Scene11 -5-
エリア132の防衛ラインで、A国軍と機械虫の接触したその横から支援攻撃を開始したGOTの機動重機部隊。
ゼインとライトが居ない現在、ガンバトラーはGOTの部隊長として日々勇猛に戦っていた。
しかし、ほぼ上位機械虫ばかりが出現する昨今、以前のような活躍はできずにガイファルドや同盟軍の支援、残敵処理、市民の救助及び避難誘導といった活動をしていることが多い。このことに不満はないものの力のなさを実感していた。
『おれは役に立っているのか。ライトやゼインが居なければこんなものなのか』
高度過ぎるAIは人間のように悩みすら持ってしまう。
性能が悪いわけではない。中遠距離特化型高火力機動重機として、同盟軍が持つどんな兵器よりも高い火力を持ち、その一点で見ればライゼインすら上回っている。
ガイファルドには及ばないまでも戦車など問題にしない機動力と運動性は機械虫との戦いを有利に進めることができるはずなのだ。
だが、ライゼインを失って以来ガンバトラーの覇気が弱まっていた。その強さを信じていたライゼインが負けるという事実が自身の強さへの疑問を持たせてしまい、スランプになってしまったのだ。
強気の攻撃が売りで接近戦にも臆することのなかった彼だが、その強みが失われてしまったことで、今ではB級にさえ後れを取りそうになることもある。アタッカーでありながら攻撃に積極性が見られない。
『こなくそ!』
射撃制度が落ちたわけではない。外したことを考えたり、耐えられたりした場合などを考えたりと、必要以上に距離を取り安全策に走る傾向が強くなってしまったがために、決定打を欠いてしまい仕留めきれないことが多々あるのだ。
「ガンボットのチャージ完了です」
ガードロンが声を掛けるとガンバトラーはガンボットを背部にドッキングさせた。このサポートツールロボとの連結によって火力のアップと広範囲攻撃が可能となる。
『照準』
A国軍を襲っている四体の機械虫に照準を合わせた。有効射程はギリギリだが支援攻撃としては効果はある。
本来ならスラスタージャンプによって距離を詰めつつ上空から殲滅を狙うくらいはしていたガンバトラーだったが、今は大地を踏みしめて正確に照準を合わせている。
そんな彼に向かって高機動型の一体の機械虫が迫っていた。ガードロンはその機械虫の進行を止めるべく飛び出した。
ガードロンは重装甲と高重量、そして速度は無いが高耐久アクチュエーターによって頑強さに特化しており、体を張ってゼインやガンバトラーを守るのが仕事だ。
今まさにその仕事をするべきときであり、遠距離攻撃をおこなうガンバトラーのために体を張って跳び出したのだが、ガンバトラーは照準を切り替えて自分に迫る機械虫に向けて砲撃をおこなってしまう。
「しまった!」
この高出力ビームキャノンが機械虫と跳び出したガードロンの肩に命中してしまう。分厚い装甲ではあるが、ガンバトラーとガンボットの合体攻撃には耐えられず装甲を吹き飛ばして肩を融解させた。
「離れろガードロン!」
続けて襲い来るミサイルの雨。撃ち放ったガンバトラーにはどうにもできず、味方に降り注こうとするミサイル群が外れることを祈り手を伸ばす。
前のめりに倒れたガードロンは着弾点から離れようと横に転げてスラスターを全開に吹かした。
しかし、高重量の機動重機である彼は格闘メインのゼインのように弾けるような動きはできない。次々に着弾するミサイルの直撃を避けるには成功したが爆圧はようしゃなく彼を襲った。
ガンボットとの合体を解除して爆心地から飛び出してきたガードロンに駆け寄る。
「大丈夫か、すまない。おれの判断ミスだ」
共に死線を超えてきた相棒の行動を予測し、信頼していれば避けられた事故にガンバトラーは己の行動に強い後悔をした。
幸いにも重装甲のガードロンだったがために右肩以外に大きなダメージや致命的な損傷はなかった。
「大丈夫です。このくらい問題ありません」
ゆっくりと立ち上がるガードロンだがA級を相手にする余力まではなさそうだった。
「作戦変更。ガードロンはガトリングボットとガンボットと共に距離を取って支援攻撃」
「そんな! それでは私の仕事ができません」
「シールドボットとハンマーボットはおれと共に前へ出る」
「待って下さい」
ガンバトラーはガードロンの静止も聞かずに前線へと上がっていった。
だがその判断がガンバトラーの危機を招くことになってしまう。
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