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ショッキングな光景

(ばん)が同じヒト蜘蛛(アラクネ)の雌を喰ってしまった時もそうだったが、今度はそれこそ、<少女>にも見えるアクシーズだったことで、なお一層、ショッキングな光景だっただろう。


しかし(ばん)は、まったくそんなことを気にするでもなく、容赦なくアクシーズの体を何度も蹴り、破壊していった。暴れるアクシーズの足首を持っていることから頭を引き寄せて首筋に喰らい付くことでとどめを刺すというのができないからか、手間ではあるもののこうやって蹴り殺すことを選んだようだ。


アクシーズの方も必死の抵抗を見せるが、(ばん)の蹴りは一撃一撃が必殺の威力を持ち、木の幹との間で挟まれる形で蹴られれば、骨は砕け内臓も破裂し、確実に『壊されて』いった。


なのに、アクシーズは最後まで諦めなかった。諦めなかったが、口からも鼻からも耳からも股間からも血を溢れさせ、両方の翼は有り得ない形に何箇所も折れ曲がり、見る見る動きは鈍って、遂には枝に引っかかった状態でぐったりとなった。


時々、ビクッビクッと体を震えさせるとはいえ、もう意味のある動きではなかった。


(ばん)が掴んでいた足首にもまったく力がこもっていない。そこで(ばん)が、持ち替えるために手を離したその瞬間、


「!?」


まるでそれを待っていたかのようにアクシーズが体を起こして目の焦点は合っていないままで血塗れの顔だけを(ばん)に向け、鉤爪を彼の顔に向けて奔らせた。


しかしそれは空を切り、彼の肩に触れた後、バランスを崩したアクシーズの体は、壊れた人形のごとく何度も枝に打ち付けられながら血を撒き散らしながら地上へと落ちていった。


そこにはもう、命の気配はなかった。最後の最後に一足掻きしたところで、完全に尽きてしまったのだろう。


ぐじゅっ!と湿った音を立てながら太い枝に引っかかり、そこで止まった。


(ばん)はそのアクシーズを追って木を下り、すでに<死体>となったそれを掴んで持ち上げ、躊躇うことなく歯を立てていった。


この一部始終を、バドと連携しているドローンが記録していた。それが役目であるがゆえに。


そうしてバドが駆けつけた時には、(ばん)に喰い荒らされたアクシーズの無残な死体が地上にゴミのように折り重なって落ちていただけだ。


もはやそれがあの美しいアクシーズだったとは、ほとんど分からない有様だった。


すると、血の匂いを嗅ぎつけたのか、いつの間にかボクサー竜(ボクサー)が何頭も集まってきていた。そしてアクシーズの死体に群がり、残った肉を貪っていく。


こうしてほとんどを食い尽くされた後も、小動物や昆虫などに食われ、さらには微生物にも食われ、やがて土へと還っていくのである。



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