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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 伊豆下田「結成」
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27. 結成

 石廊崎からケイちゃんの喫茶店に戻ってきた。シャモアちゃんはスッキリした表情になったものの、あらあらうふふ節は変わらない。パステルちゃんは車に戻ったら前の無口な姿に戻ったけど、スマホに保存してある富士山の写真を見せたらテンションが上がってはしゃいでいた。楽しいことがあるときだけ元気になるみたい。


「み~ちゃん、やったね!」

「ぶい!」


 みんな2人の姿を見て上手くいったことが分かったみたい。良かった良かった。


 とは言っても、実は何か策を企てたとかそういうことは全くない。ただ単に、石廊崎って景色良さそうだからシャモアちゃんとパステルちゃんが行ったこと無いなら連れて行ってみよう。感動したら良いな。って思っただけ。そうしたらあっけなく問題が全て解決しちゃった。ぶっちゃけ何が起きてたのか良く分かってないけど、なんとかなったならそれでいっか。

 

「ケイちゃん、パステルちゃん」

「なあに?」

「……何?」


 あの時の話をもう一度、今度は私からお願いする。


「前に来た時ケイちゃんが言ってた、パステルちゃんが私たちと一緒にアイドルやるって話なんだけど、やってみない?」

「わー!ぱすてるおねいちゃん、やってやって~!」


 今なら興味を持ってもらえないかな。ドキドキ。


「……いいの?」

「もちろん!」

「……歌、一度も聞いてもらってないよ?」

「歌が上手だから誘ってるわけじゃないんだよ。パステルちゃんと一緒に歌いたいなって思ったから誘ってるんだよ」

「……まだ、出会って2回目」


 ふふふ、私を侮ってもらっては困りますよ。人を見る目はあるんだから。2回も会えば十分だよ!


「会ったその日に誘った人もいるよ?」

「……え?」


 そりゃあびっくりするよね。改めて思い返すと無茶苦茶だ。でもこのまま押し切るよ。前みたいにすぐに断られてないんだから、可能性はあるはず。


「……変な人」


 あちゃあ、マイナスイメージだったかな。と思ったけどクスクスと笑っているからそうでもないのかも。


「分かった」

「一緒にアイドル活動やるってこと?」

「うん、やりたい!一緒に歌いたい!」


 うわぁ、笑顔がすっごい可愛い。普段表情が薄いからギャップがたまらないよ。抱きしめちゃ


「わーい!ぱすてるおねいちゃんあいどるだぁ~!」


 ケイちゃんに先越されちゃった。くすん。




「うふふ、妹をよろしくお願いしますね」


 パステルちゃんが自分からやりたいことを見つけたのが嬉しかったのか、シャモアちゃんも良い笑顔になってるね。でも、私たちの狙いはパステルちゃんだけじゃないんだよ。


「何言ってるんですか。シャモアちゃんも一緒にやりましょうよ!」

「え?」


 おっと表情が固まったぞ。ほっぺたツンツンしてみたい。


「お姉ちゃんもやろうよ!」


 しばらく固まっていたけど、パステルちゃんの言葉で時が動き出した。


「あらあら、パステル、お姉ちゃんは無理よ。アイドルなんて柄じゃないもの」

「大丈夫だって。お姉ちゃん可愛いし歌も上手じゃん!」

「うふふ、そんなことないよ。無理無理、絶対無理だよ」


 真っ赤に照れながら断るシャモアちゃん。う~ん、これは無理っぽいかな。さすがに無理矢理誘うのは申し訳ないし。


「お姉ちゃん言ってたじゃん!『パステルがやるなら、私もやっても良いわ』って言ってたじゃん!」

「あ……」


 おや?どこかで聞いた事のある話に似ているな。


「トモさん達だけじゃなくて、お姉ちゃんとも一緒にアイドルやりたい!やろうよ!絶対楽しいよ!」


 シャモアちゃんは悩み出してる。これは可能性あるかも。パステルちゃんゴーゴー!


「一緒にアイドルやってくれるなら、お姉ちゃんのこと、もっと好きになるよ!」

「やります」


 ん?最後の誘い方だけなんか変な気が……


「わーい!わーい!お姉ちゃん大好きー!」

「わーい!わーい!おねえちゃんたちがふたりともあいどるー!」

「あらあら」


 パステルちゃんとケイちゃんが楽しんでいて、シャモアちゃんも満足そうだから気にしないでおくかな。


「それじゃあシャモアちゃん、パステルちゃん、これからよろしくね!」


「うふふ、よろしくお願いします」

「よろしく!」


 これで10人。ついにメンバーが揃った感じがするね。歌うとどんな感じになるのか楽しみだなぁ。




「ちょっと待ってくださる?」

「横石さん?」


 どうしたんだろう、2人の参加は問題無いって事前に話をしてあったはずだけど。


「お二人ともようこそ。改めて、私は横石玲菜ですわ。これからよろしくお願いね」

「あらあら、よろしくお願いします」

「よろしく!」


 挨拶したかっただけなのかな、んなわけないか。


「紫陽花祭りでの歌をどうするか相談しましょう。お二人が加入した場合のことも考えてあるのですが、流石に私たちに馴染むには時間が足りないですわ」


 確かに残り1週間とちょっとしか無いのに、今から入るのは難しいと思う。今回は8人バージョンでやるしかないのかなぁ。


「最初だから全員でやりたいんだけどなぁ、やっぱり厳しいか」

「ええ。まだお二人の歌やダンスを見たことないですが、仮にとてつもない才能の持ち主だったとしても、今からすべて覚えるのは現実的ではないですわ」


 うぐぐ、悔しいなぁ。私たちの方は何も変えずにスムーズに2人が入れるようなダンスを組んであるんだけど、それだけじゃ入るのは簡単じゃないかぁ。でも諦めたくないなぁ。


「うふふ、その点は大丈夫よ」

「もーんだーいなーし!」


 あれ?シャモアちゃんたち自信満々だよ。甘く見てるってわけじゃ無さそうだけど、どんな方法があるんだろう。


「時空魔法を使ってたっぷり個人練習するの!」


 時空魔法!そういえばそんなのあったね!確かにそれ使えば今からでもたっぷり練習できる。


「いえ、それだけではダメですわ。時空魔法は自分以外の時間を止めるから個人練習しかできないのでしょう。歌やダンスの練習は可能ですが、フォーメーションの練習が全くできないですわ」


 うぐぐ、ミカンとシェルフがダンスに入るようになってフォーメーションがややこしくなったから、全体練習の時間を多く取らないときついのはその通りだ。くっそぅ、あと一歩なのに。


「あらあら、その点も大丈夫よ」

「もーんだーいなーし!そのにー!」


 ええ?流石に全体練習の時間不足はどうしようもないんじゃない?


「うふふ、影魔法を使うのよ」

「影魔法?」


 はじめて聞く魔法だ。シェルフたちは使えない魔法だよね。


「そうか、二人は妖精族だったでござる。妖精族は魔法が得意な種族だから私たちよりも遥かに多くの魔法を使えるでござる」


 おお!どんな魔法があるんだろう、気になる!


「影魔法でみんなの動きをコピーした影を生み出すの。そうすれば一人でもみんなと一緒に踊れるよ!」


 録画した画像を投影するようなものってことかな。なにそれ便利!


「……確かにそれなら問題なさそうですわ」


 よし、横石さんのOKが出たぞ。それじゃあ時間もないことだし、2人の歌を聞いて練習だ!




 歌うまいっ!


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