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199.みんながお見舞いに来てくれました! 中編

「リベア。無事かい!?」

「リベア! あなたが倒れたという連絡を受けて、ロフロス村から飛んできたわ!」


「お父さん! お母さん!!」


 次に部屋へ駆け込んできたのは、リベアのご両親でした。


 お母様は扉を開けるなり一直線にベッドへ向かい、リベアの身体へ触れます。腕、肩、額――本当に怪我がないかを確かめるように、何度もぺたぺたと触れていました。


「お、お母さん、くすぐったいよー」


 リベアは身をよじって抵抗しますが、お母様の手は止まりません。


 そして次の瞬間、そのまま強く抱きしめました。


……親子愛、というやつですね。安心するんですよね、あれ。別に、昔シャルティアに抱きしめられて妙に落ち着いたことを思い出したとか、そういう話ではありませんからね?


「さっき扉の外で聞いていたよ。学院で人を助けたんだって?」


 お父様が穏やかに笑います。


「すごいじゃないか。もっと誇っていいんだよ」


 そう言って、優しくリベアの頭を撫でました。


 わたしとソフィーの視線に気づいたリベアは、一瞬だけ照れくさそうな顔をしましたが――すぐに気にしなくなったようです。


「お母さんもお父さんも、来てくれてありがと。王都まで来るの、大変だったんじゃないの?」


 実際、わたしやリベアが首都に赴いた際も、二日、三日はかかりましたからね。グラトリア家には、本当にお世話になりました。


「娘の一大事ですもの。何をおいても優先するに決まってるでしょう?」


「それに、ほとんどの手配をティルラ様が整えてくださったからね」


 お父様が苦笑混じりに、両手を大きく左右に振り、腰を回します。


「宿や移動も全部用意されていて、僕たちは本当に乗っていただけだったよ。馬を替えながら急いできたから、さすがに腰が痛くなってしまったけど。ははは」


「それは元からでしょ!」


 お母様が即座にツッコミを入れ、お父様は楽しそうに笑いました。


 なんというか……本当に仲の良いご夫婦です。


「師匠が……! ありがとうございます!!」


 リベアがぱっとこちらを向きます。


 わたしは小さく頷きました。


 そろそろ到着する頃だとは思っていましたが、連絡が来なかったのは、どうやらソフィーが先に受け取っていたからみたいですね。


「到着時にお出迎えに上がれず、すみません」


「いえ、こちらこそ」


 お父様は静かに頭を下げます。


「大賢者としてお忙しい立場にもかかわらず、ここまで気遣っていただき、夫婦一同本当に感謝しています」


 続いて、お母様も頭を下げました。


「改めて、お母さん、お父さんも来てくれてありがとう!! すごく嬉しい」


 リベアは心から安心したように笑っていました。


 その顔を見て、ようやく少し肩の力が抜けた気がします。……ですが。だからこそ、わたしは逃げるわけにはいきませんでした。



 一歩、前へ出ます。



 自分の責任は、自分の口で伝えるべきです。


 わたしは彼らの大切な娘を預かっていた身なのですから。怒られるのは覚悟していましたし、何を言われても受け止めるつもりでした。


「……すみません」


 わたしは深く頭を下げました。


「わたしがついていながら、リベアを危険な目に遭わせてしまいました。本当に、申し訳ございませんでした」


「え、師匠!?」


 慌てた声を上げるリベア。


 ですが、わたしは頭を上げませんでした。


 今の自分にできる、精一杯の謝罪です


「……ティルラ様」


 おろおろするリベアをよそに、返ってきた両親の声は、驚くほど穏やかなものでした。


「どうか、頭をお上げください」


 お父様の声音に、責める色はありません。


「頭を下げるべきなのは、むしろ僕たちの方です」


「ええ」


 お母様も静かに続けます。


「私たちの大切な娘を助けてくださって、本当にありがとうございました」

「ですが……!」


 思わず顔を上げると、お父様はゆっくり首を横に振りました。


「ティルラ様。あなたがいなければ、リベアは死んでいたかもしれない」


 その言葉には、確かな感謝が込められていました。



「感謝こそすれ、恨むなんてありえません。それに――」



 お母様は、ベッドの上の娘へ視線を向けます。


「ティルラ様について行くと決めたのは、あの子自身の意思であり、選択なんですから」


ここまで読んで頂きありがとうございます!


「面白い」

「続きが気になる」

「リベア可愛い!」


と思ったら、広告下↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。


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