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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 伊豆下田「結成」
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13. 駿河湾沼津SA

「トモちん、トモちん、高速道路って速く走って良い道路のことで良いのー?」

「うん、そうだよ。気持ち良いでしょ」


 ミカンはずっとご機嫌でハイスピードで流れる景色を眺めている。その姿を振り返って見たいけど流石に運転中にそんなことはできない。


「本当は高速に乗らなくても良かったんだけどね。ミカンたちに経験してもらいたかったってのと、この先にあるサービスエリアに寄りたかったからこの道を選んだんだ」

「さあびすえりあ?」


 第二東名の場合はNEOPASA(ネオパーサ)って呼ぶんだよね。意味は良く分かってないけど、なんかすごいサービスエリアってことなんだろう、そうだろう。


「ずっと運転してると疲れるから、休憩できる場所のことだよ。単なる駐車場じゃなくて、その土地の名物が売ってるお店があったり、見晴らしの良いスポットがあったり、色々と楽しめるところなんだ」

「へぇ~たのしみ~」


 ああ、きっと今イヌ耳がパタパタしてるだろうな。見たいなぁ。




 そんなこんなで最初の観光スポット件休憩所に到着。休憩って言うほど走ってないけどね。ここでみんなと一度合流予定だ。


 すみれさんは……屋台のおじさんとお話してる。すみれさんらしいなぁ。根古ちゃんの車はぴったりわたしの車の後ろに着いてきて、わたしの車の近くに駐車中。


「み~ちゃ~ん!」


 ゆ~ちゃんがわたしに向かってきて飛び込んできた。


「寂しかったよぉ~」

「お~よちよち」

「ふひひ~」


 何となく撫でてあげたら気持ちよさそうに喜んでる。


「弓弦さんったら車の中でもトモさんの話ばかりするんですよ」


 プラムが楽しそうな表情で歩いてきた。横石さんの言う通り心配は杞憂だったみたいだね。


「だってみ~ちゃんのことばかり考えちゃうんだも~ん」

「あれぇ?でも玲菜さんの話もかなり多かったですよ」

「ちょっ、ちっこいのそれは内緒だって!」

「あら、興味深い話をされているようですわね」

「あんたはこっちくるなー!」


 おおっプラムが楽しそうにクスクス笑ってる。


「実は車の中でもこんな感じでプラム様が星野様をからかうことが多かったです」


 最後に根古ちゃんがやってきた。


「へぇ~プラムのそんな姿みたことないなぁ」


 そうなるまでの流れを見てみたかったな。




「それで御影様、こちらでは休憩するだけでしょうか」

「ううん、みんなを連れて行きたいところがあるんだ」


『NEOPASA駿河湾沼津(上り)』

 第二東名で最も東に位置するサービスエリアで、標高が高いところに位置している。第二東名の他のサービスエリアとほぼ同等の施設が揃っているんだけど、ここだけにしかない名所ももちろんある。今日はそこにみんなを連れて行きたいんだよね。ちなみにここは高速道路を通らなくても入ることができて、わたしはお母さんと一緒に何回か来たことがある。


 まずはすみれさんと合流しよう。


「お~い、すみれさ~ん!」

「おう、来たか。みんなこれ食え」


 なんだろう、屋台で何か買ったのかな。


「俺一人だと腹いっぱいになっちまうが、8人もいれば大した事ねぇだろ。それにこういうの朋好きだろ」

「こ、これはっ!!!」


 富士山お好み焼きだ。これを買うなんてすみれさんわ~かってるぅ~

 富士山お好み焼きは、富士山の形をしたお好み焼きと、駿河湾を意味する鰹節、太陽を意味する目玉焼きなどで構成されている芸術的な料理のこと。富士山好きとしては、ここに来ると毎回必ず買いたくなるんだよね。


「料理であの山を表現するでござるか……なんという豪勢な料理でござるか」


 あ、そうか。向こうでは料理はあくまでも食べるためのものであって見た目は気にしなかったんだっけか。それじゃあ今後はこういう変わった料理も紹介できたら良いな。




「一通り見て回ろうか」


 お土産売り場では地元の名産を中心に定番モノから企画モノに至るまで幅広く売られている。プリンが美味しいんだよね。あと、土日だとマグロの解体ショーをやってたりする。何故だ。


 フードコートではここでしか食べられない変わったメニューが数多く用意されている。例えば桜エビを使った料理とか三島コロッケとか。主に異世界組がよだれ垂らしそうだけど、お昼食べられなくなるから今日はダメだよ。ここは普段でも高速道路を使わなくても簡単に来れるから後日来ようね。


「次はドッグランかな……」

「……!」


 ん?横石さん固まってるけどどうしたの?犬は……あ、しまった。


「や、やっぱりドッグランは後日にしよっか」

「え、ええ。そうしましょう」

「あれ?横石さん良いの?」


 尋常じゃない犬猫好きだから行きたがるかと思った。


「間違いなくはしたない行動をとってしまうので我慢しますわ」


 顔を赤らめてうつむく横石さんが可愛いな……ってめっちゃきつく拳握ってる!力の入れすぎで腕がプルプル震えてる!手のひらから血が出るからやめて!


「さ、さぁみんなこっちにきて」


 早く違う場所に移動しないと。このままメインの場所まで連れて行こう。




 NEOPASA駿河湾沼津の一番の売りといえば、やっぱり屋上から眺める駿河湾の景色だ。駿河湾を正面に、手前には沼津市街、左側には伊豆半島の西岸が広がっている。駿河湾は水深が深いため天気が良いと濃い青色に見える。伊豆半島の山の緑色との対比がすごい美しい。また、沼津市街が一望できるので夜景もかなり綺麗な場所である。


「色鮮やかで綺麗ですね、弓弦さん」

「うん。富士宮の近くにこんな景色が良い場所があったのね、知らなかったな」

「トモさんとどっちが綺麗ですか?」

「それはもちろん……って何言わせるのよ!」

「プラム様、そこは横石様とも比較すべきだと提案致します」

「仕事中毒も何言ってんのよ!」


「第二東名はあんまり走んねぇからこんなすげぇ景色があったなんて知らなかったぜ」

「旅慣れているすみれ殿でも知らない景色があるでござるか」

「はははっそりゃあそうさ。まだまだ知らねぇもんばかりだぜ。だから旅が止められねぇんだ」

「じゃあとっきーも私たちと一緒にはじめてを楽しめるんだねー」

「おうよ、今回の旅も行ったことねぇ場所ばかりだから楽しみだぜ」


「ああ、風が気持ち良いわ……ドッグラン……私もかなり好きな景色ですわね……わんこ……」


 綺麗な風景をみんなでなんとなく眺めてる時の穏やかな空気って良いよね。一人ちょっとおかしなことになってるけど……


「ミカン、一緒に上に登ろう」

「ん~何~」

「ほら、こっちこっち」


 最後はやっぱりアレをやらないとね。


「この紐を持って左右に大きく揺らすの。思いっきりやっちゃって」

「りょ~かい~」

『幸せの鐘』


 鳴らすと幸せになれるというなんとも抽象的な設定が観光地っぽい。でも、心地良い風が通り、眺めの良い景色が見えるこの場所で鳴る鐘の音は、胸に温かく染み入る感じがして大好きなんだ。


 ガラ~ン!ガラ~ン!


「今回の旅行が楽しくなりますように~!」


 なんてね。




 ちょっとミカン楽しいからって鳴らしまくっちゃダメ!情緒が台無しだよ!

駿河湾沼津からの駿河湾の眺めは美しくてお勧めです。はじめて行った時、予想外の美しさにびっくりしました。あと、牛タン串とか美味しかったですし、フードコートも作中にあったような桜エビを使った料理や三島コロッケなどご当地ものが結構あって目移りします。お土産は定番も限定もモノもそれなりに揃ってますし、非常にバランスのとれたサービスエリアだと思っています。ちなみにドッグランですが、山奥のサービスエリアにわざわざ犬を連れてくる人なんて居ないだろうと思ってたのですが、そこそこわんちゃんが来ています。

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