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9.一本頂戴!

本作においてHPはハレンチパワーです。

MPはマゾポイント、SPはサドポイントを意味します。

LvはレベルではなくLoverを意味します。実質的には使用者数です。

 翌朝。

 ボクは服に着替えると食堂に向かった。



『取説君:ルカ‐0721号は、魔素エネルギーを吸収してエネルギーに変換します。そのため、特に飲食の必要はありません』



 本当は食べなくてもやって行ける身体だけど、折角なので食べておきたい。

 食べることも、生きる楽しみの一つだからね!



『取説君:ルカ‐0721号は、使用者が一緒に食事を楽しめるよう、飲食機能が付いております。なお、食に関しての好き嫌いはありません』



 ただ、ボクを見る人達の反応がおかしい。

 女性達は、恐ろしいほど殺気立っているし、男性達は前屈みになりながらイヤラシイ視線を容赦なく浴びせて来る。



『取説君:ルカ‐0721号は、睡眠をとった後は、如何なる理由があろうと全てが初期値に戻ります(Lv値のみ保持)。HP値やフェロモン魔法の出力等を調節したい場合は、再設定が必要になります』



『取説君:何らかの魔法等によりHPを吸収され、一時的にHP値の上限値が下げられたとしても、睡眠中に魔素を大量に取り込むことでHPは初期値に戻ります』



 これはマズイ。

 ボクは、急いで、

「HP値50!」

 下限値までHPを下げた。


 それから、ステータス画面を開いて特殊機能ページへと進み、フェロモン魔法の出力調整を行った。

 とにかく、下限値いっぱいまで出力を下げたんだ。



 周りの人達の視線が落ち着いて来た。

 まだ女性達からは敵意を、男性達からはHな視線を感じるけど、さっきまでと比べれば相当マイルドだ。



 食堂に着くと、ウェイトレスに、昨夜と同じカウンター席へと案内された。

 夕食では、デザートが食べられなかったのは残念だったな。



 朝食はバイキング形式。

 一応、お酒類も置いてあるけど、朝から飲むのはやめよう。

 そもそも、昨夜みたいなことになると面倒だからね。



 ただ、さすがに和食が置いていない。

 ご飯に味噌汁、鮭の塩焼きに、だし巻き卵……を異世界に求めるのはムリがある。


 普通にソーセージとかスクランブルエッグとか、フライドポテト、パンケーキ、ベーグル、クロワッサン、ヨーグルト……。


 和食が無いのは残念だけど、どれも結構おいしそうだ。

 それで、朝からガツンガツン食べちゃったけど……なんか、ボク、食べ過ぎていない?

 ただ、不思議なことに、全然、お腹がいっぱいにならないんだけど?



『取説君:ルカ‐0721号が飲食した場合、その質量を全てエネルギーに変換します。そのため、飲食物由来の排泄は行ないません』



 もしかすると、食べている傍から、全部エネルギーに変換しているのかも知れない。

 だから、お腹に全然溜まらないってことなんだろう。



 朝食を終えた後、ボクは、一旦部屋に戻った。

 そこで、忘れ物が無いかを確認。

 そして、ボクは、この宿をチェックアウトした。



 エロ限定物質創製魔法で、

『愛人に貢ぐ金! 出ろ』

 と唱えれば金貨数十枚が出せるので、特に今のところ、ムリに働くつもりは無い。

 この世界がどんなところかを、先ずは旅して色々と見てみたい。



『取説君:ルカ‐0721号は、マップ機能が内蔵されており、ストリートビュー機能も付いております。これにより、今まで行ったことが無い場所もイメージできるため、最大移動距離以内であれば、転移先の制限はありません』



 この近隣で、次に行くところをマップ機能で探す。

 今いるタンヤオ市から北に100キロ行ったところにショウサンゲン湖って湖がある。

 その湖周辺の村がダイサンゲンって村だ。



 地球時代に、PCでエロ麻雀ゲームとかをやっていたボクからすれば、断么九タンヤオが市で大三元が村って、何だかイメージが逆なんだけど?


 ちなみに、このアサスズメ王国の王都はリンシャンと言うらしい。

 あと、隣国である帝国に隣接している要塞都市がハイテイ市だそうだ。



『取説君:ルカ‐0721号は、効率的にHのデリバリーに行けるよう、転移魔法が使えます。一回での最大移動距離は10キロメートルです』



『取説君:ルカ‐0721号は、連続転移が可能です。これにより、相手が遠いところにいても、瞬時に現地へと到着することが可能です。なお、連続転移の際にクールタイムを必要としません』



 転移魔法が使えるお陰で、100キロの距離も瞬時に移動可能だ。

 十回の転移で行けるからね。


 ボクは、

「転移!」

 ダイサンゲン村に向けて連続転移に入った。



 ❖  ❖  ❖



 ダイサンゲン村に到着!

 目の前には、ショウサンゲン湖が広がっている。

 なんと、その面積は、バイカル湖レベルだそうだ。



 串焼きの出店を発見。

 肉串焼きだけの店で、値段は一本500Genだ。

 イイ匂いがしているし、是非とも食べてみたい。


 串焼き肉を焼いているのは、おっさん。

 腕のアチコチには小さな火傷の跡が、いくつもあった。

 職業柄、これは、仕方が無いことだろう。



「おじさん。一本頂戴!」


「えっ? 本当か?」


「あっ……はい」


「じゃあ」



 何を血迷ったのか、その出店のおっさんは、ボクの前まで出てくると、一気にズボンとパンツを下ろした。

 しかも、良く分からないけど、顔がムチャクチャにやけていた。



「いきなり、何するんですか?」


「だから、ナニするんだろう? この一本が欲しいって言ったじゃないか」



 おっさんが、自分の股間を指さした。

 しかも、既に準備万端……と言うか、血流が増大してパンパンになっているから、準備満タンってとこだ。



「ボクが欲しいのは串焼き一本です!」


「じゃあ、串焼きに、この一本をオマケしてやろう」



 このアホみたいな反応。

 もしかして、ボクのHPかフェロモン魔法が下がり切っていないんじゃないか?


 ボクは、慌ててステータス画面を開いた。

 すると、アラート表示が出ていた。

 アラート部分をクリックすると、次の記載がされていた。



取説君アラート:食事を摂り過ぎたことにより、体内エネルギー変換量が一時的に規定値を超えています。そのため、規定値以下までエネルギー消費がなされるまでフェロモン魔法の出力を下げられません』



 つまり、ボクが朝食を食べ過ぎたのがイケなかったのか。

 でも、こうなることを知っていたら、もうちょっと朝食は抑えたんだけど。



 この状況を解決する選択肢は二つ。

 一つ目は、転移魔法で逃げること。

 でも、ここでは、もう一つの選択肢の方を選ぶ。



「HP200、SP100、MP30に設定! さらに物質創製魔法発動!」



 ボクは、女王様モードを発動することにした。

 物質創製魔法で、ボクの右手に出て来たのは一本鞭。


 これは、結構イイ音がするし、当たるとかなり痛いよ!

 ボクは、その鞭を大きく振り上げると、力いっぱい地面に向けて振り下ろした。



「ピシッ!」



 鞭が地面に当たる音が、辺り一面にこだました。

 SP100状態のボクにとって、これは、非常に心地よい響きだ。



『取説君:ルカ‐0721号は、Hに関連するアイテムであれば、何でもそつなく使いこなします』



 女王様モードのオーラを受けて、おっさんは、その場に正座した。

 ボクは、そのおっさんに容赦なく冷たい視線を投げ付ける。



「このブタ野郎! ボクに、その粗末なモノをオマケでくれようなんて、百万年早いんだよ! ボクが欲しいのは、く・し・や・き! そっちの粗末なモノじゃないから」


「これは、大変失礼しましたぁ!」


「お代は、ここに置いといてやるから」



 ボクは、そう言うと出店に小銀貨五枚を置いた。

 さすがに、女王様モードだからと言って、献上させるつもりは無い。


 ただ、地球で生きていた頃には、女王様プレイの趣味なんか無かったからさ。

 どういった口調で、どういった言葉を選んでイイかが良く分からない。

 その道の人達から見たら、多分、ボクは全然今一つな女王様だろう。



 でも、高HPに高SPだからね。

 このおっさんには、一応、女王様として機能しているみたいだ。



「いえ、滅相もございません」


「キチンと正座できたから、ご褒美に小銀貨五枚、払ってやるよ」


「ありがとうございます」



 我ながら、バカみたいな会話だと思った。

 でも、おっさんがおかしくなったのは、別に彼のせいではない。

 ボクが朝食を食べ過ぎて、フェロモン魔法の出力が下げられなくなったせいだ。

 なので、ちょっと申し訳ない気がした。

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