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待ちに待った夏休み一日目♪


やっとリアンのご両親に会いに行けます♪


もっともリアンの故郷は学園から馬で10日もかかるとか……


今回、夏休み中にシャワールームの工事をする関係で特別に夏休み期間が50日あるから問題ないといえるけど遠いわ。


所でリアンって馬に乗れるのって聞いたら乗れるし馬車も操れるってお返事いただきました。

うんごめん。冒険者目指してる人なんだからそれぐらい出来て当たり前だよね(笑)


私が不死鳥の雛じゃなくて大鷲とかだったら背中に乗せて飛べるのに残念だったねって言ったらホノカは雛だから良いんだ!と拳握りしめて言われた。

どんだけ?(笑)


いつもの様に頭にいると馬を走らせた時に落とすといけないからって小さな籠を作ってもらって馬の鞍に付けて私はそこに鎮座。

もちろん安全の為に蓋付きです。

周り見えないのはつまらないだろうって覗き穴って言うのかな( ̄▽ ̄;)

顔だけ出す穴も付いてます(笑)


籠の中にはクッションの代わりに藁が敷き詰められていたので、鳥としての本能に従いせっせと巣作りしてたら、それは雄の仕事だろ?って言われて赤面しちゃったけど、体毛が真っ赤だから誰にも気付かれませんでした(笑)


あとは動いてから微調整すれば良いやって所まで整えたらちょうどリアンも準備が出来たみたいで籠から出されてモフられた。

おい!


「それじゃ師匠。行ってきます」

「うむ。ご両親によろしくな。ホノカ。リアンを頼んだぞ」

〔任せて!〕

「師匠まで………」


僕はそんなに頼りないのかなって小声で呟くリアンに頼りないんじゃなくて敵前(笑)逃亡しない様に頼まれただけとは言えなくて黙ってモフられてあげた。


ようやっと落ち着いたリアンが私を名残惜しそうに籠に戻してきちんと蓋を閉めるのを確認して覗き穴から顔を出すとジュール先生もお見送りに来てました。


「行ってきます」

〔お土産話を楽しみにしててね♪行ってきま~す〕


籠の中で手を振っても見えないけど行ってきますとワンセットの行為なんでついつい振ってしまう(笑)


学園は王都の南端にあるので反対側の北門を目指すんだけど、どうせなら冒険者登録してから行きなさいって学園長に言われて紹介状貰ったので王都中央にある冒険者ギルドに向かいます。


冒険者ギルドか~♪

学園以外の場所って行ったことないから楽しみ♪


嬉しくて楽しくてピヨピヨ鳴いてたらまたもや魔法陣出現。

今度はなにやったの私?(笑)


〔えっと……リアン?〕

「余程、出かけるのが楽しみだったんだね。ピヨピヨソング(祝福)だって」


笑いながらリアンが教えてくれた内容によるとこの祝福は従来の物より強力で、戦闘中に歌えば攻撃・防御・敏捷に中補整しかもパーティ組んでる全員に!

アンデッド系にもダメージが入るだけでなく物理攻撃無効のアンデッド系にも物理攻撃有効になるように武器に付加術が架かる。


さらに通常の時には運が上がるから敵からの不意討ち防止(魔法・物理両方)に、万一毒・マヒとか誘惑なんかの精神攻撃も無効にしちゃう。


さらにさらに通常・戦闘中に関係なく治癒と状態異常回復に解呪まで!

どんだけ~(・・;)


効果時間は解析では分からないから調べないとねって、さっきまで少し強張っていたリアンの表情が穏やかな笑顔になったから良しとしましょう♪


3年ぶりのご対面に今から緊張してたら道中もたないよ。


いつもなら頭の上にいて直に触ってるから癒し効果発動されるけど(ただしリアンに対してのみ)籠の中からだと効果薄いみたい。

仕方がないからピヨピヨ鳴いて励ましてあげるよ。

念話だと気が散るかもしれないけどピヨピヨ鳴くのは独り言みたいなもので意味のある事は言ってないって伝えてあるし、また新しいピヨピヨソングが発動するかもしれないしね(笑)


街の中ではさすがに祝福する必要もないから効果が切れたらしばしダンマリ。


もっとも念話でお喋りしてるけどね(笑)

街の中ぐらいなら大丈夫だよってリアンから話しかけてきたから目につく物、片っ端から質問攻めにしちゃいました。

後悔はしてません聞いて良いって言ったもん♪(笑)


美味しそうな果物に何処からか漂ってくる甘い匂いにヨダレが!


〔ジュル〕

「食べる?甘くて美味しいよ」


屋台で切り売りされていた見覚えのある赤い果肉の果物をリアンが買ってきて私を籠から出してくれた。

めったに使わない私専用のお皿に盛られた果肉にかぶりつくとたっぷりの汁気に夏ならではの味♪


〔西瓜だ♪甘い美味しい♪〕

「ホノカ。スイカ知ってるんだ」


あ?


「あげたの初めてだよね?」


えっと……


「やっぱり不死鳥だから色々知ってるんだね?凄いな~」


私的にはリアンのその変な所で前向きな思考が凄いと思う(笑)


〔私が前にいた世界にも同じ果物があったんだよ〕


召喚獣は別世界の生き物って認識だし、不死鳥はいろんな世界を行き来出来るって言われてるからこれぐらいは問題ないでしょ。

さすがに元人間って暴露する気はないけど!


「へぇ~。名称も同じなんだ?」

〔?ああ西瓜〕

「そう水果」


うん?なんか今、言葉のニュアンスが違った様な……


〔えっとスイカって……〕

「伝説によると食の神。今は料理神って言われてるミルディア様が作った水分を多く含んだ果実。だから水果」


うん氷菓みたいなノリだな?

それにしても料理神ね……

そういえば私一応、神獣なのにこの世界の神様って知らないや(笑)


まあその辺は獣だからって事で誤魔化そう(笑)


それにしても久し振りのスイカは美味しかったです♪


再び籠の中に戻されてしばらくしたら冒険者ギルドに到着しました。


馬を専用の係員さんに預けて割符を貰いもちろん私は定位置に陣取ってます(笑)

扉を開けると結構な人数で賑わってました。


筋肉ムキムキのお兄さんからボンキュッボンのお姉さんが一斉に入ってきたリアンに注目!


見慣れない顔に警戒してるのか?はたまた実力値踏みされているのか?

視線の意味は分からないけどお世辞にも好意的とは言いづらい。

万一に備えてピヨピヨソング(防御)を発動しておく。


何度か使ってるうちに魔法陣出現させずに効果のみ発動させることが出来る様になっているのでリアン以外にはバレない。

ただ無詠唱は無理みたいでどうしてもピヨピヨ鳴かないといけないんだけど、雛がピヨピヨ鳴くのは当たり前だからそこは問題なし。目立つけどね(笑)


私がピヨピヨ鳴くまで誰も私に気づかなかったみたいで突然の鳴き声に驚くばかり。


まあそうだよね。

リアンの髪と私の体毛は同色だし私も気付かれないようにわざと埋もれているから初見で見破る人なんていないんじゃないかな?


周りの反応とか視線にお構いもせずリアンは奥にあるカウンターに堂々と進んでいく。


ヘタレだけど度胸だけはあるんだよね(笑)


まあヘタレなのは過去の暴走によるトラウマからだったから最近、克服しつつあるリアンは本来の性質(勇者で魔王)が表面に出てきているらしいって学園長が言ってた。

ヘタレなせいで分からなかったけどイケメンオーラと言うかカリスマオーラ全開のリアンには誰も何も言えないみたい。


カウンターに着くなり紹介状を出したリアンをうっとり見つめていた係員のお姉さんは、慌てて事務処理をはじめた。


うむ。どうやら私の飼い主は魅了の補整持ちらしい(笑)


あれ?紹介状を読み出した係員のお姉さんの顔色がどんどん真っ青になっていく……

特殊メイクですか?(笑)


「しょ、少々お待ちください!」


係員のお姉さんは慌てて奥に走って行く。

学園長……紹介状になんて書いたの?

頭の上にいるからリアンの顔は見えないけど気配というか気分がどんどん殺気だっていくのが分かる。

このままだとヤバイ!


〔リアン落ち着いて〕


私は頭から飛び立ってリアンの顔面に張り付いた。


「ホノカ?」


リアンは私のやりたい事を察してくれて落ちない様に片手で抑えてくれた。


スリスリ。


「くすぐったいよホノカ(笑)」


顔面を頬擦りするとみるみるリアンの気持ちが落ち着いていく。

私の癒し効果は絶大だ(笑)


しばらくすると係員のお姉さんが別のお姉さんを連れて戻ってきた。

あ!眼鏡してる。

この世界にも眼鏡あるんだ!初めて見たよ。

髪をひっつめにして眼鏡かけたお姉さんは一見キツそうに見えるけど、眼鏡の奥の瞳はとっても優しそうというか慈愛に満ちている。

うん。好い人♪


私はリアンの手から飛び立って眼鏡のお姉さんの元へ飛んでいく。

いまだにウッ○ストッ○飛びなのはご愛嬌です(笑)


「あら?まぁ可愛らしい小鳥さん」


眼鏡のお姉さんは両手で包む様に私を迎えてくれた。

リアンと同じ。

やっぱり好い人♪


「ピヨピヨ」


眼鏡のお姉さんの手の中で鳴いたらまたぞろリアンの気配が殺気だっていくのが分かった。


「あなたがホノカで君がリアンね?」

「……はい」

「紹介状は読ませてもらったわ。登録は奥でするので一緒に来てもらえるかしら?」


眼鏡のお姉さんは私をリアンに返しながらカウンターの出入口を開けて奥へ誘ってくる。


「分かりました」


まだ少し殺気だっているけどリアンは大人しく眼鏡のお姉さんの指示に従う。


「浮気者」


私の事?!

ボソッと呟いた声にビックリ仰天!!

ムカつく!

定位置に戻っていた私はズンと嘴でリアンの頭を突っついた。


「痛い!何するんだよホノカ!」

〔私の事を疑った罰よ!甘んじて受けなさい!!〕

「……本当の事じゃないか……」

〔初対面だからご挨拶しただけで浮気者はないでしょうが!あのお姉さんはこのギルドのマスターさんなんだよ。第一印象は大事でしょ!!〕

「えっ!ギルドマスター?!」

「あら。知ってたの?そうよ私はこのギルドのマスターでサティラというの。よろしくね」


リアンの声に振り返った眼鏡のお姉さんはニッコリ微笑み名乗りをあげた。


「あ、その……リアンです。彼女は僕の召喚獣でホノカです」


紹介状に書いてあってすでに承知しているとはいえやっぱり自分の口からご挨拶しなくちゃね。

社会人なんだから(笑)


「詳しい話は部屋の中で。ミリオンお茶とお菓子を」

「直ぐにご用意しますマスター」


開け放たれた部屋の中にはウサギ耳のお姉さんが!

可愛い♪お耳モフってみたいです♪


「さあ座って。まずはこちらの書類に必要事項の記入を。それがすんだらギルドカード発行の手続きをするから水晶に魔力を軽く流してもらえる?ホノカもね」


淀みなく言われてはぁと間抜けな返事を返していたリアン。

いや待て飼い主!最後の一言が気にならないのか?!


〔なんで私まで?〕

「ん?………ああ!そうだ。なんでホノカの魔力まで?」

「君のパートナーとして登録するように紹介状に書いてあったからなんだけど……それか使役獣として登録しないと、たとえ雛でも連れて歩くのはご法度よ?学園の中では問題なくても世間一般の人には召喚獣と魔獣の区別がつかないからね」


成る程。納得です。

ではお先に。


リアンが書類を書いてる間に登録しちゃえとばかりに水晶に飛び乗って鎮座。

あれ?魔力軽く流すってどうやるの??


「ホノカ。ピヨピヨソング」


へっ?

リアンの顔見るとうんうんって頷かれた。

う~ん……なんかよく分かんないけど鳴けばいいの?


「ピヨピヨ」


一応、ピヨピヨソング(祝福)を意識して鳴いてみる。

あ!水晶が光った。

ついでにさっきと違う魔法陣が出てるんだけど(笑)


「……ピヨピヨソング(混乱)……」


うむ。どうやら私がテンパってるのがバレバレらしい(笑)


幸いにも今回のは戦闘中のみ効果を発揮するものだったので不発となった。

危なかった!

にしても祝福するつもりが混乱って……

私どんだけテンパってたのよ(笑)


「ご苦労様。ホノカの登録は無事に終了したわ。カードの発行は無理だけど足輪に登録したから何かあったらギルドの水晶で身分証明出来るわよ」


召喚獣の身分証明する事ってあるのかな?


ああ!魔獣に間違われた時とか?


「それにしても本当に頭のいい子ね。念話も出来るって紹介状に書いてあったけど……」


学園長。マジどこまで書いたの?


「僕のホノカは優秀なんです」


そしてそこ!

自慢気に語るな!照れるな!私が照れるわ!!

体毛でバレないけどな(笑)


「……君も紹介状に書いてあった通りみたいだね(笑)」


すいませんがサティラさん。ぜひとも紹介状を読ませてください!

場合によっては学園長を放課後校舎裏に呼び出しますから(笑)


「書けました」

「ご苦労様……書類は問題なしね。魔力の登録も大丈夫。所で君のその腕輪は……」

「封印具です。人より魔力が多くて」

「製作者はライルレイン魔法師?」

「はい。僕の師匠でもあります」

「そう。通りで」

「それが何か?」

「その封印具ギルド証が刻印出来る様になっているのよ。カードで発行してもいいけど、無くすと色々ペナルティがあるし何よりホノカのギルド証とリンクしてるから他人に拾われ悪用されると「封印具に刻印してください!」……そうね」


話に被ってまで即答ですか!

さすがは私、命の飼い主だ(笑)


封印具に刻印ってどうやるのかなって見てたらサティラさんが水晶を軽く撫でて……はい終了!


早!!

私の時も同じ事してたんだけど見ててもきっと分からなかったろうなってぐらいチョッパやでした(笑)


「これで手続きは終了よ」

「ありがとうございます」

「ピヨピヨ」


リアンと一緒になって頭を下げるとサティラさんとミリオンさんが悶えるのが分かった。

顔は普通だけど、雰囲気というか気配?で分かるのよね(笑)


「どうぞ」


ミリオンさんが出してくれたお茶に多少は緊張してたのかリアンが手を伸ばす。

私は出されたお菓子が食べたくてリアンにおねだり。


〔リアン。お菓子をちょうだい〕

「ああ。ごめんごめん。これでいい?」


リアンは直ぐに私専用のお皿を出してお菓子を小さく砕いてくれた。

このお菓子見た目はクッキーなんだけど味はどうかな?


ツンツン。


うん。味もクッキーでした♪

プレーンなバタークッキー。

塩味濃い目です。

もしかして砂糖と塩間違えた?ってぐらいにしょっぱいんだけど(笑)


〔リアン。私にも飲み物ちょうだい〕


うん。しょっぱすぎて喉が渇いた。


「お茶飲んでみる?」


リアンは飲み水用の深いお皿を出して自分が飲んでたお茶を少し注いで魔法で冷ましてくれた。


毎度、思うんだけど魔法の使い方はそれでいいのか?


リアンにとっては魔法=生活の知恵になってるっぽい(笑)


まあ確かに便利だけどさ(笑)


「お水か果実をお持ちしましょうか?」


お茶を飲む私を見てミリオンさんがリアンに聞いてくる。

そっか普通、鳥はお茶飲まないよね(笑)


「大丈夫です。ホノカは雑食ですから」


はい。あんまり食べないけど肉も魚もなんでも美味しくいただきます。

初めて食べた時はリアンが心配してオロオロしてたのは内緒です(笑)


「そうなんですか。ではお代わりはいかがですか?」

「では、お茶を頂けますか?」

「はい」


お茶のお代わりを頂きながらギルドの規約説明をざっとサティラさんから聞いていく。


ふむふむ。

ランクは一番上がSSSで一番下がG。

SSS・SS・Sが難易度激高で殆どいない。学園長はSSだって!マジっすか?

次いでA・B・Cが難易度高目だけどそこそこの人数はいる。

D・Eは一般冒険者って言われてるって……

一般冒険者って何?

F・Gはなんちゃって冒険者って……サティラさんふざけてる?


真面目なお話でした。

正確にはF・Gは初心者なんだけど、中には憧れ拗らせた人もいてようは冒険者カッコいい!だからなってみた俺ってカッコいい!!って人の事を指してなんちゃって冒険者って言うらしい。

誰がネーミングしたのよ?!

このなんちゃって冒険者は他に職業っていうのか肩書き?持っている人が二次職でなる事が多いから貴族の子供とかもいるので気をつけてねって……


貴族なら体面気にしてもっと上位ランクになるのでは?


サティラさんの回答は金でランクは買えません。


分かりやすいお答えをありがとうございます。


大抵の人はAランク止まりでSになるのは腕前もだけど運も必要とか。

こなす依頼毎にポイントがあってそのポイントを貯めてギルドに貢献し、尚且つ世間様にも認められる技量の持ち主だけがS以上になれると。

ふむ。予想以上に大変だ。

まあなんとかなるでしょ♪果報は寝て待てって言うしね。

あれ?使いどころ間違ってる??


「他の細かい規約はギルド証に封じ込めてあるから暇な時にでも目を通しておくように」


ほほお!ギルド証には身分証明の他に依頼内容の登録と確認、討伐部位の検索!最寄りのギルドに連絡する簡易的な遠話機能、それに規約が組み込まれているんだって!!

討伐部位の検索には驚いた。

ググれちゃうんですか?

遠話機能もあるあたりスマホですか?


便利な世の中だ(笑)


そうそうリアンのランクは紹介者がライルレイン魔法師(一般には学園長って肩書きよりこっちの方が有名)で、魔法師の直弟子だからと言うことでDランクからスタート。


むしろDランクじゃないと他の町に行く為の許可が下りない。

他の町に行く護衛依頼が最低でもDランクからだからっていうのと、あんまりランク低い内に無理されて後身が育たないのも困るからって理由なんだって。


冒険者は基本自由だけど、いざというときには己のプライドとギルドの信頼をかけて戦って貰うから、それまで色々ギルドが支援をしてくれる。

ギルドの信頼=ランクって訳だね。


今回は帰郷が大前提だから受けた場所でしか完了報告が出来ない討伐依頼は受けられないけど、護衛なら行く方向によっては受けられるし採取ならどこでも大抵は依頼が出てるから、目についた薬草とか適当に採取して次のギルドで提出するだけでも少しはポイントが稼げる。


本格的にランク上げるのは卒業後だねってリアンと話し合った所でサティラさんから特別依頼が!


「ここから北へ向かうのよね?申し訳ないけどこの依頼を受けて欲しいの」


差し出された依頼書を読んでいくとちょうどここから馬で北へ5日ほどいった所にある村が、魔物の進撃で物資を必要としているとの事。

魔物じたいは騎士団が壊滅させたから問題ないけど、騎士団が来る前に村を守っていた人達に怪我人が出てるので薬と、畑を潰されたせいで食料が乏しいので食料を中心に物資を運んで欲しいというもの。


幸いリアンは全属性魔法が使えるから際限なしの入れたら時間まで止まっちゃうトンでも空間収納魔法(笑)が使えるので物資運搬なんか朝飯前。

現に今も着替えとか道中の食料とか全部、そのトンでも空間に収納してるから手ぶらです。

リアンの持ち物は私だけ。あ、あと馬もか(笑)


「わかりました。物資はどちらに?」

「ありがとう案内するわ」


サティラさんは手早く依頼をリアンの封印具に登録すると率先して歩き出す。

慌てて私を抱いて追いかけるリアン。


うむ。行動派なお姉さんだ。


運ぶ物資はギルドの裏手に山のように積んでありました。

なんでも商人ギルドのマスターがその村の出身とかで依頼もそのマスターさんから出てるんだって。

出発前に商人ギルドに寄ってほしいとも言われてるからよろしくねってニッコリ微笑まれた。

サティラさん肩の荷が下りて清々したって顔してます。


リアンはちゃちゃっと物資をトンでも空間に収納するとサティラさんにお茶とお菓子のお礼を言って馬を受けとり今度は商人ギルドに。


お出掛け前の用事が多いな。


商人ギルドでもお茶とお菓子を頂きながらギルド登録。


なんで?って思ったら私のせいらしい。


「ホノカが色々開発するから登録しておいた方が楽になるんだよ」


楽になる?


詳しく聞いたら商人ギルドに登録した人が開発した物はどんなに画期的なアイデアだろうとわざわざ表彰したりしないんだって!

やってたらキリがないから。


まあ国力が上がる様な発明とかは表彰対象になるけど生活の知恵とか便利グッズは対象外。

これ以上勲章いらないからちょうどいいでしょ?ってリアン。

いくら本当の事でも言っちゃダメでしょう(笑)


そんなもんですよって商人ギルドのマスターまで同意したよ!

なんでも宰相さんが褒賞金を抑える為に考えだしたアイデアとか。

ああ納得。


せっかくだから何かありませんか?って揉み手で言われたよ!


知らない。私、ただの雛だもん(笑)


お菓子ツンツンしながら聞こえないフリしてたら何か思い付いたら連絡くださいねって足輪にギルド証登録された!

冒険者ギルドと同じで近くの商人ギルドと遠話機能が付いてるから便利ですよって。

近いって具体的な距離は?

本人の魔力次第だから分かりませんって……

出たよ!アバウト発言(笑)


まあ確かにあっても困るもんじゃないからいいけどさ。


商人ギルドで追加の物資を受け取ってようやっと王都から脱出です(笑)


なんだかんだでお昼近くになったけど、お茶とお菓子でお腹満たされてるからランチは少し馬を走らせてからって事に決めて出発。


ちょこちょこ物資は届けられているから切羽つまっているって事はないけど早い方がいいだろうと馬を飛ばすリアン。


途中でスライムとワームを瞬殺してめんどくさいからって討伐部位は剥ぎ取らずに行く。


もったいない!そんな事してたらもったいないオバケが出るよ(笑)


そんな事を考えながらピヨピヨソング(防御)を歌っていたせいか馬から降りて徒党を組んで出現したゴブリンを倒していたリアンの周囲にまたもや新しい魔法陣が!!


今度は何?って見てたらリアンが倒したゴブリン達が光に包まれて私の方に飛んで来る!


「ピヨ~!!」


ぶつかる?って思ったら光は私の足輪に吸い込まれていった。

何なのよ!?


「ピヨピヨソング(回収)?…………ああ、成る程」


リアン!一人で納得してないで教えてよ。


教えてもらいました。

倒した魔物の討伐部位とアイテムの回収を自動的に行う………


うむ。もったいないオバケが喜びそうな魔法である。


ちなみに回収した物は私とリンクしているリアンのトンでも空間に収納されるそうです。

だったらはじめからリアンの方に飛んでいけばいいのにって思ったけど、どうやらこの回収は戦闘中でも構わず行われるみたいなんで主に非戦闘員の私なら邪魔にならないからって理由で私に飛んで来るらしい。


毎度の事ながら誰が設定してるの?って思わず頭を抱えてしまいたくなる仕様にゲンナリしちゃう。


次いでにこの回収は一度発動させておくと効果は24時間続くので今後は朝一で歌う事にしました。

うむ。自分の存在がますます珍種らしくなっていく(笑)


まあ楽しいからいっか♪

夏休み編とすべきか悩んで結局、通常運転(笑)

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