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もう幾つ寝ると夏休み~♪
何となく歌ってみました。
それにしても3年もご両親に会ってないなんて!
これは益々、躾を強化しなくては(笑)
そうそう魔石の解析が進んで一つ面白い事が分かりました。
なんと!充電(?)式で100回まで対応って………
完全に前世の影響ですね。
知識の奥底に充電池は100回ってあるから(笑)
研究者の間で充電式ってなんだ?って論争があったとかなかったとか……
ジュール先生にこっそり教えて対応して貰いました。
魔力補充だから充電式は変だな~とは思ったんだけど、どうやら補充出来るのは雷系の魔力みたい。
こんな所で前世の知識が変に作用するとは思わなかった(・・;)
そうなると誰でも使用可能になるのは難しいかな?
まぁその辺は研究者さん達に丸投げって事でホノカ知らない(笑)
えっ?無責任?
なにそれ何処の冷やし中華?
何故に冷やし中華なのかは不明です(笑)
「ホノカ。次の授業は剣術だからいつもの様に先生の所に行く?」
〔………ジュール先生は今日は研究室に行くって言われてるの忘れてない?〕
「あ、あれ?今日だったけ?」
忘れん坊さんなんだから……
「えっとじゃあ……」
〔たまには側で見ていてあげる。剣術は知らないから助言は出来ないけどね〕
「助言なんて無くてもホノカがいるってだけでヤル気が出るよ!」
いやいや!それは恋人に言いなさい!!
育て方もとい躾方、間違えたかしら?
そして何故に桶ならぬバケツと山盛りのタオルを用意しているの?
「授業終わったらモフるから」
うむ。キラキラした笑顔で答えられてしまった。
つまり私をモフりたいからお湯を用意しろということだね?
それは分かったけど山盛りのタオルは?
疑問に思いながら見ていたらバケツの底にタオルを詰めて魔法でバケツに水を満たしだした。
魔法の使い方はそれで良いのか?
タオルを敷いてる分、底上げになるから水は少なくてすむ。
えーっと………
「これだけ底上げすれば溺れないよね?」
成る程、私が溺れないための対策か。
それなら桶で十分じゃないって思うけど、まあいいや。
万が一にも溺れたりしない様に魔力で浮力を補うから大丈夫よ。
水鳥よりも華麗に泳いでみせるから( ̄ー+ ̄)
授業が始まると普段はポヤポヤしてるリアンも真剣な顔になる。
剣を持っていてもポヤポヤしてたらお仕置きするところです。
皆が真剣に授業している端で私はバケツの中で水遊び。
カンとかキンとかいう金属の音に混じってパチャパチャ、びちゃびちゃ。
うむ。違和感半端ない(笑)
温度はどうかな?
時折、潜ってタオルの温度を確かめる。
うむ。適温である。
そんな事してたらいつの間にか授業終わってました。
あ、見てなかった(笑)
「ホノカ!」
早速、モフりにきた飼い主にバケツの底から咥えてきたタオルを差し出す。
「ありがとう」
受け取ったリアンは濡れたタオルを軽く絞ってから顔、手、腕と拭いていく。
まさかと思うけどリアン脱がないよね?
授業には女生徒も参加してるんだから、脱がないよね?!
私の視線に気づいたのかシャツに手をかけたリアンは首筋を拭いて誤魔化した。
まあ及第点ってところかな?
「随分と念入りに汗を拭くんだな?」
声をかけてきたのはディルク先輩。
剣術の授業は同格の腕前同士で組んで本番さながらの訓練を行うから先輩後輩入り乱れてる。
実力主義だから年下の癖にといったような蔑みはない。
悔しかったら腕磨けの世界です。
実力主義万々歳ですね♪
「ピヨ!」
「お?ホノカ居たのか!って事は……」
うむ。ようやっと山盛りタオルの意味というか意図が分かった。
私はバケツの底からタオルを一枚咥えて戻ると先輩に差し出した。
「おお♪これこれホノカ様々だな」
うむ。もっと褒め称えるがよい(笑)
先輩の行動を切っ掛けに我も我もと人が集まってくる。
あら?よく見たら皆さん朝練のお仲間さん達じゃありませんか!
益々、納得。
最近、朝練の時には私の水遊び定番になってるから(笑)
バケツの中に手を伸ばしてくる不埒者には嘴でズン攻撃して威嚇する。
汗ばんだ手を突っ込むんじゃない!
「ビヨビヨ!」
「なんだよ!ホノカ痛いじゃないか!」
「カイ…君、前も同じ事でホノカに攻撃されてるのに……」
学習能力ないの?!
他の子達はちゃんと順番待ちしてるのに!!!
私がバケツの底からタオルを咥えてくるのを待っている子達を優先していたらカイがいじけた。
飼い主以外はアウトオブ眼中です。知らんぷりしちゃいます。
そうして最後のタオルを渡した人物は朝練では見かけない顔でした。
それもそのはず。
朝練は男子寮だけでやっているけど授業は男女混合。
男子達の行動を不振に思った女生徒の一人が勇敢にも並んでいたのです!
まあ別に渡す人を言明されてる訳じゃないし、ちゃんと並んで待っていた良い子にはご褒美あげないとね(笑)
最後のタオルだったからカイが恨めしそうに睨んでたけど、そんな小さな事で怒るなんて小物臭漂いまくりだよカイ!
それに女の子には優しくしとかないと後でどんな怨み買うか!
おお恐い恐い((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
なんちゃって(笑)
いや冗談半分に言ったんだけどマジで恐い事になりました(・・;)
まあ考えてみれば汗の臭いとか男の子より女の子の方が気にするのは当たり前で。
タオルを手にした女の子は男子寮で最早定番と化していた私の水遊びの恩恵に憤り、他の女生徒も理由を知って激怒!
リアンは私の召喚主だから仕方がないとしても依怙贔屓だなんだと非難の嵐。
男子生徒たじたじ。
剣術の先生まで巻き込んであわやという時にリアンが空間転移で大量のタオルを出現させてバケツに突っ込むもんだから私は危うくバケツから転がり出る所でした。
もお!リアンたら乱暴なんだから(笑)
こんな事も有ろうかと想定して予めタオル用意してたらしいけどね。
それならはじめから女生徒にも渡していればこんな騒ぎにならずにすんだのにって怒ったら、女性にいきなり濡れタオル渡す方が失礼なんじゃないかって正論が!
成長したわねリアン。
思わず嬉し泣きしたら今度、じっくり話し合おうねってベタフラッシュ背負ったリアンに微笑みながら言われてちょっとやり過ぎたかなと反省しました。
後悔はしてません(笑)
それから剣術の授業には私の出席?が義務づけされました。
理由は言わずと知れた水遊びです。
タオルの量も増えてバケツでも足りなくなってきてバスタブまでいきそうな勢いに私がキレました。
幸い学園はもうすぐ夏休みに入るから少しぐらい改装してもいいんじゃねえ?
学園長に直談判してシャワールームを男女別々に10室。
造って欲しいとお願いしました。
金は出す!
使い道の決まっていない褒賞金を差し出す事に勿論リアンも大賛成。
なにせ話を聞いた他のクラスでも私の水遊びを要求され出した事でホノカは僕の召喚獣だ!!と怒り、封印具にヒビが入ったとか……
昔に比べれば格段に制御出来るようにはなっているとはいえ、それでも封印具をつけていないと生活がままならないほど高魔力なリアン。
怒りに任せて封印具が壊れたら何が起こるか予想なんて出来ない。
私からシャワールームを資金援助付きで打診された学園長は互いの為になるということで即決許可をくれました。
工事業者とのやり取りやシャワールームの設計に関してはいつもの如くジュール先生に丸投げされました(笑)
学園長も頼りにするジュール先生は何気に苦労人です。
同情しますが金はやらん( ̄ー+ ̄)
こうしてようやく私の水遊び事件(?)は収拾を向かえました。
あ、余談ですが。
懸命な読者の皆様にはお分かりかと思いますが案の定、シャワールームの件で褒章されました(笑)
ついでに商品化もされた事で商業ギルドに開発者として登録され、シャワールーム設置毎に一定の金額が入金される事になりました。
えっと商標登録?
おかげで使ったお金が全額どころかプラスαで戻ってきてしまいリアンがまた懲りもせず金の桶を買うと言い出しそうだったので、どうせなら金の足輪を買ってくれと冗談で言ったらミスリル銀の足輪をプレゼントされました(・・;)
金だと体の熱で熔けてしまうかもしれないのでミスリル銀に付加術を施して作ったとかで、やっとホノカにお返しのプレゼントが出来たって満面の笑顔で言われたら断れない。
まあ私も女の子ですから光り物は好きですしね(笑)
お礼にピヨピヨソング単にピヨピヨ鳴いてるだけとも言いますが(笑)をご披露したら、なんかリアンの足元に見慣れない魔法陣が!!
ヤバ!なんかやった?!
リアンが持っている解析によるとどうやら防御の魔法だったみたい。
それも半端なく強力な自分の周囲を膜の様なもので覆ってしまうという今まで開発された事のない魔法。
ピヨピヨ鳴く事で発現するので魔法陣の解析出来ても誰にも詠唱出来ない(笑)
適当に強弱付けて鳴いただけなのにビックリ!
ステータスにはピヨピヨソング(防御)で記載されてたそうです………
ピヨピヨソング………
うっかり心の中で冗談も言えないなんて!
まあそれはさておき。
(防御)って事は他もある?
是非とも(反射)とか(増幅)なんか欲しいですね♪
今後も適当に鳴きます(笑)