12. 水着 後編
自分の水着に大体あたりをつけたので、試着する前に他の人の様子を見に行った。
あれ?すみれさんがいない。
もう買ったのかな。どんな水着なのか気になるから試着姿見たかったんだけどなぁ。
じゃあ異世界組だ。パステルちゃんとシャモアちゃんは……ちょうど試着室に入ったところだ。出待ちしよう。
「パステルちゃんとシャモアちゃんはどんな感じ~?」
「……もうちょっと……待って」
「あらあら、トモさん覗きですか?」
「うん、早く着替えないと覗いちゃうよ~」
「うふふ、じゃあ急いで着替えちゃいますね」
そんな軽口を言い合いながら少し考える。小柄なシャモアちゃんとパステルちゃん。これが漫画やアニメだったら間違いなくスク水が出てくるんだろうけど、そんな可愛くないの絶対ありえないからね。と言っても、異世界組はスク水なんて持ってないだろうしこの店では売ってないからその心配は無いんだけど。
「……じゃ~ん」
「あらあら」
パステルちゃんはワンピースタイプ。落ち着いた色合いなのでローテンションモードの大人しくて儚げな雰囲気と合っている。ハイテンションモードの時は違う水着が似合うかもと思ったら、足元にいくつか水着が置いてあった。たくさん試着するつもりみたいだ。
シャモアちゃんもワンピースタイプかなと思ったらまさかのオフショルダービキニ。
「シャモアちゃん、そんなに肌の露出多いと暑いんじゃない?」
「うふふ、水に直接浸かる面積が多いほうが気持ちよさそうだからこれにしたのよ」
「それならマイクロ」
「うふふふふ」
そっちはダメなのね。羞恥心はあったんだ。肩が見えているけれど小柄なためか残念なことにセクシーな感じはあまり無い。でも健康的な可愛さが感じられてアリだなぁ。
「……こっちはどう?」
シャモアちゃんの水着を鑑賞している間にパステルちゃんが次の水着にもう着替えていた。水着ファッションショーの開幕かな
もっとパステルちゃんの水着を見ていたかったけど、シェルフたちの水着を選ぶ時間も必要なので泣く泣くその場を離れた。長い間放置しちゃったけど自力で好きな水着見つけられたかなぁ。
「やっぱりこれが似合うよ~」
「む、むむむむ、無理でござる!」
「わぁ……」
お、この声はあの三人衆かな。ミカンが何かの水着をシェルフに勧めてるみたい。
「何々、どんな水着~って紐っ!」
マイクロってレベルじゃないよこれ。うわぁ、日本でこれ着たら捕まるんじゃないの?
「朋殿~」
「はいはい、ちゃんとしたの選んであげるからね。……紐、着てみる?」
「いじわるでござる!」
「あははは、冗談冗談。でも気になってるよねプラム?」
「ふわっ!私ですか!」
シェルフが困ってる横で照れながらも結構気になっている表情、見逃しちゃあいないですよ。
「そそそそ、そんなハレンチな水着無理です無理です無理です!」
分かる、分かるよ。無理だと言いながらも興味津々なその気持ち。こっそり買って部屋に置いたら絶対に着るパターンだ。あの暴力的な体型でこんな紐水着着たら一体どういうことに……トラップしかけようかな。
「まぁ紐は良いとして、水着は決まった?どれか着てみた?」
「さりげなく紐水着を買い物かごに入れないでください!着ませんからね!」
ちぇっ、バレたか。わたしは信じてるよ。それでもプラムは気になって着てしまうって。
「私はこれにするよ~」
ミカンは三角ビキニか。もっとスポーティーな感じを選ぶかと思ったけど、思いのほか可愛い系で攻めてきたな。ミカンの場合、大きなイヌ耳が目立つからそっちに目が行っちゃうんだよね。水着に注目させるならもっと特徴的なものを選ばないとだけど、そこまで気にしなくても良いかな。
「うん、似合いそう。着てみてよ」
「は~い~」
ミカンが着替えている間に問題の二人をなんとかしよう。
「で、二人は選べた?」
「これが良いでござる」
「これが良いです」
おおう、二人ともタンキニですか。露出が低めなのを選ぶと思ったら見事に予想通りの水着を選んだなぁ。選んだ水着の柄は可愛いし似合ってると思うけど、スタイル良いから見せないともったいないんだけどなぁ。
「やっぱり露出多いと恥ずかしい?」
「……はい」
「……ござる」
う~ん、たぶんプールに行けば泳ぐことに夢中で人の目なんて気にならないと思うんだけどな。どうしよっかなぁ。
「よし、まずはシェルフからだ。ちょっとこっち来て」
要は最初は隠れていれば良いんだよね。プラムはなんとなく露出に興味ありそうだから押せばビキニを着てくれそう。シェルフは可愛い服は好きだけど露出多いのは苦手っぽいのでちょと工夫しよう。
「これを着てみて」
「こ、こんな露出が少ないのは恥ずかしいでござる」
「大丈夫だって、この上にこれを着るの」
「この上に?それなら……」
ショートパンツのビキニ。スラっとした細身の体型でアクティブに泳ぐ姿をイメージしてみた。とはいってもビキニなので恥ずかしいだろうから上はパーカータイプのラッシュガードを羽織る。これなら露出低いし、人の目が気にならなくなったらラッシュガード脱げば良いだけ。
「どうでござるか?」
「うん、泳ぐのが好きな可愛い女の子って感じで似合ってるよ」
「か、かか、可愛いでござるか」
「うん、そうだラッシュガードの前を開けてみてよ。人いないからここなら大丈夫でしょ」
「ううう、ここだけでござるよ」
おお、可愛いなぁ。可愛いだけじゃなくて、ラッシュガードを羽織ってるところが出来る女って感じの格好良さがあるし、背が高くて格好良い系のシェルフにすごい似合ってる。よしよし、良い仕事した。
「あとはプラムだね……」
「お、お手柔らかにお願いします」
「トモちん~?」
おっとミカンを忘れてた。ごめんね。
「ごめんごめん、ってうわ可愛い!」
イヌ耳が目立つのは相変わらずなんだけど、それ以上に水着も似合ってる。というかその三角水着、面積小さくない?マイクロって程じゃないけど結構攻めてるよ。それでも健康的なセクシーさが感じられるのはミカンの純粋な雰囲気ゆえかな?
「うわぁ、ミカンさんすごいです」
照れながらもミカンの露出多めの水着を眺めるプラム。これはいけるか?あの胸でビキニ着るならきっとすごいことに……
「プラムは恥ずかしがり屋だから、タンキニでも良いかな。う~ん、でもどうせならいっそのことビキニの上にTシャツ着る感じで可愛くコーデしてみよっか」
「やった!」
ビキニは見せないから実用性重視だったり面積が少なくても大丈夫だよね、という体でセクシーなビキニを着てもらって、本番ではTシャツを脱がしてやるぜい。
「よし、これで全員決まったかな」
我ながら良い仕事したと思う。
「ちょっと待った!」
「ん?ゆ~ちゃんどうしたの?」
「み~ちゃんの水着姿見てない」
あ、試着するの忘れてた。




