季節イベント 〜家族とバレンタイン〜
こちらでは大分時期がズレての投稿となりました(;'∀')
「うん、ちゃんと溶けてるね!それをこっちに流し込んで」
「こう?」
「そうそう!で、トントンってテーブルにぶつけてならして置いておくの!」
「あら〜これでほんとに固くなるのかしら?」
「なるよ〜、チョコレートは冷えると固まるから!その間にお茶しよお母さん!」
私はお昼をとうに過ぎた14時近い時間からお母さんと2人でキッチンでとあるものを作っていた。
この世界のお母さんはお昼前後に起きるから、待ってたらこの時間になっちゃった!
お父さん達と仲良しなのは分かるけど、ちょっと寝過ぎじゃないかい?
まずは材料や道具を2人分用意し、私がやりながらお母さんに説明していく。
四角いケーキ型にクッキングシートを敷いてボールに卵、ホットケーキミックス、グラニュー糖を入れて混ぜその型に流し込む。
地面にコンコンして平らにすると共に空気を抜いて、180℃に予熱したオーブンで2、30分焼いておく。
そうやって隣同士に並んで私がお手本を見せながらやってくんだよ。
ケーキが焼き上がったら型から一度外し、このままだと私には綺麗に横から切れないから真ん中から切って2つに分け、それを横から真っ二つにして少し冷ます。
それから平らに分かれたケーキの間に、家にあった食べ途中のブルーベリージャムを塗ってまた重ねる。
ジャムは何でもいいんだよ。苺でもピーナッツでも美味しいし、チョコレートでもホイップでもいいし!
うちには使い途中のブルーベリージャムがあったのでそれを使った。
しっかり冷めたら型に元通りに戻してチョコレートを入れられるように準備しておく。
ケトルでお湯を作ってその間にお父さんに買ってもらったチョコレートを細かく刻んで耐熱容器に入れ、できたお湯をチョコを入れた耐熱容器より一回りほど大きな耐熱容器に少し入れ、チョコレート入りの容器をそこに入れてチョコレートを溶かしていく。
熱湯なのでお湯が溢れないよう注意しつつ、チョコレートにお湯が入らないようにも注意してゴムベラでかき混ぜる。
チョコレートにお湯がかかると溶け辛くなるの不思議だよね!
ゴムベラでベローンと伸びるようになったチョコレートにお母さんはキャッキャキャッキャッしていた。
なめらかになるまで溶かしたチョコレートをケーキ型に流し込んで、今はそれが終わったところ!
さて、冷えてチョコレートが固まるまで時間がかかるしまたお茶しよう!
ケーキを焼いてる間も一緒にお茶しながらお菓子食べてたんだけどね。
「このまま置いておいて冷めたら1口サイズに切り分けて完成だよ!」
「はぁ〜、お菓子作りって大変なのね」
「でも楽しかったでしょ?食べるの楽しみだね!」
「そうね!早く食べたいわ♪」
私にお菓子作りを教えてくれたお母さんに、逆にお菓子作りを教えるというのは何とも不思議な気分だ。
でも、勇気を持ってお母さんにチョコレートのお菓子を作ろうと声をかけて良かった!
断られるかもって思ってたから。
こっちのお母さんはお料理どころかお菓子を作ったこともないから。
ケーキを見て子供みたいにニコニコ楽しそうに笑うお母さんを見て、嬉しいけど……ちょっぴり寂しい変な気持ちになった。
ほんとに、お母さんと同じ人のはずなのに別人なんだなって……
「バレンタインにチョコレートを、それも手作りを贈りたいなんて、花ちゃんはよくそんなマイナーなことを知ってたわね」
「うん!ちょっとネットで見掛けて!」
バレンタインのこの日、お父さん達にチョコレートで何かお菓子を作ろうと思ったんだけど、それをお母さんに言うと既製品を贈ればいいじゃない?って。
女性が少ないこの世界ではバレンタインは海外と同じく、男性が女性に花をプレゼントする日みたいで。
一応女性から男性にチョコレートを贈って日頃の感謝をするってのもあるけど、やる人はあまりいないし、あっても既製品のチョコレートを贈るだけみたい。
男性のお金で買って男性にプレゼントするって何か味気ないよね。
それに私は毎年、バレンタインにはお母さんと一緒にチョコレートを使ったお菓子を作ってお父さんにプレゼントしてたから。
しないと寂しいじゃん。だから勇気を持ってお母さんを誘ってみてよかったな。
「あら、章司にジャックに信彦。それにシュンに久信に蓮も何を覗いてるの?」
「「「えっ!?」」」
「あっ、いや〜。何してるのかなって」
廊下からドアを少し開け、ずっと覗いて見ていたお父さん達&弟達に呆れたようにお母さんが声をかける。
料理するからね、お父さん達キッチンから追い出したんだよ。
女性だけに料理させるなんて心配だ!とか色々ごねて邪魔だから。気持ちは分かるけどバレンタインなんだからお父さん達が手伝っちゃだめなんだよ!
でもほんと、心配で心配でしょうがないみたいでずっっっと廊下から覗いてたの知ってるよ。
弟達に行け!行け!って発破かけてたのも知ってるからね!
何度か代わる代わる来る弟達を追い返したから!
「そろそろ冷えたかな?」
上のチョコレートに触るとコンコンと固そうな感触だし大丈夫そう。
お母さんを呼んで2人でそれぞれの型からチョコレートケーキを取り出す。
それを包丁で小さく切っていく。
素人の包丁は怖いからハラハラするんだけど、切るのもやってみたいってお母さんが言うから自分のを切りつつ見守る。
──やっぱ素人の手つき怖い(((;゜Д゜)))
さっと自分の分は切ってしまって、危なそうなときはお母さんの補助をしつつどちらも綺麗に切れた。
「よ〜し!できた!」
「やった〜〜!!」
無邪気に子供みたいに喜ぶお母さんを見て、嬉しいのにどこかざわつく心を無視してお父さん達を呼ぶ。
できれば可愛いくラッピングまでしたかったけど、ずっと廊下で待ってるんだもん。仕方ない。
「お〜〜!何作ってたんだ!?めちゃくちゃ気になってたんだよな!」
「白々しいなジャック。ほら座ろう」
「手伝わなくていいの?章司さん」
「全部自分達でやりたいんじゃないか?」
ゾロゾロと入って来たお父さん達。ジャックお父さんはニコニコ目を輝かせて、章司お父さんは流石教師!私の気持ちを分かってくれてる!
そんな章司お父さんに言われて信彦お父さんも大人しく座る。
「良い匂いだね姉さん」
「ふふ、ありがとう!ほらみんな座って!」
「え?手伝わなくていいの?」
「いいの!ほら蓮も座らせてお母さん」
「はいはい」
シュンは部屋に入るなり匂いを嗅いで感想を。久信は手伝うつもりだったみたいで座っててと言えば驚いている。
お母さんは蓮を章司お父さんと座らせている。蓮はまだ子供用のダイニングチェアだから自分じゃ座れないからね。
私はチョコレートケーキを1人3個に分けてお皿に盛り付けていく。
人数が多いからどうしても1人辺り少ない個数になっちゃうんだよね。
お母さんが戻って来たのでお母さんにはお父さん達の分を、私は弟達にお皿を配っていく。
飲み物はお父さん達にはコーヒーを、弟達や私とお母さんにはココアを用意した。
さて、全員が座った所で私から言いますか。こほん!
「えっと、お父さんいつもありがとう!シュン久信蓮も仲良くしてくれてありがとう!
日頃の感謝を込めてバレンタインだからお母さんと一緒にチョコレートケーキを作ってみました!
愛情たっぷり込めたから味わって食べてね!」
「章司の言う通り、マジでバレンタインだった」
「ありがとう花美、菖蒲。嬉しいよ。すごく美味しそうだ」
「わっ、俺も嬉しいぞ!」
「僕も嬉しい!」
「「僕も!!」」
「ボクも!」
私の言葉にジャックお父さんがマジでバレンタインだったと驚き、章司お父さんは優しく微笑んで私とお母さんにお礼を言ってくれる。
それに慌ててジャックお父さんが同意すると信彦お父さんも弟達も返事をする。
お母さんがニコニコ笑って「ふふふ、早く食べましょ」と言うとみんなで「いただきます!」と挨拶して食べ始めた。
「んっ、甘い!」
「パリッて!店のケーキみたいだな!」
「間にジャムが入ってるのか、美味いな」
「すごい2人共!市販のケーキみたいだよ!」
「美味しい!ありがとう姉さん!」
「うわ、美味しい!」
「おいしぃ〜!」
みんなでニコニコ美味しい美味しいと言いながら食べるケーキはすごく美味しかった!
あっという間に食べ切ってしまったシュンが悲しそうにお皿を見ているので、私の分を1個こっそり分けてあげた。
すると、「ありがと姉さん」と耳元で色っぽい声でお礼を言われて恥ずかしくて顔が熱くなった。
うちの弟色っぽすぎじゃない??
赤い顔のまま睨みつけるけどニコニコ嬉しそうにチョコレートケーキを食べてる姿を見たら何も言えない!
ううう〜、悔しい!
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その日の夕方、ジャックお父さんが「英和の奴に菖蒲と花美がバレンタインにチョコレートケーキ作ってくれたの自慢したら泣いてたぞw」とゲス発言してきて呆れた。
英和お父さんはお仕事の都合で1人寂しく単身赴任してるんだから、そんな酷いことしなくてもいいのに!
でも実は……
「花美ぃぃ〜〜!チョコレートケーキありがとう!愛してる!!」ってその日の深夜に英和お父さんからテレビ電話がかかってきた。
うん、実は海外にいる英和お父さんには前もって作っておいて、章司お父さんに発送してもらってたんだよ!
やっぱ章司お父さんは頼りになるね!
これは私1人で作ったんだけど、お母さん英和お父さんのこと忘れてないよね??
バレンタインに届けてもらえるように手配したけど、時差かな。
日本の深夜に届いたからもう寝ててちょっと眠かったけど、喜んでもらえてすごく嬉しかった!
それと実はお母さんが今回作ったチョコレートケーキを英和お父さんの分だけ分けて、後で贈ってたことが分かってホッとした。
ただ、ジャックお父さんがつまみ食いして1個減ってたのは本気で呆れたよ!




