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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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9. とあるネット中毒者の秘密

「よろしくお願いするでご……します」

「??こちらこそ、よろしくお願いします」

「よろで~っす」

「よろしくです」


 危なかったでござる。パステル殿に魔法をかけてもらったけど口調でバレてしまっては元も子もないでござる。


「とりあえず、そこの喫茶店にでも入りましょうか」

「そうでご……そうですね。今日も暑いですから」

「……」

「ガンドムさん、どうかしましたか?」


 今日は私が秘密で登録しているSNSで仲良くしている人とのオフ会でござる。


「いや、エロフさんってどこかで見覚えがあるような……」

「知り合いに似ている人がいるんですかね」


 ……バレてないでござるよね。背格好は変えてないけど姿形は全くの別人でござる。


「まぁ、気のせいかな。我々も中に入りましょ~う」


 よしよし、これで一安心でござる。


「それでは改めまして、私が『サク』と申します」


 腰まで伸びるロングヘアーで白いワンピース姿の清楚なお嬢様風な感じの人が、このオフ会の企画者でござる。


「私がエロフです。よろしくお願いしますね」


 冗談でエロフという名前で登録したら、仲良い人が出来て名前を変えるタイミングを逃してしまったでござる。


「私はガンドムで~す。良く間違われますが、ロボットは関係ないで~す」


 じゃあなんでそんな名前なんだと何回も聞いたことがあるけど、いつも答えをはぐらかされるでござる。小柄で少しぽっちゃりしたショートヘアーな女の子。全身を黒で染めてるので暑そうでござる。


「私は『はにかむ』です。よろしくです」


 背が高くて落ち着いた大人の女性風な人が、この中で一番『映える』写真を投稿する人で、この人みたいな写真を撮りたいって憧れてるでござる。


「今日は来ていただいて本当に嬉しいです。ここのお店のスイーツ、どれを頼んでも『映える』ものばかりですから、遠慮なく頼んでください」

「サクさんがいつも写真に撮っているお店がここでごすか」

「はい、ここは味も美味しいので写真は関係なく何度も来ちゃってるんです」

「常連ですね。私も地元に常連の店ありま~す」

「お店の内装もお洒落ですし、素晴らしいお店だと思います」


 一度話がはじまってしまえば、同じ趣味を持つ者同士話が弾むでござる。自分のオススメのお店、常連になるまでの話や写真をネットにアップするまでのテクニック裏話など、話が止まらないでござる。時間が経つと徐々にネットスラングを交えたりしてネット上の雰囲気が現実に降りてくる不思議。まるで長年一緒にいた友人と話をしているかのような居心地の良さが生まれたでござる。


「そういえばみなさんって写真以外に何か趣味ありますか? 私は今ホラー小説にハマってるんですけど、他にも面白そうなのがあれば手を出してみようかなって思ってるんです」

「おおっホラー小説まだ読んでたんですね!私のオススメどうでした!?」

「あはは、私がまだハマり続けてるの、ガンドムさんのせいですからねっ。描写が濃厚でドキドキしちゃう作品ばかり教えてくれるんですもん」

「良かったで~す!私が超超超オススメする作品だから絶対受けると思ったんで~す!」


 おっと、趣味の話になるかと思ったらホラー小説の話で盛り上がってしまったでござる。特に言うことないから助かったでござる。アイドルやってます、なんて言えないでござるから。


 あ、でもはにかむさんの趣味は聞いてみたいでござる。大人の趣味って感じでござるよ、きっと。


「ホラー小説もまだまだ語り足りないけど、他の趣味ってことならアレがあるで~す」


 って思ったらガンドムさんが話を元に戻したでござる。どうしよう、私も何か答えた方が良いでござるか。


「アイドルのファン」


 ……え?


「あ、みんなのその目、やっぱり意外か~」


 いやいや、私は全く別のところが気になっちゃっただけでござる。ま、まぁアイドルって言っても『カラフル@すくらんぶる』じゃないでござるな。ガンドムさんの見た目の雰囲気からしてもっとロックな感じの……


「私って暗い感じの雰囲気が好きなのでどうしてもそっち系が好きなんだと思われそうなんですけど、ていうか実際そうなんですけど、実は最近、全然守備範囲外だった超明るい系のアイドルが大好きになっちゃったんですよ~!」

「へぇ~ガンドムさんの好きなグループ気になります!」

「わ、わわっ、私も興味があります!」


 え、何ではにかむさん、そんな前のめりになってるんですか!?

 

「有名だからみんな知ってますよ!『カラフル@すくらんぶる』!」

「ごふっ、げほっ!げほっ!」

「わ、エロフさん大丈夫ですか!」

「だ、だだ、大丈夫でござる」

「ござるなんて、まるでシェルフみたいですね」

「え!サクさんもしかして『カラフル@すくらんぶる』好きなんですか!」

「はい!もちろん!……はにかむさんガッツポーズしてどうしたんですか?」

「今日は至福の一日になりそうです。同志よ……」


 ま、まま、まさか『カラフル@すくらんぶる』の話になるとは思わなかったでござる。だってこれまでネット上でアイドルの話なんて欠片も出なかったでござるよ。


「あ、もしかしてエロフさんもファンだったりしますか!さっきのはシェルフの真似とか?」

「実はそうでござる!」

「へぇ~上手いもんで~す。すごいシェルフっぽ~い」

「こんなに真似が上手くなるほどのファンの方と語ることが出来るなんて、はにかむ幸せです。ぐへへ」


 落ち着いた大人の女、どこいったでござる。


 自分がシェルフその人だって絶対分からないだろうから、このままファンとして押し通すでござる。

 語尾を意識しないで良くなったから逆に楽でござる。


「みんなは『カラフル@すくらんぶる』の中で特に誰のファンでござるか?」

「「「シェルフ!」」」


 ……羞恥プレイが始まる予感がするでござる。


「背が高くて」

「格好良いよね~」

「歌も上手で」

「ござる言葉が可愛くて」

「他の個性的なメンバーとのバランスとってるよね~」

「健康的な色気も好きなんですよ」


 誰かタスケテー


「それで、エロフさんはシェルフのどんなところが好きですか?」

「真似がそれだけ上手なんだから、かなり大好きと見ました」

「そうですね。エロフさんはシェルフに雰囲気も似てますし……」


「え?」


 雰囲気、でござるか?


「そういえばそうですね」

「背丈も同じくらいですし、ここがとは言えないけど確かに雰囲気も……」


「そういえばシェルフって異世界から来て魔法が使えるんですよね。もしかしてエロフさんってシェルフが魔法を使って変身した姿だったりして」


 あ、あはは、絶体絶命のピンチでござる。逃げるでござるか?


「なわけないですよね」

「あはは、だよねー」

「ごめんなさい、似ているからちょっと弄っちゃいました」

「も、もう、みんな人が悪いでござる」


 これは助かったでござるか?


 この後は、アイドルの話は不思議とパタりと止んで、写真の話や他の話で盛り上がって普通に解散したでござる。


「あ、エロフさん、ちょっと良いですか?」


 解散した後、サクさんが追いかけて来たでござる。


「サイン下さい!」


 ……助かってなかったでござる。


「サイン欲しいで~す」

「さ、ささ、サインを頂けないでしょうか!」


 しかもその後、他の2人も追いかけてきて同じ行動をしてきた。うん、これ、バレてたけど気を使って見逃してくれたパターンでござる。


 うう、嬉しいやら恥ずかしいやらでござるが、ひとまず彼女たちと一緒ならまだSNS続けても大丈夫そうでござる。


 シェルフとバレてるエロフとして、でござるが。


今回出てきた3人は多分もう出てこないかと。


あんまりネット感が無かったですね。


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