おしまい。
誤字報告ありがとうございます
平民から貴族、そして王妃への階段を駆け登るシンデレラストーリーを夢見ていたあんぱん令嬢。
彼女はたとえ攻略対象者との恋愛イベントは無くとも、乙女ゲーム通りにイベントが進んでいると信じていた。
ーーだが、そんな夢は儚く消え去ってしまった。
彼女にとって悪役令嬢だったのは、公爵令嬢ではなく魅惑のむっっちりぼでぃの持ち主だったのである。
王子からの正論攻撃も合わさって身も心もズタボロ状態になったあんぱん令嬢は
「犬なんか!犬なんか大っ嫌いだーー!ばっきゃろーーー!!」
と捨て台詞を吐いて走って逃げて行ったのであった。
ヒロインよ、さようなら。どこか別の場所でキャッキャうふふが出来るといいね。
慌ただしく会場から去っていくあんぱん令嬢。王子は彼女を見送ると、公爵令嬢へと向き直った。
「……さてロゼッタ、迷惑な者も消え去ったことだし、折角のいい機会だ。君との婚約を終了しよう」
「え……?」
婚約破棄の危機はコロネのおかげで消え去ったはずなのに……。
突然の王子の言葉に公爵令嬢は顔色を青く変え…
「婚約の次の段階へ行こう。
俺と結婚してほしい。二人でコロちゃんの子を一緒に育てないか?」
「うれしいですわ!」
いや、赤く染め上げた。
こうして、犬好きのカップルは見事ゴールインしたのであった。おめでとうございます。
「え、ちょっ、うちの子にオスなんて近づけたくないんだけど」
「是非ぼくのところにもいただきたいですね」
「……犬……好きな……お嫁さん……探さなきゃ…」
「コロちゃんに似た子犬とか想像しただけで鼻血ものだねー♪」
※※※※※
ーーあれから三年
われらのコロネは4匹の子の母になっておりました。
可愛い子供達はそれぞれ王子と公爵令嬢夫妻、取り巻き達のおうちへともらわれていき、幸せに暮らしています。
『わうわう。(そしてワタクシは今でも学園の平和のために見回りをしているのですわ)』
「このっ!平民のくせになまいきな!」
『わうわう。(ほらまたワタクシの出番ですわよ)』
3人の令嬢が1人の平民の女の子を囲んでいました。
その間に滑り込んで、コロネはころーんとお腹を見せて転がります。
『わうわう。(まぁまぁ、そんなカリカリしないで。ワタクシのお腹でもなでたら?
ほーらほーら我慢しなくていいのよ?)』
「あぁぁ!あぁぁ!勝てないですわ……こんな、こんなムッチムチぃぃー」
ピリピリしていた空気が一気に緩み、3人の令嬢と平民の女の子は仲良くコロネをぷにぷにもふもふし始めました。
ーーこうして今日も学園は平和になるのです。
『わうわう!(みんなワタクシに夢中。みんなワタクシにメロメロなの。
なぜならワタクシ……
魅惑のむっっちりぼでぃの持ち主ですもの!)』
おわり。
次は長い作品を書こうかなー。もう少し真面目に