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電車
あっ!また目が合った。
今日は気になるあの娘と隣になった。
僕の鼓動が高まっていく。
見てはいけないと思いつつも、彼女の事をチラチラと見てしまう。
気のせいか、彼女も僕の事を気にしている様な気がする。
あっ、またこっちを見た!
もしかしたら彼女も僕の事。なんて妄想をしている間にも、電車は走っていく。もうすぐ彼女の降りる駅だ。
彼女の手と僕の手が触れあった。
僕の冷たい手に彼女の体温を感じる…。
お互い真っ赤になってうつむいた。
彼女がそっと僕の手を握り、恥ずかしそうに言った。
「痴漢です、この人!」
冤罪ですね……。皆さんもお気をつけ下さい。




