プロローグ
初投稿です。自分の好きな感じを詰め込んで楽しく書きました。
よかったら見てください。
東京渋谷区に住む女子高生 柳黒羽。
高校一年の16歳。温厚で礼儀正しい性格。
高校生活に慣れ始め、友達も狭いが深い関係。そんな日々を送っていた。
ある日の下校中、小学校からの親友 美佳といつも通り他愛のない話をしつつ、スクランブル交差点へと向かう。
信号は人口、交通量の多さから待ち時間が非常に長く、どの時間も人が多い。
美佳はふと、ある男の姿を見かける。
帽子を目深に被り、回りをキョロキョロ見回す動作。
するとこちらを警戒の目で凝視する。
とっさに目をそらす。どうしたの?と黒羽が問いかける。
耳打ちで(あの黒いパーカーを着た人怪しい)と
アイコンタクトで方向を示す。
黒羽が確認するが、そこにそれらしき姿はなく、心霊現象かのように驚く。なぜなら、美佳は嘘が大嫌いで何よりも怖いものは苦手だ。
――――そんな恐怖が襲う中、信号は変わり始める。
一斉に人々はそれぞれの目的地に向かう光景。それはいつも通りの光景だが、今日はちょっと違う感覚。
二人でできるだけ早く抜け出せるように最短ルートを目指す。
するとそこに先ほど見かけたパーカーの男が姿を現す。
(ギャァァーーーー)と美佳が叫ぶ。周りの人々は可笑しなやつだと見下した目で通りすぎていく。
恐怖のあまり足が震える黒羽。
パニック状態の美佳は見境なく、黒羽をパーカーの男の目の前に
押し出し、一人逃走する。
黒羽は言葉を出す間もなく、目の前の男の隠し持っていたサバイバルナイフで思い切り腹部を刺される。あまりの痛みに目は見開き、涙が溢れる。
その光景を目の当たりにした人々は一斉にその場から離れる。
街は一気に混乱状態。
通り魔は次のターゲットへと移る。
交差点の中心部に倒れこむ黒羽。どんどん体が冷たくなり、苦しく、意識が遠のく。両親に申し訳ない気持ち、そして美佳に裏切られたことへの憎悪を抱く。
そしてある声が黒羽の脳内に語りかける。
(もしもし、聞こえまぁすか~)と色気のある声だが軽めの口調。
あれ、頭可笑しくなったのかなと思いつつも冗談半分に応える。
(聞こえますよ)と
(もし、もう一度人生を送れるのなら送りたくなぁい?生きてみなぁい?)
疑問を抱いた黒羽は(天国ではなくもう一度?ですか?)と質問する。
(そうそう!どぉ?)
黒羽は(任せます。何でもいいです。)と不思議な脳内会話を終わらせる。
(りょうかぁい~)
――最後に聞いたのはこの言葉だった、
完全に意識がなくなり、目の前が真っ白になる……
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