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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
3章 三重「個性」
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5. パステルの場合

「パステルちゃん、これはどうかな?」

「着る!」


 恥ずかしがりやなプラム、シェルフと違ってパステルちゃんは服選びが大好き。一緒に買い物に行ったら二人でノリノリになって試着してる。特に可愛い服が大好きで試着中はテンション上がってるモードが継続。ちなみに一緒に来たシャモアちゃんはすぐに飽きてイオンの中を散策中。


「こっちの世界は可愛い服がいっぱいで楽しい!どれを買うか迷っちゃう!」

「わたしも可愛いパステルちゃんがたくさん見られて幸せだよ~」

「でしょ~」


 おっと言いますなぁ。パステルちゃんって話にノってくれるし、いたずら好きだったりする。テンション低い時でもこっそり悪巧みしていることもあるので注意が必要。といっても、ターゲットは大抵シャモアちゃんだけどね。


「ねぇねぇ、この服どうかな!」

「うわぁこれも可愛い!」


 清楚な白いワンピース姿のパステルちゃんは、良いところのお嬢様みたい。こうやって可愛い娘の着せ替えが出来るなんて幸せ。ちなみに店員さんもパステルちゃんが試着室から出てくるたびにガン見して、うんうん頷いてる。わたしは気付いてますよ。




「はぁ~満足した」


 ファッションショーを終えたわたしたちは、フードコートで一休み中。シャモアちゃんと合流したら帰る予定だ。


「それにしてもシャモアちゃん、全然戻ってこないけどどこまで行ったんだろう」


 SNSでフードコートで待ってるよって連絡しても反応無いし、ちょっと心配かな。


「……お姉ちゃんは……飽きっぽいから……探索は……もうやってないと思う」


 およ、時間が空いたからかローテンションモードに戻っちゃったか。こっちはこっちであまり動かないからお人形さんみたいで可愛いんだよね。


「……だから……戻ってこないなら……何か興味あるのを……見つけたのかも」

「シャモアちゃんが興味あるのって何だろう」


 ポンコツってことは分かったけど、好きなこととか知らないなぁ。


「シャモアちゃんだけじゃないか、パステルちゃんのことも知りたいな」

「……………………アニメ」

「え?」

「……このあたりに……アニメショップ……ありますか?」


 アニメショップって、秋葉原にあるような店ってことかな。そういえば確かイオンの中にあったような気がする。スマホでささっと調べてっと。


「あったあった。アニメイトがあるらしいよ。もしかしてパステルちゃんってアニメが好きなの?」


 ちょっと前にシェルフたち三人とテレビについて話をしたとき、アニメは絵が動いている様子が奇妙なので受け付けないって言ってた。そしてシャモアちゃんたちはあまり気にしないけどテレビ自体あんまり見ないって言ってたか。


「……違う……好きなのは……お姉ちゃん」


 あら、シャモアちゃんがはまっちゃったのか。


「……私も……結構好き……可愛い服……着てみたい」

「可愛い服?ああ、コスプレ!」


 パステルちゃんのコスプレかぁ。小柄だから小さめのキャラクターかな。魔法少女とか。うわ、似合いそう!というか、妖精って思ってたから気付かなかったけど、普通に考えたらそのまんま魔法少女じゃん!


「……羽が生えてる……キャラクターの服……着てみたい」

「羽?」

「……うん……自慢の……一品」


 透明な羽だよね。わたしたちはもう全員見られるようになったけど、普段は見えない不思議な羽。見える人だけ触ることが出来るんだって。触らせてもらったことがあるけど、ふわふわとした手触りで気持ち良かったなぁ。


「パステルちゃんの羽、透き通ってて綺麗だし、触っても気持ち良いし、自慢したくなる気持ち分かるよ~」

「……どや」


 どや顔パステルちゃんが可愛いすぎる罪で頭撫でまわしの刑。家だったら思いっきり抱きしめちゃうのに。


「この羽って手入れしてるの?」

「……もちろん……頑張って……毎日……お手入れしてる……だから……綺麗……手を抜くと……すぐに……ボロボロになる」


 毎日って大変だなぁ。ってあれ?背中の羽をどうやってお手入れするんだろう。体の半分以上も丈があるし、手が届かないと思うんだけど。


「羽ってどうやって手入れしてるの?まさかパカって取り外せたりして、なんてね」

「……うん……外せるよ」


 羽が背中から外れて地面に落ちた。ええっ!?外れるの!?


「ちょ、外せるって、ええ!?これまさかアクセサリーなの!?」

「……………………にやり」


 動揺するわたしを見てにやりとするパステルちゃん。あ、これ騙されたパターンだ。


「……冗談……そう見えるように……魔法で誤魔化した……だけ」

「くそぅ、やられた~!」


 大げさに反応してあげるとパステルちゃんは喜んでくれる。もちろん今回は本当に驚いたんだけどね。もう一度パステルちゃんを見たら、元通り羽が背中から生えていた。


「もう、魔力の無駄遣いは良くないんじゃないの?」

「……このくらいなら……三日で回復する……大きな魔法……使い続けなければ……大丈夫」


 シャモアちゃんみたいに無計画じゃないってことか。魔力をしっかり管理してるのは良いことだと思うけど、無駄なことに魔法使わないんだろうなぁって思いこんでたところを逆手に突かれちゃったよ。くやしい。


「……それに……メンテナンスしてるから……魔力も……節約できる」

「節約?」

「……そもそも……この羽は……魔法の威力を大きくしたり……少ない魔力で発動するための……魔法補助の……役割がある。……ちゃんと……メンテナンスすれば……補助の効果が……高い。メンテナンスも……こっちの世界での……一日の魔力回復量の……半分くらいの……魔力を……羽全体に……通すだけ。……ただ……10分くらい……かかる」


 それはつまり、魔法使いの杖と同じような役割ってことかな。杖って増幅器だったり魔法発動の補助用途で使うっていうのがよくある設定だよね。毎日メンテナンスを欠かさないことで性能を維持できるってことか。この羽が妖精族が魔法が得意な理由だったんだなぁ。


「それじゃあこの羽で空は飛べないの?」

「……飛べる……人もいる。……空を飛ぶのは……魔法だから……羽があると……その魔法を使いやすくなる」


 なるほど。羽自体には飛ぶ機能は無いのか。飛べる魔法があるならもしかしてその魔法をかけてもらえばわたしも飛べるのかな?いやいや、わたしが貴重な魔力の無駄使いさせてどうするのよ。こんな自分の迷いを誤魔化すために、とりあえず羽について褒めて場をつなごう。


「わたしはその羽、魔法が関係なくても綺麗だから好きだな」

「……えへへ……ありがと」


 くっ!二度目の頭なでなでの刑じゃ!


「シャモアちゃんの羽も綺麗だよね。雑な性格だからメンテナンスやらなそうだけど頑張ってるんだね」

「……お姉ちゃんは……忘れるし……めんどくさがって……やりたがらない。……なので……わたしが……無理矢理……やらせてる」


 シャモアちゃん……パステルちゃんにいつかお礼言うんだよ……


「……お姉ちゃんも……綺麗でいてほしい。……あと……綺麗も……お揃いが良い」


 パステルちゃんのシャモアちゃんへの愛を感じるなぁ。


「パステルちゃん、シャモアちゃんのことが大好きなんだね」

「うん!大好き!」


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