#34 ビギナーズラック
「まあ、冗d……」
と言いかけたところ、部屋の入り口の扉が開いた。
そこには、魔力を全開で出し、扉に寄りかかるジェルナさんの姿が。
「くっくっくっ。よくわかりましたねジン様……」
「えっ?」
まるで自分が犯人かのように振る舞うジェルナにジンは戸惑いを表す。
するとミリエルが衝撃的なことを言い出す。
「あ、あ! ヌシは魔王軍幹部、ジェルナではないか!!」
「「「え、えええええええええええ!!!!」」」
ジェルナさんが魔王軍だって!?
ええ!
全然気づかなかった。というか一番冗談で言ったつもりだったのに真犯人まさかのジェルナさんかよ!!
まじで当たっちゃったよ、適当に言ったのに。
「お兄ちゃん凄い!!」
「まさかジェルナが……よく気づけましたな」
「ま、まあな。これくらい余裕的な?」
ミミィとチュウサに煽てられ、今更冗談で言ったつもりだったなどと口が裂けても言えるわけない。
「ミリエルがいるのは計算外だったが、バレたところで問題はない、もう計画は進んでいるのだから」
そう言ったジェルナは指をパチンと鳴らして窓外の景色を指差した。
外は真っ暗闇に包まれ、まるで深夜のようだ。
「これが私のスキル『暗黒世界』。私は魔王様から授かったこの力でここら一帯を闇夜に変えることができるのだ」
「そうかスキルは魔王から貰ったのじゃった」
思い出したようなスッキリとした表情を浮かべミリエルは相槌を打った。
「魔王様を魔王呼ばわり? 立場を弁えろ」
ミリエルの魔王という呼び方がジェルナの癪に触ったのかジェルナは顔を赤くする。
ジェルナの性格は完全に変貌している。
「問題なかろう。ヌシと違ってワシは魔王に気に入られているのだから」
ミリエルは落ちついた様子でそう返す。
「冗談を言うな。魔王様に一番気に入られているのは紛れもない私ではないか」
「ふっ。魔王軍幹部にして十種雲形にもなれなかった雑魚がよくほざいたものじゃ」
なんか、しょうもない小競り合い始まってないか?
「……しかし、いま貴様はその魔王を裏切っているではないか」
そう呟くとジェルナはジンの方を見る。
「そうじゃが? ワシは魔王軍のような堅苦しいのは嫌いなのじゃ、もっと自由奔放なのが好きなのじゃ」
ミリエルは俺をフォローしているつもりなのだろうが、少し胸に言葉が刺さった気がする。
「……ああ、もういいわ! 貴様らじゃ会話にならん、貴様らこの国もろとも失くしてやるわ」
「来るぞ、おい! 大丈夫なのか? ミリエル?」
「問題はない相手はワシの足元に及ばぬ雑魚……」
ジェルナはよそ見するミリエルの体に触れた。
「封印!!」
ミリエルはジェルナの手元にどんどん吸い込まれていく。
「おい、ミリエル〜!! 撤退早いぞー!!」
ジェルナの手には俺の持つ封魔石よりずっと大きな封魔石があった。
そしてミリエルを封印すると、一気に封魔石が床に落ちる。
「持って、三時間ってとこか、ミリエルがいないのならばそれぐらいで十分か……」
封魔石を見てジェルナはそう呟く。
「さて、どうするお二人さん??」
ジェルナは俺たちを見下すような目で嘲笑った。
それもそう、魔王軍幹部と一般人の戦闘経験を齧ったことのあるやつとは差は歴然、負けるなんてありえない。またもや窮地に立たされている。
そして逃げるてもない、そうすればなす術なくこの国は滅んでしまう。
やはりミミィと協力して……。
「おい、モタモタしていていいのか? 国周辺には私の魔法陣が張り巡らされ、次から次へとゾンビが召喚されているが?」
「、まじかよ……くっ仕方ない。ミミィ、チュウサさん国の周りをお願いします」
「お兄ちゃん大丈夫なの?」
「根拠はないが、任せておけ!」
そう告げると、二人はジェルナの背後にある階段からしたの階へ降りて行った。
二人がいなくなると沈黙が続いた。
ふぅ、どうしたものかな。
理由は知らないが筋肉痛。マジデイタイ




