表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀世界の花の海で少女は散る  作者: 廃墟無
第三章 水上国家クリュスタ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/22

番外 2人の王の待ち時間

ーー応接室ーー


「ちょっとばかり、速く着きすぎたようね♩」


「二時間を“ちょっと”で済ませるとは驚かされるな。会わぬ間に一芸でも覚えたのか? ブルシア」


「そういうのはあなたの方が得意でしょうに……ってもう!からかわないで!」


遠回しに揚げ足を取られたことに気付いたのか、ブルシアは僅かに頬を膨らませる。そんな彼女をレーネは紅茶を片手に静かに眺め、小さく笑みを浮かべた。


「そんなことよりだ、ブルシア。貴女はまだ、その喋り方を続けているのだな」


「えぇ♪ 昔のことなのだけれど、こういう話し方をしていた姉が居たの」


「だが、その姉とは離れ離れになり……更には記憶すら失われた、と」


レーネはそこで一度言葉を切り、紅茶を机へ置く。


「……ふむ。大体分かった。貴女が直々にこの国へ来た理由もな」


「ええ、あなたの思っている通りよ。私は姉に思い出してもらうために来た。それと――メリアを取り返しに」


「拙は奪ったつもりは無いのだがな……」


僅かに声の調子を落としながらレーネが返す。しかし、それ以上にブルシアの声音の方が沈んでいた。


「……気分が優れないのか?」


「えぇ、うん……そうなの」


ブルシアは視線を伏せ、小さく息を吐く。


「だって、私が一目惚れした人と、姉が……今から戦うのよ?それより、あなたの気分は?」


「…拙は大丈夫だ」


短く返したあと、レーネは静かに目を細めた。


「……貴女は、この王位決定戦の仕組みに納得していないのだろう?」


「そうだけど……急にどうしたの?」


「その感情を探れば、急な話でもないはずだ」


レーネは淡々と続ける。


「……先に言っておこう、ブルシア。王位決定戦には“盟約”が存在する。部外者でも参加できる盟約、そして――一度参加した者は、辞退することができないという盟約だ」


「――ッ!? 最初のは知ってるけど、最後のは聞いてないわ!!」


突然告げられた“盟約”という言葉に、ブルシアは目を見開く。それも当然だった。そんな情報は、彼女どころか、今を生きる殆どの人間に知らされていないのだから。


「その反応も当然だ。知らせるな、語るな……そう決められていてな。一度優勝した者だけが知ることを許される」


「それでも……! 私の姉が、メリアが!2人が今から死ぬまで戦うってこと!?」


「厳密には違う。どちらかが敗北を認めれば、そこで終わる」


「じゃあ――!」


ブルシアの表情が僅かに明るくなる。だが、

レーネは静かに首を横へ振った。


「……ただ、一度命を奪った者が、そう簡単に負けを認められるかは別だ」


その言葉を最後に、応接室には静寂が落ちた。


レーネは椅子を回し、窓の向こう――未だ観客すら疎らな闘技場へ視線を向ける。

二時間後に始まるはずだった戦い


しかし、その戦場が既に別の場所へ変わっていることをレーネとブルシアが知るのは開始一分前のことだった。



補足。

海辺に観客が少しいた理由は、同じ王位決定戦に参加する者が場所が変わったと知り、キシフォスやメリアの闘いを純粋に見届けたい者に言ったからなのと2人の意図を汲んでの事。


裏設定3

水上国家が水上にある理由。

水上国家の魔道具は他の国とは違い、オーバーヒートするが魔力を込めなくても良く、ある意味無限に使える仕組みな為、その唯一無二の性能を他国に渡ってしまう手段の裏取引や蜜流を避ける為である。


浮かばせた方法は、レーネが水に関係した魔術を待つ者を集め他国と分断し、無理やり離れたから。

例を挙げるなら日本がユーラシア大陸から分離した感じ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ