72.ナニ(72)ですか? いいえ、オナ〇ー Go(0721号)です
「それとルカには、もう一つ、特殊な聖属性魔法を与えます。これは、私がラヤの姿の時に使ってきていた魔法です。ラヤと言う名はハルから聞いてますでしょ?」
「あっ、はい」
「魔人をも浄化する魔法です。それでプルートの魂を救ってあげてください」
この時、ボクは、その言葉通り、女神ピルバラナ様から強烈な浄化魔法が授けられたと解釈していた。
下界に降りてすぐに、その認識が間違っていることに気付かされるわけだけど。
「浄化ですね。分かりました」
「それから、ジノンのことをお願いします。彼の前世のことは、既にステータス覗き見スキルで知っているでしょう?」
「えっ? ま……まあ……」
「彼は、前世では女性で、私の友人の一人でした。ジノンが人生を全うするまで、一緒にいてあげてください」
「は……はぁ……」
それって、友人としてって意味だよね?
いくら前世が性魔玩具愛好者だったからって、今世も同じとは限らないし……。
加えて不能状態だし……。
そもそも、ジノンは、今、男だし、ボクも中身は男だし、正直、男とヤル趣味なんてボクには無いからね。
女性ともヤル気は無かったけど……。
ただ、ジノンの前世、ヴァナディスちゃんだったら、正直、興味はあるかも。
それにしても、他の異世界に転生するんじゃなくて、もう一回、ルカ‐0721号としてトリフィオフィルム世界に行かされるとは思わなかったよ。
「では、魂を地上に転移させます。身体が再生・修復されたら、すぐに、その聖属性魔法でプルートを倒してください」
「倒す?」
一瞬、ボクは、
「あれ?」
って思った。
浄化だったら倒すって表現はおかしい気がしたんだ。
でも、いきり勃ったモノも、浄化……つまり、白濁液を出させれば倒れるし、ここは浄化することを、敢えて、
『倒す』
って言ったのかなと勝手に思い込むことにした。
「はい。魔法は、再生・修復後、すぐに発動できるようになっています」
「それで、その魔法の名称は?」
「地上に降りたら、すぐ頭の中に、自然と湧き上がってきます。その名称を唱えてください」
「分かりました」
「では、お願いします」
そう言われた直後、ボクの視界は真っ暗になった。
地上への転移が発動したんだ。
そして、気が付いた時には、元のルカ‐0721号の姿で地上に横たわっていた。
マジで斬り落とされた右腕から、身体全体が再生したってことだ。
ただ、ボクが復活したことに、街の連中は誰も気づいていない様子だった。
ヤロウ共の多くは、ボクの死を嘆き喚いていたよ。
「せめて一発。せめて一発。アンデッド状態でもイイから、気持ちのイイことをさせてもらいたかったのにぃぃ!」
「できれば、ルカvs男性多数のプレイもしてみたかったぁぁ! アンデッド・ルカでもイイから」
「これからナニをオカズにすればイイんだぁぁ!」
「俺は、ルカをアンデッドでもイイから主食(性的な意味で)にしたかったのにぃぃ!」
ただ、嘆くベクトルが、徹底してエロ一色ってのも、何だかな……。
それも、アンデッド状態OKかよ!
ボクが胴体を真っ二つにされた直後、ボクの復活を見た時は、アンデッドか何かと勘違いして怖がっていたくせに!
それ以前に、
『なんで普通に悲しんでくれる輩が、一人もいないんだ?』
ってのもあるけど?
そんな中、ボクの気配を察知した者が、一人だけいた。
プルートだ。
彼は、ボクの方を振り返ると顔を強張らせていた。
「何故、お前が?」
しかし、ここでボクが、復活した経緯をイチイチ説明する必要はない。
そんな義理も無いしね。
それよりも、女神ピルバラナ様に言われた通り、ボクの頭の中に湧き上がって来た言葉を唱えるのみだ。
プルートから攻撃される前に……。
「セイクリッド・デキャピテーション!」
ただ、自分で言っていて、
『なんだコレ?』
って思った。
斬首刑に聖属性もヘッタクレも無いと思うんだけど?
とは言え、この魔法はマジで恐ろしい。
ボクが唱えた直後、プルートの右斜め上に光で出来た刃が発生したかと思うと、その刃が高速でプルートに襲い掛かり、彼の首を刎ねたんだ。
しかも、強制力が発動しているらしく、プルートは、その光の刃を避けることが出来なかった。
全身が硬直したかのように、その場から動くことが出来ず、そのまま、光の刃を受けて首を刎ねられたって感じだった。
ただ……、思ったんだけど……。
これって浄化じゃなくて、裁きじゃないか?
だから、ピルバラナ様は、
「倒す」
って言ったのか。
それにしても、ピルバラナ様は人間時代に、こんな最凶最悪で恐ろしい魔法を使っていたってことか。
たしかに、これなら、どんな魔獣でも一瞬で倒していたって言うのも納得ができるよ。
街の連中が、ボクの存在に気が付いた。
ただ、ヤツ等は、ボクの姿を見ると、ボクが魔剣オンスで胴体真っ二つにされた時と似たようなリアクションをしていたよ。
「あばばばばばば!」
「ルカ。頼むから成仏してくれ! 俺まで呪い殺さないでくれ!」
「間違って俺の首まで刎ねないでくれ!」
「なんまいだーなんまいだーなんまいだー!」
「恨みとか呪いとかは、勘弁してくれ!」
「アーンタンデッド! アーンタンデッド! って、なんか変だな。あっ!ターンアンデッドの間違いだ!」
「おいおい、それじゃ成仏できねえだろ! こっちに呪いが飛び火したら、どうすんだよ!」
「頼む、ルカ。素直にイってくれ!」
さっきまで、アンデッドOKみたいなことを言っていたくせに、この掌を返したような対応は何なんだよ!
しかも、もしかしてコイツ等、プルートがボクに呪い殺されたとか勘違いしてないか?
ただ、ジノンだけは違っていた。
驚いた表情をしていたけど、特に怖がった様子は無かった。
「ルカ。お帰り」
「ただいま」
「あの魔法、ラヤちゃんだね。あっ! ラヤちゃんって言うのは、女神ピルバラナのことで……」
「分かってる。ジノンも、全部思い出したんだね」
「まさか、前世が女性だったとは思わなかったけど……。あと、多分だけど、俺がココに転生する時にラヤちゃんが言っていた女性がルカだったってことか」
「えっ? ナニそれ?」
「アキ……アキって言うのは、俺の前世の恋人で……」
「それは、一応、知ってる」
「もしかして、ラヤちゃんとかパラスから聞いた?」
まさか、ステータス覗き見スキルで知っていたとは言えないな。
ここは、嘘も方便。
女神様から聞いたってことにしておこう。
「まあ……女神様から……」
「全く、ラヤちゃんは」
「ところで、パラスって?」
女神ピルバラナ様がラヤと呼ばれていたのは知っていたけど、パラスって誰?
話の流れからすると、天界にいるってことになるんだろうけど?
オートマタ・パラスと何か関係があるのかな?
「三級天使サクラのこと」
「えっ? そうなんだ!」
「前世で同じ島……ディスプロシ島出身で、前世では、俺と一緒にアキの店で働いていたんだ」
「そうだったんだ」
「あと、俺が転生する時に、ラヤちゃんは、俺がアキと同レベルの美女と出会えるように頑張ってみるって言っていたんだけど?」
「初耳だけど?」
「えっ?」
「えっ?」
それって、もしかしてボクがジノンに使用されることが前提で送り込まれたってこと?
さすがに男相手じゃ抵抗があるんだけど。
女性相手もトラウマあるから抵抗あるし。
そんなボクが、性処理人形として異世界TS転生するって、相当ブラックな気がしてならないんだけど?
でも、ヴァナディスちゃんが相手なら別かな?
飽くまでも、ジノンじゃなくてだけど…………。
❖ ❖ ❖
この頃、女神ピルバラナと三級天使サクラは、モニター画面で下界の様子を見ながら安堵の表情を見せていた。
「これで、一安心ですね。ただ、ピルバラナ様」
「何でしょう?」
「プルートの魂ってどうなるんです? もう少ししたらコッチに来ると思いますけど?」
「特に本人から希望する世界が無ければですが、アルビウム世界に転生してもらおうと思っています」
「地獄に落ちないんですか?」
「その件ですが、実は、地球の女神ラメラータ様もプルートの恨みの対象に入っていました。全ての努力をムダにされたのです。プルートからすれば当然でしょう。さすがに、ラメラータ様もプルートに悪いことをしたと思ったそうです。それで、今回は、彼の地球での罪を問わないこととしました」
「でも、多くの人に特殊五十億年ボタンを押させてますよ?」
いくら恨みを晴らすためとは言え、特殊五十億年ボタンは度を過ぎている。
たしかに女神側にも落ち度はあるだろうが、さすがにプルートを無罪とするのは甘過ぎないかとサクラは言いたかった。
「それにつきましては、女神権限で、ラメラータ様の手によって全て普通の五億年ボタンに置き換えられました。ですので、プルートを陥れた者達は、五億年間の記憶はリセットされますし、五億年経過後には、普通に地球人として続きの人生を送ることになります」
「それなら、まあ、問題無いですかね……」
「五億年ボタンは、地球の場合、その辺に普通に存在しますからね」
「それを知った時は、結構驚きましたよ」
「私もです」
実は、地球には五億年ボタンがアチコチにセットされているらしい。
五億年間の記憶は現世に戻る際に消去されるが、五億年間の苦しみは魂に刻まれる。
それによって、知らず知らずのうちに魂の修行が為されるのだ。
今まで何ともなかったのに、突然、とんでもない疲労が襲うことがあるだろう。
それは、疲労を感じる直前に五億年ボタンを押していたのかも知れない。
また、寝起きに異様な疲労を感じることがあるだろう。
その時は、もしかすると、寝ている間に、寝返った拍子とかに五億年ボタンを押していたのかも知れないのだ。
「じゃあ、プルートを陥れた連中は、魂の修行の一環で、たまたま五億年ボタンを押したってことに置き換えられるわけですね?」
「そうなります。あと、彼等への裁きは、ラメラータ様が直々に行なうそうです。それと、本来であれば堕天使サキュレント側に付いたことで、それ相当のペナルティがプルートには課せられますが、今回は聖属性魔法によって全て浄化されました。よって、トリフィオフィルム世界においても、彼に対するペナルティは有りません」
「それで、敢えて単なる首刎ね魔法じゃなくて、聖属性の首刎ね魔法をルカに与えたってことですか?」
「そう言うことです……」
「なんだかんだで優しいですよね、ラヤちゃんは」
こう言われて、珍しく女神ピルバラナは、少し照れた表情を見せる。
「ええと……別にそう言う訳では……。あっ! どうやらプルートの魂が来たようです」
「みたいですね。分かりました。連れてきます!」
サクラが両翼を広げ、女神の部屋から文字通り飛び出して行った。
人を呪わば穴二つと言う。
プルートは、恐らく地獄の最下層に落ちることを覚悟しているだろう。
そんな彼を優しく出迎えるため、この時、サクラは、営業スマイルを作っていた。
おまけ
ジノン「俺達の戦い(Hバトル)は、これからだ!(ルカ以外じゃ勃たねぇし)」
ルカ「(サキュレントの手下共との戦いは続くだろうし)まあ、そうだね」←Hバトルのつもり無し
ルカの話は、これで終了です。
長い間お付き合いいただきありがとうございました。
補足ですが、ルカもジノンも、サクラ=オートマタ・パラスであることに対しては、まだ確証を得ていません。
来週から、前作 大人のための動く等身大美少女フィギュアとして異世界転生したけど、多分使われ方が間違っています! を再開します。
そちらもよろしくお願い致します。
また、女神ピルバラナの話は、『中二男子が堕天使に召喚されて異世界にTS転移して破壊活動したけど、その後、女神様の手で別の異世界に転生したら聖女と呼ばれるようになりました(治癒魔法発動中!)』です。こちらもよろしくお願い致します。




