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【休載中】最強高校生は平穏な生活を望む  作者: ぽむむん
第4章 アメリカ本部
40/40

10000PV記念 SS パッピーバースデー!

この話は、本来なら受験前か受験後すぐに投稿しようと思っていたのですが、随分と遅れました。

季節感無いですが、読んでいただけると幸いです。

「ねえねえ、花梨は瞬一の誕生日プレゼント何にするの?」


下校中、唐突に話しかけるアリサは、どこかわくわくとしていた。


「うに?誕生日もうすぐ?」


瞬一の誕生日なんて知らなかった花梨は、上ずった声を出す。


「そうそう、12月3日。だから、土日はもう過ぎちゃったけど、今からどっか寄ってく?」


今日が12月1日なので、なかなかギリギリだ。

アリサの提案にのり、花梨は首肯を返す。


「どこが良いかな?雑貨屋さんとか見ても良いし、てか、そもそも男子って何が好きなのかな?」

「分からない。でも、そもそも女子からプレゼントもらえるだけで喜ぶと思う。」


確かに一般的な男子なら、よほど嫌いな女子から以外は、素直にプレゼントがもらえるだけで喜ぶだろう。

特に、亮太とか。剣誠は分からないが。


「確かに!でも瞬一って、あんまりセンス無いからね。服とかいつもジャージだし、制服は似合ってないし。」


本人がいないからと、いつも以上にディスられている瞬一。

どれも事実だと言うことを、本人も分かっているのだが。


「それでもカッコいいけど。」


花梨の頬に少し紅がさす。

その様子を見てアリサも同感したが、恋敵であって親友である花梨のことを考えると、なんとも言えないモヤモヤとした感情が出てくる。


「アリサは買ったの?」


主語が抜けているが、プレゼントはもう買ったの?という事だろう。


「それがねぇー、買ってないんだよねー。」


『趣味とか全然知らないし。』と呟き、ため息をつくアリサ。

瞬一との距離が一向に縮まらないのにやきもきしているのだろう。


「確かに、好みが分かんない。いつも何をしているっけ?」


うににと首をひねる花梨。

学校では、亮太などと話しているが、内容は女子には分からない。


「そう言えば、最近、アニメの第二クール?がなんとかって言っていた気が、」

「新刊の、ら、ラノベ?が発売されたとか言ってた。」


なんだそれは?と疑問顔の2人。

ゲームやアニメ、マンガもラノベも知らない2人には、理解しがたいことだった。


「季節的に考えると、防寒具よね。マフラーとか手袋とか。でも編めないからデザインで勝負しないと。」

「んん、編める。」


アリサは手編みのマフラーなど作ろうとさえしなかったが、どうやら花梨は、編むことが出来るらしい。


「えっ、花梨、裁縫得意なの?」

「うに。料理よりも裁縫。」


逆にアリサは、裁縫が少し苦手で、料理が得意だった。


「じゃあ、編み方教えてよ!2人で作ろう。」


勢いよく提案するアリサに押されつつも、『良いよ。』と返事をする花梨。

最初はどこかで適当にプレゼントを探すつもりが、いつの間にか作ることになっているのに誰も気付いていなかった。


(寒い。風邪ひいたのか?)


くしゃみを2回程した瞬一は、ポケットに手を突っ込む。


(だんだんと寒くなってきたしな。あ、てか、、、


「もうすぐで俺の誕生日じゃん。」


最近は、平穏という言葉に似つかない生活しか送っていなかったので、今さらながらに気付いたのだ。


「貯金はまだあるし、ゲーミングPCでも買うか?...でも、ラノベ買う金が無くなるし。でも、買ったら買ったでうまく扱えるか分からないし。」


1人で何やら思考する瞬一。

まぁ、家に帰っても1人だから、プレゼントも貰えず、ケーキもないため寂しいのだが。


◇ 花梨の家に到着

「うわぁ、綺麗というか豪華だね。」


手入れが行き届いた庭の花々を見て、感嘆するアリサ。

豪華さでは瞬一のマンションに1歩劣るが、1軒家である花梨の家もなかなかだった。


「ん。中に入って。」


入り口の門を開いて手招きしている花梨の声で、見とれていたアリサは意識を取り戻す。

ささっと白い鉄扉(てっぴ)をくぐり、もう歩き出している花梨を追いかけようとするが、扉を閉めていない事にアリサは気づく。


「花梨、扉っていうかこの門しめなくて良いの?」

「うな?」


アリサの質問に対して、花梨は『何を言っているの?』というように首をかしげた。


「え、だって、」


と言いかけたアリサは、後ろを振り向いて絶句する。


「動いている!?」


そう、何故か開いていた扉は、今にも閉まりそうな具合まで動いていた。


心霊現象(ポルターガイスト)?」

「んん、全自動(フルオート)。」


アリサの心配したような声に対して、花梨のは、当たり前みたいな反応だった。


(いや、入口の鉄扉から自動開閉なんてあり得ないでしょ。)


さすが花梨と言うべきか、花梨の家までハイテクで最先端を行っていた。


「ただいま。」


花梨がドアに向かってそう言うと、ドアノブが緑色に光り、カチャリと解錠される。


「もしかして、音声認証?」

「うに。」


もうアリサは何も言わなかった。


「どうぞ、両親は帰りが遅いから。」


花梨はすぐに入ってしまったので、アリサも慌てて入る。

もちろん、鍵は自動でカチャリと閉まった。


「....強盗が入って来る心配は無さそうね。」

「ん?」

「あ、いや、何でもない。」


(そもそも、強盗はここまで入れないか。)


「ん。てか、早くはいって。」


入り口で突っ立っているアリサに対して、花梨はもうリビングに入ろうとしていた。

アリサに関しては、花梨の家の設備を見ていただけなのだが。


「あ、ごめんゴメン。」


花梨の家は意外と普通の家庭っぽかった。まぁ、アリサの実家も豪邸なので普通の家庭といった価値観があまり正しくないのかもしれないが。


「かぎ針で私は手袋をつくるから、アリサはマフラーを作って。」


そういって花梨は、毛糸とかもろもろ入ったバスケットをアリサに渡した。


「作ってって言われても、作り方知らないし、そもそも作ったことも無いよ。」

「大丈夫、今から教える。」


花梨も自分のかぎ針と毛糸を手に取り、作り方の書かれた紙を開く。


「作り方は基本的にそっち見て。私は基礎を教える。」

「分かった。」


アリサもかぎ針と毛糸を持つ。


「まず、持ち方はこんな感じ。」


そう言いながら、かぎ針と毛糸を持って見せる。


「こう?」

「そう。」

「そうしたら、糸を掛けて、輪っかを作って。」

「うんうん。」



そうやって、2時間。紆余曲折、右往左往したさきに。


「出来た‼」

「…ん、うん。お疲れ様。」


アリサよりも40分くらい先に終わった花梨はソファーでうたた寝していた。


「じゃ、ラッピングして終わりだね。」


綺麗な袋の中に作品を入れ、リボンで口を縛る。

最後に英字が書かれた紙袋に全てしまった。


「明日、一緒に渡そうよ‼」


アリサが勢い良くそう言うと、花梨はクスッと笑って。


「いいよ。」


そう答えた。


◇ 誕生日当日

「瞬一、今日の放課後、ちょっと時間ちょーだい。」


今日?何かあったか?

蓋世の緊急集合か?いや、だったら俺に連絡が来るはず。


瞬一は、1日経っただけで、自分の誕生日を忘れていた。


「ああ、別に構わないぞ。」

「じゃあね~。」


何か予定あったかな~?

あ、やべ。アニマイト行って無い。


キーンコーンカーンコーン


「放課後空けとけって言われたけど、どうすれば良いんだ?」


人がある程度いなくなるまで、最近Web小説から書籍化したラノベを読む。

亮太はすぐに部活に行くので、この時間だけはラノベに没頭出来る。


「瞬一、今日はなんの日でしょう?」


意識を剣と魔法の世界に入り込んませていたのを、引き戻したのは花梨の声だった。


「どうした?今日って何かあったか?」


わけが分からないので、聞いてみる。


「やっぱり忘れている。」


後ろを見ると、呆れたような顔をしてこっちを見るアリサがいた。


「12月3日は、瞬一の誕生日でしょ。」


諭すような口調で、花梨が言った。


「あー!そう言えばそうだった。」


確かに忘れてた。アニマイトに行こうとしていたのは、誕生日だったからなのに、普通にド忘れしていた。

俺からすれば、誕生日だって普通の平日だし。


「そんなおバカさんに、プレゼントがあります。」


後ろに回した手を前に持ってきたアリサは、紙袋を握っていた。


「瞬一。」

「「誕生日おめでとう‼」」


「ありがとう。2人とも。」


紙袋を覗くと、毛糸で編まれたマフラーと手袋が個包装されていた。


「これ、編んだのか?」

「花梨に教わって作ったらの。」

「うに、大変だった。アリサを教えるのが。」


花梨からすれば、手袋を作るよりも、マフラーの編み方をアリサに教える方が大変だったらしい。


2人の美少女から誕生日プレゼントをもらうなど、他の男子からすればブーイングの嵐だが、あいにくと教室には3人しかいなかった。


「お前ら、本当にありがとう。」


瞬一の心の喪失感や虚無感が消し飛ばされた。



気づけば11000PVを超えていた。

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