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女性が少ない世界でVTuberやります!  作者: ブル(犬川)


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30話 生徒会へのお誘い

フリードリヒ君を愛称のフリッツ呼びにしました。



「花美!一緒にイタリアに行こう!」

「だめに決まってる!諦めろ父さん」

「いやだぁ〜〜!! 花美と離れたくない〜〜!!」



フリッツ(フリードリヒの愛称)が我が家に来て2日目、英和お父さんとお別れするのは中々に大変だった。

私の肩をガッシリ掴んで一緒に連れて行こうとするお父さんと、必死に引き剥がそうとするお兄ちゃんと、お父さんに諦めるよう説得するアーヴァさん達。

久々に会えた娘と離れがたいのは分かるけど、海外だし絶対無理だよ?

ジャックお父さんと信彦お父さんが迎えにやってきて無理やり引き摺って連れ帰った。

そのときにジャックお父さんに「英和お父さんが可哀想だからちゃんとお仕事しなよ」と言ったんだけど、「またな〜!」といい笑顔でスルーされたよ!酷い!







「アーヴァ、なで(なぜ)おひげ?」

「わたしがひげ、はやす方が好きだからだよ〜!」



フリッツに不思議そうな顔で聞かれたアーヴァさんは笑顔で答え、ヒョイと抱き上げて「うりゃ〜!」と言いながら頬ずりしている。

「やー!おひぃげ〜もさもさ!」とフリッツはキャッキャッと笑ってる。微笑ましい(*´ω`*)

そうそう、数日前からアーヴァさんが髭を生やし初めたんだよ!

本当に私に嫌われないか気にして中々できなかったみたいなんだけど、ようやく決心がついたみたいで。

「よく似合ってるよ!」と言ったら嬉しそうに満開の笑顔で笑ってくれたので良かった!

濃い茶色の髪とお髭に褐色の肌、もっさり生えたお髭で中東の偉い人に見える。気品もあるし。

アーヴァさんは元々童顔気味だから髭があった方が貫禄が出ていいかも。若いと舐められそうだし。

お髭はあってもなくてもどっちでも似合ってると思う。顔が良いからね!

フリッツも少しずつ日本語覚えてるよ。みんな優しくていっぱい話しかけてくれるからね!



「おはよう花美」

「おはよう麗華ちゃん!」

「……アーヴァはなぜヒゲを伸ばしてるのかしら?前の方が良かったのに」

「前も今もアーヴァはカッコいいよ!」

「まぁ、似合ってるのは確かね。ただ馴染みがないから違和感があるだけで」



麗華ちゃんに会うとアーヴァさんのお髭にツッコまれた。やはりお髭には違和感があるみたいだけど、やっぱり似合ってるって言ってくれる。

アーヴァさんを見ると照れたように笑ってる。う〜ん、お髭で表情が分かりにくくなったのはちょっと残念かも。

朝起きて麗華ちゃんの部屋へと行き一緒に学校へ行く。これが最近のルーティンだったんだけど……



「フリードリヒ!お留守番頑張るのよ!」

「うん!がんばる!」

「重盛!フリードリヒのこと頼むわね!」

「はい!お任せください!」



今は麗華ちゃんがうちに来てフリッツを抱き締めてから学校に行ってるよ!

私達が出かけている間フリッツが1人になっちゃうからベビーシッターを雇ったんだ。

それが重盛晶(しげもりあきら)さん。

クリッとした琥珀色の目にピンクの長い髪をポニーテールにした童顔で可愛いらしい人だよ。

ゲイなんじゃないかな〜と思ってる。こっちの世界は男性余りだしそういった人は多いんだよね。

ただ、女性に選ばれなかったから男色にいった負け犬みたいに陰口言われるみたいだけど。

元々同性愛の人からしたら腹立つよね!



「シングルファザーだって聞いてたからカッコいい男の人との出・逢・い!期待してたんだけど。ここ女子寮で女がいるでしょ〜?

 最初はうわ〜っクソ女相手すんのめんど〜って思ってたんだ・け・ど、花美ちゃん良い子だから嬉しいわ〜!!」



って言ってたからね。

アーヴァさんとエドヴィンさんは笑顔で対応してたけど、お兄ちゃんだけ笑顔が引きつってたな。

それ見て重盛さん笑顔を深め、わざとボディタッチ多めにしてたからいい性格してそう(^_^;)

エドヴィンさんも「筋肉すご〜い!」って触られそうになったんだけどサッと全ての接触を避けてたからね!すごい!

お兄ちゃんは嫌だけどある程度までは我慢してる。優しいからね。

それで、今日の麗華ちゃんは黒いドレスを着てるからゴスロリみたいで可愛い!金髪のドリルツインテールの美少女がゴスロリしてるとコスプレ感あってほんと可愛いよね!

麗華ちゃんね、最近は赤い服と黒い服をよく着るようになったんだよ。

髪も黒いリボンで縛って。

どうしてかって聞いたら「大した理由はないわよ!」と頬を赤くして言ってたから、私とマリアちゃんの黒髪と目に合わせてくれてるんだと思う。

ね、やっぱり優しいよね!

みんな分かってないんだよ、2人共良い子だって言ってるのに!

悔しいからみんなを見返すために思い浮かんだことがあるんだけど。

ちょっと危ないかもしれないから実行するのは勇気がいる。

でも、それをすれば視聴者のみんなも分かってくれると思うんだ。

ただほんと、危険かもしれないってだけで。










「すみません藤岡さん、少しよろしいですか?」



授業を終え教室を移動していると声をかけられた。

すぐに私の回りに3人が集まり警戒してくれる。ありがたいけど人に話しかけられる度これだからちょっと困るんだよね。

声をかけてきた男性は黒い整った髪と目のイケメンだった。

この世界でもかなり顔が良い方じゃないかな?やんわり微笑んでるし真面目そう。ザ・優等生って感じ。



「はは、そんな警戒しないでください。僕は藤岡さんを生徒会に誘いに来ただけですから」

「生徒会なんて花美は入らん!」

「僕は藤岡さんに聞いてるんです。生徒会は学校の行事や問題の改善を行い全校生徒を導くのが仕事です」



品行方正を絵に描いたような人なんだけど、なんだろう。笑顔なんだけど何か怖いな。

勝手に私はやらないって断ったお兄ちゃんをピシャリと切り捨て、そのまま何事もないように私に話しかけてくるからかな?

う〜ん、生徒会ってすごく忙しいイメージがあるからVTuberをやりながらなんてできないよね?



「あの、私忙しいから無理だと思います」

「分かってます。VTuber活動がありますもんね」



断ると当たり前のように彼の口からVTuberの話しが出て驚いた。

めっちゃバレてる!!

お兄ちゃん達は警戒心が上がったのか鋭く睨みつけるが、彼は涼しい顔のまま。

誰でも睨まれると(特にエドヴィンさん)怖がるのに全然平気なこの人、やっぱり怖い(((;゜Д゜)))



「でも、だからこそ生徒会に入部して広報として活動してはどうかと思ったんです。

 配信しながら我が校の宣伝をしてくれればいいし、校則違反などを藤岡さんが注意してくれればみんな喜んで聞くと思いますし。

 まぁそもそも藤岡さんが入学してくれただけで十分効果は出てるんですけどね」



にっこり笑顔で話しかけてくるこの人すごい胆力の持ち主!

私の方がお兄ちゃん達が怖くて怯えてしまう。

それに気付いた彼は「藤岡さんが怖がってるので睨みつけるのはやめてもらえますか?」なんて平然とお兄ちゃん達に言ってるし!

でもそのお陰ですっと雰囲気が柔らかくなった。すごい!さっきまでの冷気が一瞬で消えたΣ(゜□ ゜;)



「花美に生徒会に入ってもらいたいのは分かったけど、入るメリットなんてあるのかしら?

 そもそも貴方、名前も名乗らないなんて失礼じゃないの?」



一緒にいた麗華ちゃんが生徒会に入るメリットについて聞き、名乗らないことへの文句も言ってくれる。

マリアちゃんは不思議そうに私達のやり取りを見てるだけだ。

っと思ったら「生徒かい?」と呟いている。

生徒会知らないの!? ま、マリアちゃん!?



「そうですね。私は伊沢紫苑(いざわしおん)2年生で生徒会長補佐をしています。

 正直女性が生徒会に入るメリットはあまりないんです。目立ちたがり屋な女性が入って広報として活動したりしてますが、藤岡さんはそんなタイプではなさそうですし。

 将来有望の生徒会メンバーを夫にするというのも藤岡さんにとっては興味のないことだと思います。

 ですがそうですね。しいて言うなら藤岡さんによって女性を変えることができるかもしれない、ってことくらいですかね?」

「そんなの花美のメリットじゃないじゃない」



にっこり笑顔で話す伊沢さんだけど、この人わざと名前を名乗らなかったんじゃないかな?

その方が印象に残るからって。考えすぎかな?

ずっと微笑んでるけどこの人からアーヴァさんみたいな純粋な爽やかさを感じないんだよね。

麗華ちゃんが呆れた顔でピシャっと一蹴してくれたけど、彼はチラリと彼女を見ただけでほぼじっと私を見てる。

圧が強いから居心地悪いんだよなぁ(^_^;)



「花美さんは同じクラスの女性2人とすぐに仲良くなり、しかも2人共貴女の影響を受けている。

 優しい女性がいると3人揃って男子生徒の間で有名になってるんですよ。

 そんな貴女なら生徒会に入り活動することで、少々我儘に育ってしまった女性を変えることができるんじゃないか?私はそう思いました。

 花美さんにとってのメリットとは呼べないと思いますが、貴女なら今の男女の関係に違和感を感じているのではないかと愚考しました。

 女性を変えたいという、そういった具体的な目的も生徒会に入る理由になると思うんです」



う〜ん、なるほど。

つまり私と仲良くなって2人が良い子になったから、他の女子生徒も私が生徒会に入り活動してれば影響受けて変わるんじゃないかってことか。

でもな、マリアちゃんも麗華ちゃんも元々我儘な女性なんかじゃなかっただけだし。買い被りすぎたよ。

女性を変えるなんて、そこまでの大それた考え持ってないし。

そんなこと人一人の力でできることじゃないと思う。



「我儘に育ったなんて女性に失礼じゃないかしら?」

「そうですね。でもそういった女性がいることは事実ではないですか?」

「……」



事実じゃないか?と言われ黙ってしまう麗華ちゃん。

彼の発言が失礼なのは確かだけど、でもほんとに我儘な女性がいるのも事実だからね。



「よければご一考いただければ幸いです。それでは授業の邪魔になってはいけないので私はこれで失礼します」



綺麗に45℃の角度でお辞儀をするとさっそうと去って行った。

なんかすごい人だな。

お兄ちゃんは「あの男は危険だ!ハンターのような目で花美を見てた!」なんてプンスカ怒っていた。

それと、「最初は藤岡さんと呼んでたのに、途中で花美さん呼びして!」とも怒ってたけど、え!? 気付かなかった!

アーヴァさんとエドヴィンさんも警戒してるし、危険な人なのかもね。

気をつけよう!



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