11. 白尾山公園
今日の観光は富士宮市の南西から西周りで北側へ移動するルートで有名どころを中心に紹介しようと思う。
ということで、まずは南西へ。
出会いの日に額こつん事件があり、その後も何度かみんなで買い物に来た富士宮駅南のイオンを過ぎてもっと南西へ向かう。富士宮市の中心部は、線路を挟んで北側に商店街や市役所、南側にイオンが建っていて、富士宮市内でも標高が低いところにある。ただ、南側はすぐに山にぶつかり、急な坂道を登ることになる。その山を越えると芝川町や由比、清水方面へ抜ける裏道がある。
最初の目的地はその山の途中にある公園。
うねうねと続く山道を少しだけ登り、途中細い横道に入りゴルフカントリークラブを通り過ぎると到着。
「次はここ、白尾山公園」
『白尾山公園』
山の中にある公園ということで敷地面積が結構広い。
富士山を一望する展望台があるのはもちろんのこと、かなり広い芝生広場は家族の憩いの場で、土日に来るとキャッチボールをする親子やペットと遊びに来る人などで賑わっている。また、変わった遊具も多くて、子供たちが元気に遊びまわっている。森の中の散策コースもあって、歩くと気持ち良いんだよね。40分くらい歩くけど。
今日は平日なので散歩してる年配の方がちらほらいる程度だね。
「わー!」
芝生広場を見た瞬間、ミカンが駆け出し、プラムもトテトテと慌てて着いていった。
元気に楽しそうに走り回ってるけど、一体何が気に入ったのかな。
「この世界にもちゃんと広い場所があるのでござるな」
「え?どういうこと?」
「この世界は家が密集している場所ばかりで狭苦しく感じるでござる。向こうの世界では街の外に出ると広大な大地が広がっているでござるよ。こちらでは広い場所と言っても『学校のグラウンド』とやらがある程度の認識だったでござる」
ああ、そういうことか。富士宮は狭い場所が多い、ねぇ。全然そんなこと感じたことなかったな。
それなら今度は朝霧の方にも連れて行こうかな。
あっちは広々としてるからもっと開放感を味わってもらえるかも。
さて、それはそれとして、と。
「まてー!」
せっかく楽しそうに駆け回ってるんだから、混ざらなくっちゃ。
シェルフも混ざって小一時間かけっこを楽しんだけど、やっぱり速いなぁ。ミカンだけじゃなくて、プラムやシェルフもかなり速いし、何気にシェルフが負けず嫌いでムキになって逃げてたよ。新しい一面発見、だね。
一息ついてこの公園の一番のオススメスポットへ。
「さあ、だれから滑る?」
全長65メートルのローラー滑り台。
木々の合間を駆け抜ける感覚が爽快で大人気の遊具。
「滑るとはどういう意味でござる?」
「滑り台っていう遊具で、座るとどんどん滑って下に降りることができるんだよ」
結構な角度があるのでちょっと怖いんだけど、それが面白いんだよね。滑り台なんてきっと知らないだろうから、滑った反応が楽しみだなぁ。
「これはまさかコースター?」
「む、ミカンは知っているでござるか」
「これはかなり危険だから気を付けないとダメだよー。一旦滑り出したらすさまじい勢いで駆け降りるんだー」
おお、ミカンどこで知ったんだろう。でも、危険ではないと思うけど異世界の人にはそう感じるのかな。
「一番危ないのは途中でコースが途切れているところー」
んん?なんだって?
「タイミングを見計らってジャンプしないと落ちて死んじゃうんだよー。他にも途中で敵が出てくるのでジャンプして当たらないように避けたり踏んだり、コースの途中に扉があってスイッチに触れないと開かないとか、加速し続けないと後ろから敵が追ってくるなんてのもあるねー。そして最後には必ず大ジャンプがあ痛いっ」
思わず脳天チョップしてしまった。このゲーム脳が!
「それだけ詳しいなら先に滑ってみてはいかがかしら」
にっこり笑顔。脅してないよ。
「ミカン、いきますー!」
綺麗な敬礼ポーズが決まった。敬礼ポーズなんてどこで覚えたんだ。何かのゲームかな。
あ、そのまま滑ると。
「おおっ、おおおっ!っっっ!!!ふぎゃああああああああああああああああああ」
ダンボール敷かないとお尻痛いんだよ……
お尻をさすりながら涙目で戻ってきたミカンの頭を撫でて慰め(どさくさに紛れて耳をもふり)、ダンボールを使ってプラムとシェルフもチャレンジ。2人とも最初はかなりびくびくしてたけど、走って戻ってきて、もう一度もう一度と何度も滑ってる。かなり気に入ったみたいだね。ミカンも落ち着いて今度はちゃんとダンボール敷いて滑ったら気に入ったみたい。小さいころはわたしも何度も滑ったけど、土日に来ると人気だったからなかなか空いてなかったんだよね。懐かしいなぁ。
ここから見える夜景も綺麗です。




