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前代未聞のダンジョンメーカー  作者: 黛ちまた
第二章 マレビト

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032.侵入者あり

 パフィが言った通り、誰かが入ろうとした跡が、ダンジョンの入り口に残ってた。

 寝る前にパフィに言われて、ラズロさんと砂を撒いておいた。足跡はないけど、僕とラズロさんは砂に絵を描いておいたんだけど、ぐちゃぐちゃになってた。


「一人ではなさそうだよなぁ」


「そうなんですか?」


「多分な」


 ダンジョン蜂の蜂ヤニを第一王子が毎日食べてる、ってことは隠してないし、蜂は集団だし、しかもそれが凶暴なダンジョン蜂って知っていたら、一人では来ないだろうから、ラズロさんの言葉に、そうだよね、と思う。


「アシュリーがダンジョンを作った時から始まってた、って言えば始まってたんだけど、こうしてあっちが動いてきたのが分かると、実感するな。本格的に始まったんだな、って事と、冗談じゃねえんだな、って事がさ」


 こうして目の前に、存在を感じさせるものがあると、嫌でも実感する。


「はい」


 ラズロさんの大きな手が僕の頭を撫でた。


「安心しろ。アシュリーを守るのはこの国の最強集団だ」


「はい」


 ダンジョンに入り、ジャッロの子供たちから蜂ヤニをもらった。

 伝わるかは分からなかったけど、一応ジャッロのいる巣に向かって数日後に誰かがやって来ると思う。襲って来たら遠慮なくやっつけて良いからね、と話した。

 ずっと気付いてなかったんだけど、ジャッロの子供たちには全員、テイムの印が付いていた。

 パフィに話したら気付いてなかったのか、って呆れられたけど……まさかジャッロの子供たちまでそうなるなんて知らなかった。


 急ごしらえで作った第二層に入る。第一層と同じものを作った。と言っても大きさは半分ぐらいだけど。そこにメルとコッコを移動させておいた。

 第一層と第二層をつなぐ階段は、僕しか通れないように、階段も見えないようにして、メルとコッコを守れるように。


 僕を見つけて、メルがモオォー、と鳴いた。その声に反応してコッコも姿を見せる。


「おはよう、メル、コッコ」


 メルとコッコの身体を撫でる。

 ダンジョンで暮らすようになってから、好きなだけ食べられるからなのか、メルとコッコの毛並みが良くなった気がする。


「ごめんね、引っ越しばっかりさせて」


 コッコに頭を軽く突かれた。


「落ち着いたら、好きに出入り出来るようにするから、少し我慢してね」


 おなかを撫でると、コッコがコッ、と返事をした。


 メルとコッコの身体をキレイにぬれた布で拭いて、ミルクをもらった。鶏は毎日卵を産む訳ではなくて、たまにお休みする。


「また明日ね」


 第一層に上がると、ラズロさんとノエルさんがジャッロの子供たちに囲まれていた。囲まれてって言うと襲われてるみたいだな。何て言うんだろ、見守られてる?


「ラズロさん、ノエルさん?」


 木の大きな箱を二人がかりで持ってる。笑顔のノエルさんと苦笑いを浮かべるラズロさん。


「こんにちは、アシュリー」


「おー、来たかー。襲われないって分かってるけど、アシュリーがいないからひやひやしたわ」


「どうしたんですか、その木の箱」


「トキア様がな、木の箱をダンジョンの中に置いて来いって言うから、運んで来たんだよ」


 トキア様が? なんだろう?


「蜂ヤニはもらえているけど、蜜の方はもらえていないでしょ? 巣を壊さないと蜜が取れないんじゃ困るから、もらえるようにする為のものを作らせていたんだよ」


 ノエルさんが説明して、ラズロさんに目配せをして持っていた大きな箱を下に置く。

 僕が入れそうなぐらいの、とても大きな箱。


 下ろされた箱に蓋はなくて、箱の中には仕切る為の板が四枚入ってた。


「ここがね、開くんだよ」


 箱の横に持ち手が付いていて、その持ち手をノエルさんは掴んで下に開いた。

 蓋もないし、横が開くし、不思議な箱。この箱があると蜂蜜がもらえて、巣を壊さなくて良いって言ってたけど。


「蜂にね、ここに差し込んでいる木の枠に蜜を入れてもらうんだよ。この四つの枠のうち、二つが埋まったら、横から引っ張って取り出すんだ」


 こんな風に、とノエルさんは言って枠を引っ張る。すると枠がキレイに外れた。


「ここに、新しい枠がはめられるようになっているの、分かる?」


 ノエルさんの指の先には、枠をはめる為の穴があった。


「はい」


「蜜が詰まった枠と、新しい枠を交換すれば、巣を壊さずに蜜がもらえるんだよ」


「へーーっ!」


 パフィが前に、蜜が溜まり過ぎると蜂も嫌になる、って言ってたから、これなら大丈夫なのかも知れない。


 箱を巣の近くに置いてダンジョンを出た。




 ダンジョンから食堂に戻ったラズロさんとノエルさんは休憩している。僕はメルのミルクを鍋に移し入れて、弱火で煮始めた。僕のいた村では、牛のミルクは加熱する。

 一見キレイに見えても、そうじゃないものが入ってることもあるからだと教えられた。


「アシュリーは偉いよね」


 ミルクコーヒーを飲みながら、ノエルさんが言った。


「僕ですか?」


 そう、とノエルさんは頷く。


「村でやっていた、良いとされる事をさ、今でもちゃんと守ってるでしょ? 面倒だからとやらなくなってもおかしくないのに、そうやってミルクも欠かさず消毒してる」


「火を通したミルクと、していないミルクだと、していないミルクの方がさらりとして美味しいんですけど、加熱したミルクの味に慣れてしまってるからか、どうも落ち着かないんです」


 見えない何かが怖い、って言うのも大きい。


「アシュリーは結構潔癖なんじゃないかと、オレは思う訳よ」


 ラズロさんがそう言うと、ノエルさんがすかさず「ラズロは杜撰なだけ」と指摘していた。

 指摘されたラズロさんはうぐ、と呻いたかと思うと、別の話題を振った。


「そ、それはそうと、ノエル。アシュリーを守る手筈は整ってるんだよな?」


 勿論、と答えてノエルさんは頷く。


「アシュリーに関係する人物は全員保護対象になってるからね、ラズロ、君もだよ」


「え」


 固まるラズロさん。


「当然でしょう? アシュリーに一番多く接するのはラズロなんだから、ラズロがあっち側に捕まったり、取り込まれるのは致命的な事ぐらい、分かるよね?」


「そ、それはまぁ、そうだな?」


 ……全然考えてなかったんだ、ラズロさんってば……。


「だから、夜の外出も当面禁止だね」


「えぇっ?!」


 ラズロさんが悲鳴をあげる。


「アシュリーの身を危険から守る為に協力してね、って言ったら、任せておけって言ってたよね?」


「それは、そうだけどさ、じゃ、じゃあ、いつまで?」


 動揺しすぎてどもってます、ラズロさん……。


「さぁ?」


 笑顔のノエルさんに、泣きそうなラズロさん。なんて対照的なんだろう……。


 大丈夫なんだろうか……。

 そんな僕の気持ちに気付いたのか、ノエルさんが僕を見た。


「アシュリーは気にしなくて大丈夫だよ。そもそもラズロはフラフラと遊び過ぎなんだよ。少しぐらい遊びを休んでも罰は当たらないよ」


 とどめを刺されたラズロさんはテーブルに突っ伏した。


「最近、ようやくツキが回ってきてたのに……」


 ラズロさんはノム、ウツ、カウと言われるものの、ノムとウツが好きなんだって前にノエルさんが教えてくれた。


「ごめんなさい、ラズロさん」


 テーブルに突っ伏しながらラズロさんが首を横に振る。


「いいんだ……どうせオレなんて……」


 賭け事が出来ないだけで自分を否定し始めてしまった……賭け事って、そんなに大事なの?


「宵鍋に行く時は皆で行こうか」


 顔を上げたラズロさんは涙目だった。


「え」


「宵鍋に皆で行くのは別に構わないよ。僕もクリフも行けば大丈夫でしょう。城の警備は欠かさず騎士団や魔法師団から人を派遣しておけば良いんだし」


 それに、と言ってノエルさんは僕を見る。


「本来なら子供のアシュリーを飲み屋に連れて行きたくはないけど、アシュリーの気分転換に宵鍋は良いみたいだから。宵鍋は特別に。ただ、僕とクリフが揃ってない時は駄目だよ?」


「はい、ノエルさん。ありがとうございます」


 にっこりと微笑むノエルさん。


「さっそくだけど、明日の夜、行こうか」


「おう!」


 ラズロさんは宵鍋に行けると分かって機嫌を回復したみたい。良かった。

 僕も宵鍋は行きたい。美味しい料理に、ザックさんとのお話も楽しいし、フルールもおなかいっぱい食べられるから嬉しそうだし。




 ノエルさんとラズロさんがいなくなった食堂で、僕はフルールと厨房に立っていた。

 メルとコッコ、ジャッロたちはダンジョンの中。ネロはパフィにもらったおまじない付きの花を持って今日も第一王子の所に。


 氷室の中に大量に積み上げられたいもをどうしようかと考える。

 添え物として炒めたものや煮たものを出してはいたものの、ラズロさんが購入してきた量があまりに多すぎて、思うように減っていかない。

 明日の夜、宵鍋に行くから、ザックさんにおすすめのいも料理がないか、聞いてみよう。


「フルール、明日は宵鍋に行くからね」


 フルールのおでこを撫でると、目を細めた。スライムだけど、撫でられるのは、気持ち良いみたい。


 ザックさんはフルールをとっても気に入ってる。理由はまぁ、言わずもがな、ではあるんだけど。自分が作った料理を捨てるのはやっぱり悲しい。捨てるしかなかった料理の残りを、フルールはぺろりと平らげてしまう。


「たくさん食べてあげてね」


 フルールの耳がぴょこ、と揺れた。


 それはそれとして、夕食をどうしようかな。

 氷室にあるのは、いもとキャベツ。あ、そうだ。キャベツの酢漬けがそろそろ食べ頃な筈。

 酢漬けに入れると美味しい香辛料も在庫がなくなりつつあるから、またギルドに買いに行きたいな。

 王都近辺でも作れたら良いのに。


「アシュリー?」


 声のしたほうを見ると、ナインさんだった。


「こんにちは、ナインさん。休憩ですか?」


「そう」と答えて頷くと、カウンターの椅子にナインさんは腰掛けた。


 ナインさんはホットミルクが好きなので、氷室からミルクを取って来て鍋に移し入れ、温める。

 他の色んな飲み物を飲んでみてナインさんはホットミルクが良いと思ったらしくって、いつもホットミルクが良い、と言われた。


「アシュリー、困ってる?」


「香辛料がもっと手に入りやすくなれば良いのに、って思っていたんです。ギルドや行商からしか今は買えないし、値段も結構するので」


 ラズロさんが安い素材を大量に買うのには、そのへんも関係している。香辛料を使った料理はとても美味しい。

 色んな味が作れるようになって、作る側としても楽しいし、みんなも美味しいと喜んでくれる。


「アシュリー、出来る」


「?」


「ダンジョンで、香辛料作る」


 え、そんな事が出来るの……?


「もし、作れたら凄く嬉しいですけど……」


 香辛料を買う為に毎日いも料理と言うのは、いくら香辛料があっても大変だったりもして。わがままだな、って自分でも分かってるけど。


「出来る。香辛料の育て方の本、図書館にあった。ダンジョンなら育つ気候、作れる」


 あ、そうか。今は春の天気の層しかないけど、パフィも夏や秋、冬の層を作れって言ってたっけ。


 温まったミルクを木の器に注いで、渡す。


「熱いので、気を付けて下さいね」


 頷いて、口もとにうっすらと笑みを浮かべるナインさんに、僕も嬉しくなる。


「ティール様に借りてくる」


「ありがとうございます。でも、駄目なら駄目で良いので、無茶はしないで下さいね」


「うん」


 ダンジョンで、香辛料が作れるのなら、野菜も作れるんじゃないかな……。

 もしかしたら、その方が良かったりするのかな。







 三日と開けずに夜の街に繰り出していたラズロさんは、宵鍋に着くなり、飲まねば損とばかりにエールを飲み始めた。いつもは味わってるのに、水のように飲んじゃってるけど、大丈夫なのかなぁ……。

 雨季に入り、空気が水を含んだように重く感じる日が増えていたから、エールの冷たさは美味しいのかも知れないけど。

 ノエルさんの顔を伺うと、僕の視線に気付いて、ラズロさんをちらりと横目で見て苦笑した。


 テーブルに所狭しと並べられた料理は、フルールの口に入ることなく平らげられていった。

 ノエルさんとクリフさんは沢山食べる。二人とも細く見えるのに、何処に入るのかと思う程によく食べる。


「なぁ、ぼん」


 声をかけられたような気がして振り向くと、隣のテーブルの人たちだった。宵鍋で何度か見たことのある人たち。顔見知りという奴で、見掛ければ会釈する、そのぐらいの関係だったと思う。


「このうさぎ、本当はスライムだってザックに聞いたんだが、本当か?」


「本当です」


 フルールの額に浮かぶテイムされた印を見て、おじさんたちはほぉほぉ、と頷いた。


「もし良かったらなんだが、この皿に残った料理をこのスライム、うさぎ? に食べてもらいたい」


 そう言って指差したテーブルの上には、たくさんの皿が並んでいて、料理が少しずつ残っていた。


「調子に乗って頼み過ぎてな、一番食いたいもんが食べきれん。かと言って残すのもザックに申し訳なくてな」


「そうなんですね。この子、フルールは好き嫌いがないのと、いつもおなかを空かせているので、分けていただけるのは嬉しいです」


「そうか! ありがとな!」


 フルールの前に置かれた皿には、さっきまで山盛りの料理が入っていたにも関わらず、ちょっと話をしている間にぺろりと平らげてしまって、からっぽだ。

 おじさんは皿の中の料理をフルールの皿に入れた。フルールは鼻をヒクヒクさせ、僕を見上げる。


「食べて良いよ」


 長い耳がぴょこぴょこと揺れ、フルールの手が皿の中に入る。ソースがたっぷりかかった肉の塊を、両手でしっかりと挟んで口にする。


「どう見てもうさぎにしか見えんが、スライムってのは噂に違わず何でも食えるんだな」


 食べ終わるとまた別の料理が皿に入って、フルールが食べていく。

 ひと通り食べきれないでいた料理を分けてもらった後、お姉さんがたっぷり料理がもられた皿を持ってきてフルールの前に置き、からっぽになった皿を持って行った。

 山盛りの料理を見て、驚く隣のおじさんたち。


「そんなに食えるのか?」


「食べますよ」


 フルールは器用に料理を両手で挟み、ひたすら食べていく。すぐに料理の山は崩れていく。


「すっげぇ……」


 食べ終わると次の皿がきて、それもさっきと同じ早さで食べていく。

 おじさんたちは言葉もなく、ぽかんとした顔でフルールが食べていく様子を見ていた。


「あの、一番食べたい料理、頼まなくて良いんですか?」


 頼んでる様子がなかったから、ちょっと心配になって聞いてみた。僕に言われてはっ、とした顔になると、店内を歩き回るお姉さんに料理を頼んでいた。


「悪ぃ悪ぃ。あまりの食べっぷりに見入ってたわ」


 ありがとな、と礼を言われたけど、僕のほうこそフルールのご飯ありがとうございます、と礼を言った。

 フルールはとにかく沢山食べたいのに、最近は食堂で料理があまることが少なくて、思いっきり食べさせてあげられてない。だから宵鍋はフルールにとって、大切な場所。


「ザックさんの所に行ってきます」と声をかけると、三人から「気を付けて」と言われた。


 厨房に入ると、いつものように洗い物がたっぷり積み上がっていて、ザックさんは忙しそうに調理していた。


「お邪魔します」


「アシュリーか、助かる」


 さっそく洗い物を始める。洗い終えた皿は、重ならないように並べて風の魔法で水気を飛ばす。この一瞬では当然乾ききりはしないけど、布巾で拭く手間が減るので、食堂でもやってる。


「ザックさん」


「ん?」


「ジャガイモが大量にあるんです。おすすめの料理ありませんか?」


「ジャガイモなぁ」と呟いて、フライパンを大きく揺らし、肉を上下ひっくり返す。


「クロケットなんかどうだ?」


 クロケット。それなら確かにジャガイモを沢山使う。


「ジャガイモだけで作るのが一般的だが、他にも入れてやると旨くなるぞ」


 なるほど、と納得して頷く。


「あとは、そうだな。前にアシュリーからマヨネーズの作り方を教えてもらってから、思い付いたソースがある」


 マヨネーズから思い付いたソース?


「茹でた卵を粗めに刻んで、同じように粗めに刻んでおいたタマネギをマヨネーズに混ぜる。濃厚な味になってなかなか良いぞ」


 マヨネーズソースに茹で卵とタマネギの粗みじん切り……タマネギのシャキシャキした食感が美味しそう。黄身の味でマヨネーズはもっと味がはっきりしそうだけど、白身の甘さって言うか、あの食感は合う気がする。


「そのソースを使ったメニューはありますか?」


 もし、もうメニューにあるなら、食べてみたい!

 ザックさんは眉間に皺を寄せて、ため息を吐いた。


「ソースが濃い目だからな、のせる方はそんなに味の主張が無い奴が良いとは思うんだがなぁ、今のところピンとくるものがなくてな、メニューには入れてない。

白身の魚を焼いた奴にのせて食ってみたら、まぁそれなりの味にはなるんだがな、もうちょっと欲しい」


 白身魚と、ソース……十分美味しそうだけど。


「そうか……クロケットのように、魚も揚げてみるかな」


「美味しそうです。揚げ物の油分が、ソースの酸っぱさで和らぎそうだし」


 うん、良いな、やってみる、とザックさんは頷いた。


「メニューにのったら絶対に食べます」


「おぅ、味が浮かんできたからな、そう待たせないと思うぞ」


 皿洗いがひと通り終わって、テーブルに戻ると、ラズロさんがテーブルに突っ伏して寝ていた。ノエルさんとクリフさんは静かにエールを飲んで、ラズロさんをそのまま寝かせてる。

 ノエルさんの横に座って、ラズロさんを起こさないように小声で話しかける。


「寝ちゃったんですか?」


 苦笑いを浮かべながら、ノエルさんが頷く。


「飲み溜めなんか、出来る訳ないのにね」


 確かに、聞いたことないけど、眠るラズロさんの顔はしあわせそうだったから、まぁ良いのかな、と思った。

 でも、明日は二日酔いになってそうだから、たまねぎスープを作ろうかな。


タルタルソース……!

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