわ!」

「違うもん、弓弦の方がちょっとだけ速かったもん」

「いいえ、私の手が先にゴールしましたわ」


 なんつーベタな言い合いしてるのよ。というか、言い合いしながらも徐々に流されているのがシュールで面白いな。


「ゆ~ちゃんどっちが勝ったと思う!?」

「御影朋、弓弦に真実を突き付けてあげなさい!」

「いや、途中から見たからどこがゴールか知らないし……」

「……」

「……」

「「もう一回勝負よ(ですわ)!」」


 この二人、ホント仲良くなったなぁ。




 他のみんなは流れるプールでビーチボールを投げ合って遊んでいたのでそっちに混ざった。ボールをトスするたびにプラムのアレが……ご馳走様です。


「このボール、根古ちゃんが持ってきたの?」

「はい」


 根古ちゃんグッジョブ。その根古ちゃんはマイクロな水着で冒険するのは止めたらしい。残念。




 プールは定期的に休憩時間が設けられていて、その間は入ることができない。もちろんその間も強い日差しは降り注いでいるわけで、水で冷えた体も徐々に熱を帯びて行く。


「うふふ、休憩終わるのまだかしら」


 シャモアちゃんは早く水に入りたくってたまらないご様子。


「かき氷でも食べる?」

「あらあら!」


 大喜びですねぇ。よし、それじゃあみんなで買いに行くか。たしか軽食コーナー付近で売ってるはず。


「うふふ……トモさん、あれがかき氷ですか?」

「ん?そうだよ、どうして?」

「かき氷って小さなパックに入った少し硬めで甘いシロップがかかってる氷の事じゃ……」

「ああ、コンビニとかで売ってるのはそういうのだね。本格的なやつは削りたての氷にシロップかけて食べるんだよ」


 店売りのしか食べたことが無かったんだね。全然違うからびっくりするだろうなぁ。


「トモさん、ブルーハワイってどんな味ですか?」

「……え?ハワイの青い海っぽい味?」

「??」

「ま、まぁ上手く説明できないや。他の分かりやすい味で良いと思うよ」


 ブルーハワイはブルーハワイ味なんだよ。他の何物でもないのさ。


「はむっ……!はむっはむはむっ!」


 おおっとシャモアちゃん、気に入ったのは良いけどその勢いで食べるとテンプレが待ってるぞ。


「!!!!」


 うんうん、期待を裏切らないねぇ。




 それから先はひたすら泳いで遊んではしゃぎ続けた。プールでこんなに遊んだのっていつ以来だろう。小学生くらいのころに両親と一緒に来て以来かも。あ~楽しかった。


 みんなも充実した一日だったようで、満ち足りた顔をしながら車の中で肩を寄せ合い寝ている。わたしと根古ちゃんは運転中なので眠れないけどねっ!


富士宮市民プールに行ったのは遥か昔の子供のころ。

なので今は違う点があるかと思いますがご容赦を。

ちなみに書きませんでしたが、小さなお子さん向けの浅いプールも二種類あります。

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