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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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7. 運動準備

「ほめ……た?」

「ほんだ、よ」

「ああ、『ほんだ』って読むんだ」


 蘇我駅から外房線に乗り換えて数駅、誉田駅で下車したんだけど駅名が読めなかった。住んでる人ごめんなさい。


「ここから無料バスに乗るでござるか?」

「ええそうよ、ロータリーで待ってましょう」


 数分待つと無料送迎のマイクロバスがやってきた。使わなくなったマイクロバスのお下がりって感じがする。もちろん中は綺麗に掃除されてるけどね。


 バスはすぐに住宅街を抜けると田畑や山が点在する方面へ進んで行く。


「……?」

「あらあら、パステルどうしたの?」

「……あれ」


 パステルちゃんが指さす窓の外を見ると、テニスコートくらいの広さの敷地に、腰や胸くらいの高さの小さな石垣や木の壁が何個も立っている不思議なスペースがあった。


「あれ?わたしはじめて見たのに知ってる気がする。ええと……あれ……?」

「私も同じ感じだわ。なんだったかしら」


 そばに森があるのも重要な気がする。あのスペース、山とか森とかが似合うもん。


「私は分かりました」

「何々?」

「差し出がましい話かも知れませんが、教えてもよろしいのでしょうか?」


 うぐぐ、確かに自分で考えた方がスッキリしそうだ。着くまでにもう少し時間がかかりそうだし、考えてみよう。


「弓弦分かった!」

「ええっ!先越された!」


 悔しいよぅ。後は玲菜との一騎打ちか。負けないぞ。


「ああ、そういうことね」


 って勝負にすらならなかったーー!


「ううう、なんでわたしだけ……あと少しで思いつきそうなのにぃ」


 この思い出せなくてもどかしい感じ、気持ち悪いよぅ。はやくっ、はやくスッキリしたいっ!

 決してトイレに行きたいわけでは無いのでご注意を。


「サッカーの練習場かな~?」

「なるほど、あの壁をドリブルで突破するのかっ……てちがーう!用途がマニアックすぎるよ。サッカーなら他の練習をする施設も作ろうよ」


 ミカンの意見は却下で。


「忍者の修行場でござる」

「シェルフって忍者設定まだ生きてたの?」

「元々そんな設定ないでござる!」


 最近はファンの人からも語尾について何も言われなくなったからなぁ。


「婚活会場ですね」

「そうそう、自分のステータスが書かれた壁に隠れて、気に入った相手がいたら攻めに出て年収カード持って相手のハートを狙い撃ちっ……ってそれだああああああああああああ!」

「ええ!正解ですか!」


 いや、正解じゃないよ。プラムの意見に突っ込んでたら思いついただけ。


「違う違う、ノリツッコミやろうとしてたら答えが分かったんだ」

「なるほど、婚活ですね」

「そう、婚活!って違うってば!」

「あいたぁっ!」


 久しぶりのプラムとの漫才だ。うん、はたきのキレは衰えてないぞ。


「サバゲー場だったんだね」


 壁に隠れて攻めるって想像したらすぐに気づいた。森や山が似合うってのもそういうことだったんだ。


「まわりに住宅が無かったし、迷惑にならなそうな場所かもね」

「サバゲ―は迷惑かけるって良く聞くもんね」


 正しくプレイしている人はそうではないんだと思うけどね。悪いイメージが先行しちゃってるからしばらくは仕方ないかもなぁ。


「朋が思いついたところで、着いたわよ」

「あらあら、日本メディカルトレーニングセンターって書いてあるよ?」

「ここから少し歩くのよ。その前に中で着替えましょう」


 今のわたしたちの服装は余所行きのおめかしタイプだからね。運動するような格好じゃない。用意してきた一式にお着換えだ。


「パステルちゃん可愛い……」

「……今回ばかりは仕方ないわね」

「また弓弦負けたよー!」


 圧倒的な女子力の塊であるパステルコーディネイトを見て思わず本音をこぼしてしまって、ゆ~ちゃんや玲菜に怒られるかと思ったけどそうはならなかった。ポロっと口にしちゃうのも分かるくらいパステルちゃんが似合ってるってことなんだよね。


「運動着でもこんなコーディネイトがあるんだ。わたしが一緒に買いに行ったときに見たことある服ばかり。そう組み合わせるんだぁ」

「ちゃんと機能的で動きやすそうなのもポイント高いわ」

「それ、カジュアルなライブ衣装としてもちょっと手を加えるだけで通じると思う。弓弦もライブでやってみようかなぁ」


 わたしも、もう少し女子力アップしないとなぁ。家事は玲菜に大負けだし、可愛い振る舞いはゆ~ちゃんに大負け。わたしだって自分ではセンス悪くないとは思うんだけど、特に得意なことって無いんだよなぁ。


「うふふ、私はどうよ?」

「……」


 パステルちゃんに選んでもらった服装は、パステルちゃんと色違いなだけで似合ってるんだけど……


「やっぱり中の人が原因?」

「……やっぱり……そう思う?」

「残念2Pカラーって感じ」

「……もっと……頑張る」


「あらあら、泣いて良い?」


 普段の自分の行動を反省して泣きなさい。

 シクシク泣くふりをしているシャモアちゃんはそのままにしておいて出発だ。


「パステルちゃんの腰ポーチ、動くのに邪魔にならなそうで良いね」

「……ここ……ちょっと……アレンジ……してみた」

「うわぁ、ねこにゃんだ。可愛い!自分で縫ったの?」

「……うん!」


 ねこにゃんって言っても根古ちゃんのことではない。デフォルメされた子猫の顔が縫い込まれてた。市販品と比べても遜色ない出来だよ。


「右の太もものあたりにペットボトルホルダーがついてるけど、激しい運動をしたら落ちないかしら」

「……大丈夫……ほら」


 小さなペットボトルが入ってるんだけど、パステルちゃんが走り回ったり前転したり尻もちついたりしても全く落ちる気配が無い。


「……しっかり……固定されてて……つけ心地も……良い……落ちる……心配が……全く……無い感じ」

「うわ、何それ欲しい!」


 今日はそんなに暑く無いから大丈夫だと思うけど、運動するから水分は持って行きたいんだよね。ポケットに入れると不安定で落ちちゃいそうなので、ポーチに無理矢理詰め込んでる。その代わり絆創膏とか小物が入らなくなっちゃったんだ。


「……今度……任せて」


 言質頂きましたー!


会話書いてたら楽しくて話が進まなかった。

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