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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
一学期
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無慈悲な拳 二

 俺とレインはドラゴン状態のアティアの背に、アティアの左側を飛んでいるミセリアの背にはフロースが乗っている。

 たっぷり水を吸った制服を着てドラゴンで空を飛ぶとものすごく寒い。

 半竜の俺が全速力で走っても相当速いが、障害物の無い空をドラゴンが飛べば比べ物にならないくらいの速度だ。

 前方から吹く風が身を突き刺すように寒い。

 てか、もはや寒いを通り越して痛い。

 アティアが羽ばたくたびに速度が増して、全身が悲鳴をあげているのがわかる。

 隣を見れば、フロースもガクガクと震えている。

 俺の場合は寒さ以外の痛みもあるんだけどね。

 アティアとミセリアが到着した後、フロースの槍でできたクレーターや水溜りを見た二人に何事かと問いただされた。

 フロースとあれこれ説明してるとレインが、

「そういえば、フロースお姉ちゃんの槍が落ちてきたときクロエ……胸触ったよね?」

 ここでビクッと反応してしまったのがいけなかった。

 着地して人化《ひとばけ》したアティアの聞かれてしまった。

「姫様に……胸に触れた……?」

 入学する前、レインがもう一匹のドラゴンと仲良くできるか心配だったが、何も心配要らなかった。

 むしろアティアに歓迎されていた。

 レインが竜王の娘だと知ったらレインのことを『姫様』なんて呼び出すくらいだったしね。

 なんでも、アティアの両親が昔、竜王に助けられたことがあるらしい。そのことを子供の時から両親に何度も聞かされたアティアは熱烈な竜王信者になったんだとか。

 ある意味、洗脳だよね、コレ。

 んで、胸に触れたことを聞かれた俺はアティアにタコ殴りにされたんだなぁ。

 しかも、回復魔法のサービス付き。

「なにしとんじゃお前わぁ! 姫様に触れるだけでもいけないのに、胸に触れるとはふざけんじゃねぇ!」

 キャラが壊れるくらい怒りの形相でパンチアンドキック。

 半竜だから多少の打撃には強いけど、本物のドラゴンの攻撃はちょっとキツかった。

 俺がフラフラしてくると、

「これはいけない、相棒の竜騎士がこんなにもボロボロに。治療しなければ」

 とかなんとか棒読みで言って回復魔法をかけて傷を治してくる。

 俺が立ち上がると、

「まだやんのか、クソガァ! ぶっ飛ばしてやる!」

 と、再びパンチアンドキック。

 これの繰り返しをすること三十分。

 ここで女神が、

「もう、アティアお姉ちゃんが私のためにやってるのはわかったからね、落ち着いて?」

「姫様がそういうならこのくらいしておきましょう。

 しかし、次こんなことがあったら、焼肉にしますからね?」

 さらっと火炙り宣言されたわぁ。

 レインが止めてくれなかったら、破壊と再生を繰り返されるところでしたわ。

 あ、ミセリアもレインのことを受け入れてくれたんだよな。

「竜王の娘? なにそれ凄いじゃん! 一緒にがんばろーぜ!」

 みたいな軽いノリでレインと話してたから大丈夫なんだろうね。


 こいつらは竜王とかなんとか聞いても深くは聞かないでいた。

 いい奴らに恵まれたな、レインは。

 色々考えてたら宿舎が見えてきた。

 魔力時計を見れば三分しか経ってない。

 てか、アレだけ色々あったのに壊れてないこの時計凄いな。

 俺が十分かかる道のりを三分とは、ドラゴンはやっぱ凄いぜ。

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