お茶目な水天使
「お邪魔しまーす……ふぁあ」
フラフラとドアを開けて
そっと声をかけ、大あくび
あの子の隣で寝かせてもらおうかにゃ……
あっ!痛っ!!うあぁぁ!!!!
ふらつき、滑って
黒羽の寝ているベッドの横に顔面から突っ込み、
全身ごと打ち付けた
ううぅー。(痛ったぁ……目が覚めちゃったよ。ってあっ!起こしちゃう!!起こしちゃう!!……)
ん…………えと……ん?
あっ……起こしちゃった……?ご、ごめんなさい!
あ、いえ……ところであなたは……?
えっと、私はね、
「ガブリエルさん?寝てますか~?」
ん?少年?起きてるよ。
って、黒羽!!起きたんだね!!大丈夫か??
あ、はい。……大丈夫です。あのここは?
それにこの子は?
私はガブリエル。君は黒羽だっけ?よろしくお願いしますね。
ここはエルフの森だよ!
よろしく、お願いします。
エルフの森、ですか。
あの爆発の後に黒羽をここに運んで
助けてもらって、
それからミア様に連絡を取ったら、王様も無事だったみたいで。ほんとによかった……
そうなんですね。それならよかった。
ジーク、助けてくれてありがとうございます。
あの、その肩に刺さってる矢は大丈夫ですか!?
とにかく本当に無事でよかった。
あ、忘れてた……多分大丈夫!痛くはないから。
えぇ……
ねーねー黒羽。
ん?
これ飲んで。よいしょ!
これは……!?
ガブリエルの手から中に浮かぶ小さな泡のようなものがフワフワして黒羽の口元に寄っていく
私の魔法のひとつだよ。
飲めば少しは楽になると思う。
即効性はないけど、徐々に回復していくよ。
いただきます………おっとと………水、だね。
でもありがとうございますガブリエル。
それと二人ともこれを、
さっきと同じの泡が二つ出現し
二人の胸元に泡が寄っていった
これは?
これは服の汚れを落とす浄化魔法の泡だよ。
うお。すごい冷たい!
おっと、……よいしょ。
冷た!?(さっきの泡もそうだけど、私の反射能力は日常生活において不便だよね……)
二人の服はどんどん汚れが落ちてキレイになった
ありがとうございますガブリエルさん。
ありがとうガブリエルさん。
うーん、……
どうしました??
ガブリエルさん?
そのガブリエルさんって呼び方何か距離が遠い感じするよね?
と言いますと?
もっと愛着ある感じで呼んで欲しいなっていうか……
ニックネーム的なやつですね……
ジーク。何かありますか?
お、おれ!?
うーん……ガブリエル。ガブリエル……
……ガブリンはどうです?なんつって、
ふふっ。ガブリン?……まぁいいかな。
ていうか、あなたほどの存在をこんな感じの名前で呼ぶのはどうかと思うのですが……
そういえばガブリエルって
聞いたことあるような……
だからって別に敬意や敬語は求めてないし適当に絡んでもらって構わないよ!!
その方が君たちも楽でしょ?ね?
二人とも試しに私を呼んでみて!!
わ、わかった。ガブリン。
え、えと、ガ、ガブリン!
ちょっと固いね。まあそんな感じでよろしくね!
ジーク。黒羽。
「「は、はい」」
コンコンとドアを叩く音がして、
ジークがドアを開けると、ローガンが入ってきた
失礼する。……おお、起きたか!?
初めまして。私はこの森の長ローガンという。
よろしく!
はい。よろしくお願いします。
私は黒羽と申します。あの、助けていただきありがとうございます。
お礼ならここの医師に言うといい。
とにかく無事で何よりだ。それで体調のほうはどうだ?
はい。
まだ痛みますが、大丈夫です!
そうか。無茶はしないようにな!
はい。
ねーねー。ローガンさん。
そのザクロ王との連絡はどうなったの?
あ、はい。えっとですね、
まず、明日の正午に再び連絡をして、そこから
ザクロ王の作戦と我らの作戦の案を話し合い、
そこからよりいいものを選び、即座に実行しようと思ってます。
なるほど。実行するときは私も手伝わせてもらいますね。
はい、お願いします。
あっ、そうだ。ジーク君、これを返す。
どうもありがとう!
ザクロ王との連絡に使った携帯を返された
いえいえ!
(まさか、汚染事件のことがここまで大きくなるとは思わなかったな。
遅かれ早かれザクロ王との連絡はしていただろうが……)
ん?ガブリエ……ガブリン。どうしました?
顔色良くないですよ?
どこか体調でも悪くなったとか?
(ガブリン!?とはなんだ?まあいいか。)
それはまずい!大丈夫ですか?
うぅー……大丈夫。
えーとね、私……お腹空いたみたい。
はははっ。そういうことでしたか。
夕食まで少し時間があるので、しばらくお待ちいただくか、よろしければ町にある飲食店で食事するのはいかがですか?
でもここはエルフの種族以外は拒絶されるのでは?黒羽は大丈夫だと思うのですが、俺とガブリンは無理なんじゃ?
そうだね。私もここに来るのに手間がかかったし、その点はどうにかなるの?
(えへへ。二人ともガブリンて呼んでくれてる!!王様も堅苦しいし、呼んでもらおうかな。)
はい。その点に関しましては、私が同行し、そして城からも注意を呼び掛けるように伝えておくので大分安心かと思われます。
それなら大丈夫ね!
早速行きましょう!お腹空いて倒れそう……
そうですね。では少々お待ちください。
連絡するので。
……もしもし、私だ。
ローガンの携帯で城に連絡をし、即刻、街のエルフたちに伝えられ、驚く者や、興味を示す者、
が現れ、町はちょっとしたお祭り状態に
なり始める
その後、一階にいる医師を呼び、黒羽の容態を診てもらった
うん!これならすぐ治りそうね!
でも激しい運動はしちゃダメよ!
はい!
本当にありがとうございます。
ガブリンもありがとう!
えへへ!どういたしまして!!
それと少年。あの飲み薬が効いてきたみたいだから、
そろそろ肩に刺さった矢を取るわよ。
お願いします……
はい!これでよし!!
おお!?すぐ取れた!それに血も止まってる!?
ありがとうございます!!
行ってらっしゃい!!気を付けてね!
さて、
準備はいいかね?
「「「はい」」」
ん?なんだこれは!?今日は祭りじゃないぞ!?
外に出ると
町一帯は普段の神秘的な雰囲気を残しつつ、
夜でもないのに町の灯りがついていた
すごい!!あははっ!
ほんとに祭りみたいだ……
祭り……
普段はこんなことないのだが……
(大臣め……余計なことをしてくれたな……
まあいいか。)
さてと、何か食べたいものがあれば言ってくれ。
あのね。
私は野菜たくさんのカレーが食べたいな!
カレーですね。
二人は何かあるか?
私もカレーでお願いします。
俺もそれでお願いします。
じゃあ決まりだな。こちらだ。
「ローガン様。後ろの三人が客人ですか?」
「すげー!あの子背中に翼生えてるぞ!?」
「ほんとだ!」
「あのエルフの子も可愛いわねぇー」
「あっちの金髪の坊やも中々いいわねぇ。」
みんな!!安心してくれ。この三人は決して我らの害にはならん。だからよろしく頼む!!
ローガンの呼び掛けにより、三人への警戒はより薄れた
野菜中心の料理を扱うエルフの森唯一のレストランへと向かう
五分後
着いたぞ。ここだ。
大きい建物だー!
レストランかな?
そうだと思うよ!いいにおいするね!
「いらっしゃいませー!ローガン様。そしてお三方の皆様。」
「ご案内します。」
良くあるレストランのような席に座って
野菜カレーを四人分頼み、待つこと十分
さて、いただくとしようか!
「「「「いただきます」」」」
うん!!おいしぃ!!
美味しいですね!
ああ。ほんとに!!
お口にあってよかった!遠慮せずに食べてくれ。
私の奢りだからな。
「「はい」」
ガブリエルとジークは三杯おかわりし、
カレーを満喫した
す、すごい食べますね……
ふぅ。お腹いっぱい~
美味しかった!
「「「ごちそうさまでした」」」
満足していただけたようで良かった。
さて、これからどうするか……
君たちの寝床も確保しなければな。
そういえば!!……考えてなかったです。
そうですね……どうしましょう。
どこかあるのー?
はい。少しお待ちください。
どこか探しますので。
携帯を取り出し、探すこと五分
遠くの地方から来たエルフ達を宿泊させる
施設に、連絡して受け入れがされたため
そこに向かうことにした




