45.フラグ?フラグなの??
「何卒、何卒、お願いいたします」
参ったわ。
目の前にはセラーンの町の商人ギルドのギルマスさん。
絶賛?土下座中。
ファストの町の噂が届いているらしく、次の迷宮に行く前にセラーンの町にも次代の勇者の足跡として何か残して欲しいって事らしい。
「鰹節とかの作り方と、それらを使った料理レシピの登録をしましたが………それだけでは満足出来ないと?」
「いや、その。それらは確かに、この町にとって有り難い事ではあるのですが………しかし、しかしですよ!ファストの町には今までにない画期的な温泉が湧いたと聞きました。入るには当然、現地まで行かなくてはならない!その為、ファストの町は活気に満ちて移住者も増えて町も拡大しているとか!」
あら。そんな事になってるのね。
まぁ日本みたいに温泉水を運んだりはまだ出来ないからね。
今の所は(笑)
「………つまり町に人を呼ぶ何かが欲しいと?」
「その通りです。この町にしか無い、この町に来なければ体験出来ない物をお願いしたいのです」
「そんなことを言われても………」
「そこを何とか!」
海で思い付くのなんて海水浴とかサーフィンとかのマリンスポーツだけど、海に魔物が居る時点でアウトよね。
「…………はぁ………一応、考えてはみますので、今日の所はお引き取りください」
「宜しく。宜しくお願いいたします」
「と、言うわけで何かないかな?隼人、芽衣」
まさかの丸投げ!?
「何気にホノカが抜けてるのは何故だ?」
〔会談中に色々、考えてはみたけど。どれもこれも実現が難しいかなって。精々、出来て潮干狩りとか?〕
「なんで潮干狩りなのよ?」
〔海の魔物も浅瀬には来ないって言うから〕
「なるほど。でも潮干狩りで客って呼べる?」
〔難しいと思う。特にお金を落としてくれる貴族を呼ぶのはね〕
「だよね~」
水の迷宮がまだ海上にあるなら観光スポットに出来たかもしれないけど、攻略済みでまた海の中に沈んじゃったしね。
「君達でも思い付かないなら、ムリだと断るべきかな?」
「それはそれで腹立つな」
って言うか………
「ホルディア様がうるさい」
あ、言っちゃった。
「ホルディア様?」
「マリンスポーツが気になる~って」
〔実はトルディア様も同じ事を言ってるのよね。あとネイサルディア様からは深層水と泥んこパックが気になるって〕
「ネイサルディア様って女神?」
「男神だけど?」
「えっ!?」
〔医術神だから美容神も兼ねてるんですって〕
「…………普通、美の神って女神様なんじゃ?」
「昔は女神だったが、色々あってネイサルディアが統括?するようになっただけだ」
〔その色々が気になるわ!教えてホムラ先生〕
「先生って………まぁいいか」
ホムラによるとかつていた美の女神様は自分より綺麗な女性の人生を破滅させたり、綺麗な男性を侍らせて逆ハーレム作ったりやりたい放題だったらしい。
なかでも美容関係の発達をことごとく握り潰していた事で、本来なら医術神であるネイサルディア様の管轄の整形とかダイエットまで握り潰そうとしたので、権限と力を奪われて封印された。
で、その封印された場所が…………
「確か………試練の迷宮の近くにあったはず」
〔なんでまた?〕
「試練の迷宮攻略中の勇者候補にちょっかいかけてる所を世界神に見つかって封印されたからな」
欲望に忠実な方だったのね………
「どこの試練の迷宮?」
『そこの近くだよ。場所を教えてあげるからマリンスポーツっての流行らせてよ♪』
「いや無理だって!」
〔…………全室オーシャンビューのホテルに室内プールで手をうたない?〕
流れるプールにウォータースライダー。
この世界でうけるか保証はしませんけどね。
『…………へー………面白そうだね』
水泳は全身運動だから美容にも良いし、服着たまま泳ぐ訓練すれば万一の時にも安心♪
『私は水泳より踊りの方が気になるわ♪』
「踊り?ホノカ。何を伝えたの?」
〔…………フラダンスをちょっと思い出しただけなんだけど〕
「フラダンス…………腰が細くなるとかって従姉妹がチャレンジしてたな」
「ああ、付き合わされて大会にも出るとか出ないとか言ってたアレ?」
「それはフラじゃなくて社交ダンス。ちなみに相手は隣のお姉さん。今は同じ趣味の旦那さん捕まえてプロダンサーになってる」
隼人の人脈が謎過ぎる。
『フラダンスよりもウォータースライダーで遊びたい!』
はいはい。
とりあえず水着と浮き輪、あとビーチボールかな遊び関連でレシピあげとくわ。
材質?は知らないから、錬金術に乞うご期待♪
人はこれを丸投げという。
『う~ん…………まぁ仕方ないか。それじゃホノカの地図に封印場所、書き込んでおいたからね』
あらいつの間に。
〔めっさ近いんですけど!?〕
「どこ、どこ?」
〔セラーンの町から徒歩10分。南向き、陽当たり良好って物件案内かい!?〕
流石はホルディア様。
お茶目さん。




