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Scene12 -5-

  共命者を含む隊員が発進準備を済ませたタイミングで、セガロイドと機械獣が出現したという一報が飛び込んできた。


  「奴か? ウォリアーか?!」


  過去の2戦において苦汁を飲まされた相手なだけにルークは過剰な反応を示す。共命体のレオン同様に共命者であるルークも当然セガロイド・ウォリアーとの再戦と決着を望んでいた。


  セガロイドが出現したとなってはやはり不可侵であるエリア132への干渉、それに対するA国の苛烈な対応にも辞さない覚悟が必要となる。なぜならセガロイドを倒せるのはガイファルドだけであり、それが使命だと心に刻んだからだ。


  しかし、イカロスがガーディアンズの基地を飛び立ち超高速巡航速度に達したのも束の間、ガーディアンズの面々がセガロイドとの激戦、及びA国の対応に対する覚悟をする前に、セガロイドをロストしたという情報が入ってきた。なんとセガロイドは戦闘行為をせず、数分程度で飛び去ったというのだ。


「なんだよ、機械虫の援護に現れたんじゃないのか?」


  ホッとする隊員の中でルークとレオンだけが悔しさを口に出す。


  「機械虫は顕在。私たちの仕事はまだある」


  ガーディアンズ戦闘部隊隊長のエマの言葉で再度気合を入れなおしたのだが、その発言から数分後にはその機械虫がA国軍によって掃討されたと知らせが入った。


  「なんだよ、どうなってるんだ?」


  状況が二転三転してすっかり気持ちが萎えてしまった共命者の三人と共命体のレオン。


  「考えていたよりもずっと早い。1匹でも苦戦するのに3匹をこんなにあっさり倒すとはちょっと気になる」


  博士はキーボードを素早く叩きA国軍と機械虫との闘いを超々望遠で撮影された映像を流した。


  「この映像はなんですか?」


  「素人の趣味から国家機密レベルの物まで、常に情報は流れている。そこにハッキングして覗かしてもらっているのさ」


  「やるなぁ博士!」


  ルークは博士の背中をズバンッと叩いた。


  「あいたたた……、まぁこれくらいのことはできないと。情報は命だから」


  「こいつぁ超高度から撮影された映像のようだな」


  剛田の言う通りほぼ真上に近い角度から何かを追いかける機械虫が映し出されている。


  「大型のトレーラーか?」


  どうやら機械虫は3台の大型のトレーラーを追いかけているようだった。護衛のために付き添っていたA国軍部隊もさすがにB級機械虫3匹相手では成す術もなく、次々に破壊されてしまった。そこから数十秒後には1台のトレーラーが機械虫の吐き出したエネルギー弾を受けて宙を舞い地面に打ち付けられ、機械虫はそれを踏みつぶしながら残りの2台のトレーラーを追いかけていく。


  「なんであのトレーラーを追いかけているんだろうな」


  ルークがそう口にしたあと見覚えのあるシルエットが画面の端を横切った。


  「今のは!」


  翼を持つ獣とそれにまたがる人のシルエット。恐らくスフィンクスと名付けられた機械獣とセガロイドだ。画面はそのまま流れてトレーラーを追い掛ける機械虫を映し続けていた。


  「博士、別の映像はないのか?」


  セガロイドが映ったことで再び興奮状態になったルークに応えて博士はキーボードを叩く。そしてまた違った角度からの映像が映し出された。


  今度はもっと高度の低い場所からの映像だ。恐らくマスコミのモノだろう。


  セガロイドは爆発してへしゃげた残骸の散らばるトレーラーのかたわらに降り立っている。そして、しばらく辺りを見回したセガロイドは何かを見つけて拾い上げると機械獣に乗り飛び去って行った。


  不可解な行動ではあったが、逃げるトレーラーを追いかける機械虫も気がかりで再び機械虫を映し出す。


  映像では護衛部隊の身を挺した攻撃でトレーラーは距離を稼ぎ、エリア132方面へ走り去っていき、そのトレーラーと入れ替わるように到着した部隊の総攻撃を受けていた。


  「あの戦車やヘリはあのときの」


  その部隊は2ヶ月前にガイファルドとセガロイドの戦いに割って入ってきた部隊であった。


  足止めしていた部隊が後退すると、あのときのように苛烈な高火力の遠距離攻撃がなされ、その集中砲火を浴びた機械虫はわずかな時間で破壊されてA国の大地で砂になって消えてしまう。


  「あの火力はなかなかのもんだな。同盟軍に隠れてコソコソ開発していただけのことはあるぜ」


  「けど、広域破壊過ぎて市街地では使えない」


  「なによりセガロイド相手じゃ当たらないんじゃないかな」


  「当たっても倒せやしない。奴らを倒せるのは俺たちの拳だけだ」


  それぞれの感想や思いを告げる中で、博士だけは別のことに着目していた。しかし、このときは深くは考えず、口にも出さずにいたのだった。

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