第22話 悲愴
どうも、ぽむむんです。
4700PVいきました。
読者のみなさま、ありがとうございます。
なんか、最近は書いている途中に物語の中に自身が入ってしまっていて、金剛さんの所なんて、自分も悲しくさせられました。
「金剛さん‼」
倒れている金剛さんに走って向かう。
明らかに出血量が多すぎて、もう助からない事は見れば分かった。
「金剛さん、起きて。、、、クソッ止血剤じゃ意味がない。」
瞬一は、あれこれとしているが金剛さんは、もう脈はかすかに動いているだけで虫の息だった。
「グルァァァ。」
戦場では、敵は待ってくれない。紫色ドーピングの影響で苦しそうにしていたギルナが立ち直る。
「ガァッ。」
介抱している瞬一にナイフが迫る。相変わらず常人を超越した身体能力だった。
「チイッ。邪魔するなよ!」
金剛さんを抱えて走るが、傷も深く十分な間合いが取れなかった。
「グルァァァッ!」
金剛さんを後ろに置いて、迎え討つ。
しかし、あいつの体力は無尽蔵かよ。全然さっきと変わらねーじゃん。
「これでも食らいやがれ。衝撃勁」
策も無く突っ込んでくる敵に拳を食らわせる。
「グオッ。」
しかし、ギルナの体力は無尽蔵ではないようだ。先程は金剛さんの弾丸を避けたのに対して、今では瞬一の拳さえ避けきれなく、いや避けなくなっている。
「ぐぉぉぉ、、、、。」
決着はすぐに訪れた。
「グギャ、、ガッ、、グアァァァァァァァァア!」
ギルナが苦しそうに呻きはじめる。
段々とギルナの見た目は変貌していった。目は血走り、血管は浮き出ている。皮膚は乾燥しカサカサになっていた。
「ぐあっ。グギイィィ。」
苦しそうに胸を掻き毟りながら、倒れた。
「何だったんだ、こいつは。」
多分、紫色ドーピングの過剰摂取だったんだろう。
しかし、そんな事を考えている余裕はない。もう手遅れだと分かっているが、、、
「せめて、金剛さんをちゃんと連れて帰ろう。」
横たわった亡骸を前に、
「どうか、安らかに寂滅して下さい。勇猛な戦士に弔いを捧ぐ。」
静かに黙とうした。
◇
「すみません、金剛さんをお願いします。」
後続隊員に亡骸を丁重に渡して、研究室に向かう。
結実に関する手がかりが何かしらあるはずだ。
そう希望を持って、歩を速めた。
「多分居ないだろうけどな。」
研究室前の重い扉がゆっくりと開く。
その先に見えたのは、、、、
「何なんだ、これは、いったい?」
日本語的におかしい文法になるほど、瞬一は呆然とその光景を眺めていた。
大きな、直径20mくらいのガラスの円柱に、これまた大きな紫色の球体が入っていた。それは、どうやら天井高くまで伸びていて、円柱内はギルナを狂乱状態にさせたドーピングで満たされていた。
「いきなりこんなの来ても、全然わかんねぇぞ。」
ひとまず、何か資料でも無いのか?
そう思って円柱に近づいた。
「ルナ計画?」
円柱の下には、そう書かれてあった。
なんだルナって。ルナティックって事か?
しかし、資料等は見つからずもぬけの殻だった。
「まぁ、いいや。あとは後続隊員に任せよう。」
何か手がかりが出てくると良いけど。と、願いながら研究室から出た。
◇ 金剛さんのお通夜
ホール内には、哀傷した雰囲気が立ちこめていた。みんなの涙ぐむ音がひっそりとした空間に悲哀と共に滲んでいる。
自分の焼香の番が回ってくる。立ち上がって、棺に向かう。
エンゼルケアされた金剛さんの身体は、まるで敵の攻撃を受けてないかのように清潔で、綺麗だった。
(今までありがとうございます。蒼穹の彼方で、はたまた、輪廻転生して安らかにお過ごし下さい。)
そう念じて焼香を終える。
でも、やっぱり葬式は嫌いだ。両親の事を思い出してしまう。
沈んだ空気に同調して、気分も沈む。
やはり、この悲哀に悲痛に、哀傷に、哀悼に、哀惜に、哀切に、そして悲嘆に暮れたこの空間は好きじゃない。
何よりも、弱かった自分を思い出してしまう。
人間は悲痛に哀悼したからこそ、悲愴に振る舞なければいけない。
その方が、強くなれる。そして、何よりも亡くなった方への敬意をはらう事だから。
悲愴は、「悲しみで、心が痛むのに耐えて、勇気を出す様子。」って意味です。
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