67.同士討ち?
「アナタに恨みは無いけど、神々の王サキュレントの右腕、海王神ネプチューンとしてアナタを倒します」
マチコは、ウラヌスと同じで、堕天使サキュレントに中二病のスイッチを押されていたようだ。
まさか、自ら海王神ネプチューンを名乗るとは。
正常な大脳構造をしていたら、普通は有り得ない妄想だと思う。
サキュレントから、どんな説明を受けたのか、是非、聞いてみたいくらいだ。
「なら、ボクはウラヌスやガイアと同様に、アナタを返り討ちにします」
「そうですか。ただ、出来ますかね? ファイヤーボール!」
さすが大賢者モード。
マチコの右手から、巨大な火炎球がボクに向けて放たれた。
ただ、海王神を名乗るなら、ファイヤーボールじゃなくて水系魔法にして欲しい気がするんだけど……。
「超高速稼働!」
これを、ボクは難なく避けた。
しかし、世の中、そんなに甘くなかった。
「ならば、こっちも超高速稼働!」
マチコも超高速稼働で動き出した。
基本的に彼女は、ボクが魔導士エロスによって与えられたのと同じ魔法が使える。
超高速稼働が使えて当然ってことだ。
しかも、そこに大賢者として使える魔法が追加されている。
戦闘能力としては、明らかにマチコの方が上だ。
「アイスランス!」
マチコが、ボクに氷の槍を放って来た。
超高速稼働状態から放たれてくる魔法攻撃は、従来とは違って、超高速で対象物……つまり、ボクへと迫り来る。
ただ、このアイスランスは先端が尖っていなくて……なんか、形が女性用の大人のオモチャみたいなんですけど?
アイスチ〇コの方が正しいんじゃない?
ボクは、このアイスランス(?)を紙一重で避けたけど、これでマチコの攻撃の手が止まるわけはない。
「ウィンドカッター!」
マチコは、さらなる攻撃魔法をボクに撃ち込んで来た。
これも、ボクは何とか紙一重で避ける。
そして、今度はコッチから攻撃を仕掛ける。
「イッケー!」
ボクの命令で、ボクの超フェロモン魔法と超高HPによって隷属と化した昆虫や小動物のオス達が、マチコ目掛けて一斉に襲いかかった。
「じゃあ、こっちも、イキなさい!」
対するマチコも、ボクと同様に昆虫や小動物のオス共を操り、それらをボクの隷属達と真正面から衝突させた。
完全な同士討ちだ。
ボクとマチコの間に、昆虫や小動物の動かなくなった身体が大量に転がる。
死んだわけじゃなくて、激しくぶつかった衝撃で気絶したみたいだけど。
続いてボクは、マチコに攻撃すべく魔法を放つ。
本来は、攻撃用の魔法じゃないけど、これを受けて戦いを続行できるような者は、基本的に無いはずだ。
「性感マッサージ魔法!」
通常の魔法攻撃であれば、大賢者モードのマチコなら、ファイヤーウォールとかアイスシールドとかで防ぐだろう。
しかし、この伝家の宝刀『性感マッサージ魔法』は、障害物によって遮られない。
それどころか、エロ系の存在であれば、これに抗うことは出来ないはずだ!
むしろ、望んで、この魔法を受けに来る。
『取説君:ルカ‐0721号は、高度な性感マッサージ技術を持っています。しかも、リモート機能を搭載しておりますので、ターゲットに触れずに性感マッサージを行うことが可能です』
『取説君:ルカ‐0721号の性感マッサージ魔法は、女性にも施術が可能です。これは女性の感度が上がることで男性が喜ぶことを想定しています。ルカ‐0721号の行為は、基本的に男性が喜べるかどうかが判断ポイントになります』
すると、負けじとマチコも、
「性感マッサージ魔法!」
ボクに同じ魔法を撃ち込んで来た。
相手をイカせる魔法……性感マッサージ魔法の同士討ち。
双方が、マトモにその攻撃を受けた。
全身に、電流が走り抜けるような衝撃…………的な快感……。
これには、ボクも超高速稼働を解除して、両手で股を押さえると、その場に座り込んでしまった。
下半身から身体中の体液が全て噴き出してしまいそうな感覚に襲われて、それに耐えるので精いっぱいだったんだ。
しかし、マチコは、ボクとは違っていた。
彼女も超高速稼働を解除していたけど、平然とした表情で、その場で立っていた。
ボクにとって、これは有り得ないことだった。
マチコも、ボクと同様に耐え切れない快感に襲われているはずなのに……。
「ど……どうして?」
「私ね。もう全然、感じなくなっちゃったのよ。子供達を育てるために身体を売って生活費を稼いでいたから。私にとってHは、天井のシミとかを数えているうちに終わる、タダの作業。気持ち良くもなんともない」
ボク自身も、地球時代には、三次元女性とのHに、本当の意味で気持ち良さは感じることは出来なかった。
あったのは、童貞を捨てられたと言う事実と、最初の相手がカワイイ系で顔立ちが整っていた巴だったこと。
ただ、行為自体は、当時のボクが想い描いていたモノとは程遠く、体毛の存在や臭いに嫌悪感すら湧き上がった。
結果的に、トラウマに近い状態になってしまった。
しかし、二次元を相手に(右手を使って)するようになり、気持ち良さを感じるようになった。
それから、この世界に来てからは、超フェロモン魔法の出力を下げるために、イヤだとは思いながらも、毎晩自家発電していた。
『取説君:ルカ‐0721号は、ヤラれるためだけの存在です。口ではイヤと言いながらも身体は正直です』
別に誰かにヤラれたわけじゃないけど……。
ただ、前世でも今世でも、三次元の人間を使わない方法で、性的快楽だけは脳も身体も覚えてしまった。
だから、性感マッサージ魔法に、強烈に反応してしまったんだろう。
『取説君:一度でもルカ‐0721号の性感マッサージ魔法を受けた者は、その快楽欲しさに自ら性感マッサージ魔法を受けに来る可能性があります。Hへの依存度が高ければ、その傾向は、より強くなります』
しかも、マチコの性感マッサージ魔法は、基本的にボクと同じ効力を持つ。
これはボクにとってピンチだ。
「性感マッサージ魔法!」
マチコが、再びボクに性感マッサージ魔法を放って来た。
普通であれば、この攻撃を避けようとする。
しかし、ボクの身体は、ボクの意思に逆らって性感マッサージ魔法を自ら受けに行く。
魔法直撃。
再び、ボクの全身に激しい快感が走り抜ける。
身に付けたボンテージファッションから、汗と……他のイヤラシイ分泌物が混ざった液体が地面に滴り落ちる。
「うあぁぁぁぁぁぁ……」
余りの気落ち良さに、脳みそが破裂しそうだ。
少なくとも正常な思考が保てない。
バカになる。
「派手にイっちゃって……。気持ち良く感じられるアナタが羨ましいわ」
そう言いながら、マチコはボクに、性感マッサージ魔法を放ち続ける。
さらなる刺激がボクの全身を襲う。
「い……イイ……」
全身……と言うか、股間から聖水と呼ばれる液体が激しく噴出する。
激しい快感に、悶えまくるボク……。
見た目は、二次元から飛び出て来たような美女だから、もし、ヤロウ共が今のボクのイキまくる姿を見たら、股間は激しく血流増加し、もはや、爆発寸前だろう。
見ているだけで暴発しちゃうヤツだっているかも知れない。
中身は35歳のおっさんだから、それを考えると萎えてしまうかもだけど……。
ただ、もし、マジでここにヤロウ共がいたら、マズイことになる。
性感マッサージ魔法のせいで、今やボクの頭も身体もエロに支配されている。
意思に逆らって、喜んでヤロウ共を受け入れて、一気にLv値を上げてしまうこと間違いないだろう。
『取説君:ステータス画面の表記の意味は、次の通りです。
Lv:Lover、即ち愛好者数を意味します。実質的には使用者数です』
『取説君:ルカ‐0721号は、100人乗っても大丈夫です!』
『取説君:ついでに、100人に乗っても大丈夫です!』
広い高原に、ボクとマチコの二人だけって言うのが、ここでは不幸中の幸いと言ったところだ。
「じゃあ、これで息の根を止めてあげる。ファイヤーランス!」
そう言うと、マチコは、ボクに向けて特大級のファイヤーランスを撃ち放って来た。
これで、一気に勝負をつける気だ。




